コダック社は、6月16日に開かれたバーチャルプレスコンファレンスにおいて、優れた投資対効果(ROI)の達成をめざした新しいデジタル印刷ソリューションを発表。とくに、インクジェットプレス2機種のラインアップ拡充で、改めて市場に再攻勢をはかる考えを強調している。今回、これに関して発信されたイーストマン・コダック社トップのジム コンティネンザ氏のメッセージを紹介する。
すべてのコダック社員は、コダックの過去の歴史を知っている。デジタル写真を世界で初めて発明した私たちは、その可能性を見逃し、先見性のない企業の代表的な例と見られたこともある。しかしご存知ないかもしれないが、デジタル印刷の登場によって私たちは新たなページを開こうとしている。私たちは過去から学び、今ではデジタルを脅威ではなく絶好の機会と捉えている。
長年にわたる状況と比較して、現在のコダックは財政状況が改善されたため、この好機を確実に生かす準備が整っている。第一順位担保付ローンについては全額返済し、年間数千万ドルの利息を削減した。また、コダック独自の印刷技術の多くの基盤とも言うべき、印刷、先端材料および化学における比類のない強みを活用できるように再編成した。私たちは活力と自信に満ちており、多くの優れた製品を用意している。デジタル印刷の次代の革命をリードする準備は整っている。
デジタル印刷時代の幕開け
これまで以上に、印刷の未来はデジタルにあると私たちは信じている。デジタルテクノロジー、とくにコダックのデジタルテクノロジーは、オフセットに匹敵する印刷品質を実現している。KODAK ULTRASTREAMインクジェットテクノロジーで印刷した画像と従来のオフセット印刷による画像を、ぜひ比較してみてほしい。コダックの技術が、デジタル印刷を採用するうえでの大きな障壁を取り除き、すべてを変える。さらに、オフセット印刷では不可能なことも、デジタル印刷では可能となる。ワークフローの効率性向上(pdfファイルを作成してすぐに使用できる)、極少ロットの印刷(1枚でも可能)、可変データの使用によるカスタマイズされたコミュニケーションやパッケージングなどである。コロナウイルスの危機下においては、こうした強みはさらに価値が高まっている。なぜなら、パッケージング分野が成長し続けていることに加え、外出を控える消費者を取り込みたいマーケティング担当者にとって、ダイレクトメールが今まで以上に役立つツールになりつつあるからである。
こうしたことから、より多くの印刷会社(およびそのクライアント)がデジタルの利点を認識しているため、デジタルは現在、急速に成長しており、今後もさらにそのスピードが加速すると予測されている。実際、スミサーズ・ピラ社のリサーチでは、アナログ印刷が縮小しても、2019年から2024年のデジタル印刷の年間平均成長率は7%と予測されている。
デジタル分野を強化
業界が向かうべき将来の方向性に関する明確な根拠に基づき、コダックはデジタル印刷、とくにデジタルパッケージ印刷を可能にする技術の強化を進めている。私たちは一丸となって、デジタル戦略をリードし、資金の投入にも全力を注いでいる。
私たちはすでにデジタルソリューションの優れた製品群を有しているが、印刷技術に対して年間約2,500万ドルの投資を行っている。私たちは研究開発活動に取り組む前に、お客様の声に真摯に耳を傾け、印刷会社のニーズに応え、合理化の促進や生産性の向上、ビジネスの成長、未来におけるデジタル時代でもさらにその成長を加速させるために必要な製品の開発に注力している。お客様の成功なくして私たちの成功もない。
コダックは、常に多くのイノベーションをもたらす科学的な基盤を有していたが、それは今日においても変わらない。コダックは、印刷関連の特許資産として約2,500件のIPポートフォリオを有している。事実、コダックは、KODAK PROSPERプレスから、KODAK SONORAプロセスフリープレート、新しいULTRASTREAMインクジェットプラットフォームに至るまで、今日の印刷における革新的な発明の数々を世に送り出してきた。より筋肉質となり敏捷性が増した現在のコダックなら、デジタルパッケージ印刷など革新的な技術の開発および商品化を推進することが可能なのである。
これらを可能にする大きな要因が経験である。印刷はコダックのDNAであり、数十年にわたり最先端テクノロジーの開発および提供に従事してきた経験を有する人材が数千人も在籍している。私自身も印刷業界での豊富な経験を持ち、印刷会社や製紙会社数社の経営に携わってきた。私は印刷業界を熟知している。テクノロジーの変遷やデジタルの力を理解しており、デジタル印刷が今まさに絶好のチャンスを迎えていることは明らかなのである。
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コダックがデジタルで再攻勢
【メッセージ】イーストマン・コダック社 エグゼクティブチェアマン:ジム コンティネンザ氏
2020年6月29日マーケティングスペシャリスト
コダック社は、6月16日に開かれたバーチャルプレスコンファレンスにおいて、優れた投資対効果(ROI)の達成をめざした新しいデジタル印刷ソリューションを発表。とくに、インクジェットプレス2機種のラインアップ拡充で、改めて市場に再攻勢をはかる考えを強調している。今回、これに関して発信されたイーストマン・コダック社トップのジム コンティネンザ氏のメッセージを紹介する。
すべてのコダック社員は、コダックの過去の歴史を知っている。デジタル写真を世界で初めて発明した私たちは、その可能性を見逃し、先見性のない企業の代表的な例と見られたこともある。しかしご存知ないかもしれないが、デジタル印刷の登場によって私たちは新たなページを開こうとしている。私たちは過去から学び、今ではデジタルを脅威ではなく絶好の機会と捉えている。
長年にわたる状況と比較して、現在のコダックは財政状況が改善されたため、この好機を確実に生かす準備が整っている。第一順位担保付ローンについては全額返済し、年間数千万ドルの利息を削減した。また、コダック独自の印刷技術の多くの基盤とも言うべき、印刷、先端材料および化学における比類のない強みを活用できるように再編成した。私たちは活力と自信に満ちており、多くの優れた製品を用意している。デジタル印刷の次代の革命をリードする準備は整っている。
デジタル印刷時代の幕開け
これまで以上に、印刷の未来はデジタルにあると私たちは信じている。デジタルテクノロジー、とくにコダックのデジタルテクノロジーは、オフセットに匹敵する印刷品質を実現している。KODAK ULTRASTREAMインクジェットテクノロジーで印刷した画像と従来のオフセット印刷による画像を、ぜひ比較してみてほしい。コダックの技術が、デジタル印刷を採用するうえでの大きな障壁を取り除き、すべてを変える。さらに、オフセット印刷では不可能なことも、デジタル印刷では可能となる。ワークフローの効率性向上(pdfファイルを作成してすぐに使用できる)、極少ロットの印刷(1枚でも可能)、可変データの使用によるカスタマイズされたコミュニケーションやパッケージングなどである。コロナウイルスの危機下においては、こうした強みはさらに価値が高まっている。なぜなら、パッケージング分野が成長し続けていることに加え、外出を控える消費者を取り込みたいマーケティング担当者にとって、ダイレクトメールが今まで以上に役立つツールになりつつあるからである。
こうしたことから、より多くの印刷会社(およびそのクライアント)がデジタルの利点を認識しているため、デジタルは現在、急速に成長しており、今後もさらにそのスピードが加速すると予測されている。実際、スミサーズ・ピラ社のリサーチでは、アナログ印刷が縮小しても、2019年から2024年のデジタル印刷の年間平均成長率は7%と予測されている。
デジタル分野を強化
業界が向かうべき将来の方向性に関する明確な根拠に基づき、コダックはデジタル印刷、とくにデジタルパッケージ印刷を可能にする技術の強化を進めている。私たちは一丸となって、デジタル戦略をリードし、資金の投入にも全力を注いでいる。
私たちはすでにデジタルソリューションの優れた製品群を有しているが、印刷技術に対して年間約2,500万ドルの投資を行っている。私たちは研究開発活動に取り組む前に、お客様の声に真摯に耳を傾け、印刷会社のニーズに応え、合理化の促進や生産性の向上、ビジネスの成長、未来におけるデジタル時代でもさらにその成長を加速させるために必要な製品の開発に注力している。お客様の成功なくして私たちの成功もない。
コダックは、常に多くのイノベーションをもたらす科学的な基盤を有していたが、それは今日においても変わらない。コダックは、印刷関連の特許資産として約2,500件のIPポートフォリオを有している。事実、コダックは、KODAK PROSPERプレスから、KODAK SONORAプロセスフリープレート、新しいULTRASTREAMインクジェットプラットフォームに至るまで、今日の印刷における革新的な発明の数々を世に送り出してきた。より筋肉質となり敏捷性が増した現在のコダックなら、デジタルパッケージ印刷など革新的な技術の開発および商品化を推進することが可能なのである。
これらを可能にする大きな要因が経験である。印刷はコダックのDNAであり、数十年にわたり最先端テクノロジーの開発および提供に従事してきた経験を有する人材が数千人も在籍している。私自身も印刷業界での豊富な経験を持ち、印刷会社や製紙会社数社の経営に携わってきた。私は印刷業界を熟知している。テクノロジーの変遷やデジタルの力を理解しており、デジタル印刷が今まさに絶好のチャンスを迎えていることは明らかなのである。
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