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図書印刷、「DSR戦略」の新たな力に[11000 Inkjet Press導入事例]

オフセット印刷に迫る高品質・高速ロール印刷

2020年8月25日ケーススタディ

出版系で本領を発揮する「優れた文字品質」や「広い活用範囲」

 「11000 Inkjet Press」ならではの高画質・高速ロール印刷の優位性はどんな仕事で発揮されているのだろうか。入山本部長が、いくつかの事例を挙げてくれた。

 「たとえばマーケティング分野では、ユーザー嗜好のカスタマイズ化に対応する商品カタログなどを作成しているし、教育分野でも学校別過去問題集や卒業制作集といった小・中ロット多品種案件に活用している。あとはコミックスの小ロット重版対応とか企業の周年史とか。用紙を選ばず高速・高品質に出力できることで、とにかく活用範囲が広い」

 画像だけでなく「文字品質の高さも際立っている」と、青藤工場長が評価する。

 「文字のキレにこだわる出版系の仕事でも、これだけの印字精度があればまったく心配ない」

 「11000 Inkjet Press」が加わったことで、クライアントに対するDSRの訴求力は確実にアップしたという。オフセット印刷では少部数作成は採算が合わないという得意先のニーズにも柔軟に応えられるようになり、在庫の適正化・僅少化によって顧客の収益性向上にも貢献できるのだから、評価が高まるのも当然だ。対外的な効力だけではない。「色調調整不要によりオペレーターの負荷軽減や人員効率化につながる」など、青藤工場長は、「11000 Inkjet Press」の社内的な工程変革のメリットにも注目している。

「顧客と営業の関わり方」を一新するDSR

 高速デジタル印刷機、加工設備、Web受発注システムを組み合わせたDSR全体の導入効果も明確になってきた。加工機連携により断裁・折りがなくなり下拵えが要らず、作業情報が受発注システムで管理されているため製造順番などの管理も不要。デジタル検品で印刷・製本ラインの品質管理を一貫して自動化できるなど、DSRがもたらした変革は数多い。なかでも「営業スタイルを一新できることがとくに大きい」と、入山本部長は強調する。

 「Webオーダーでページ数や判型・部数を入れてもらえれば自動的に金額が出る。つまり営業にとって見積レスになるということ。この仕様であればお互い『この金額でやりましょう』と。標準化されたフォーマットにすることで、営業の効率アップにつながるわけである」

 「今回のDSR構築にあたり11000 Inkjet Press導入だけでなく、Web受発注システムから後加工機にいたるまですべてをトータルにサポートしてくれたFFGSには感謝している」と入山本部長。今後のDSR展開について、どう考えるのか。

 「教育関連市場などでの実績をベースに、Webマーケティングやデジタルマーケティングと連携させた新たなサービスも検討しながら、より幅広い分野のお客様にDSRを活用していただけるよう、営業面でも製造面でもさらに環境を整えていく。また、11000 Inkjet Pressをはじめ、高度な設備が揃っているので、小ロット・多品種・短納期で困っている同業者がいたら、力になれるのではないか」

 パートナーシップを大切に成長を続けてきた同社ならではの柔軟性が伝わってくる。

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2020年8月25日ケーススタディ

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出版系で本領を発揮する「優れた文字品質」や「広い活用範囲」

 「11000 Inkjet Press」ならではの高画質・高速ロール印刷の優位性はどんな仕事で発揮されているのだろうか。入山本部長が、いくつかの事例を挙げてくれた。

 「たとえばマーケティング分野では、ユーザー嗜好のカスタマイズ化に対応する商品カタログなどを作成しているし、教育分野でも学校別過去問題集や卒業制作集といった小・中ロット多品種案件に活用している。あとはコミックスの小ロット重版対応とか企業の周年史とか。用紙を選ばず高速・高品質に出力できることで、とにかく活用範囲が広い」

 画像だけでなく「文字品質の高さも際立っている」と、青藤工場長が評価する。

 「文字のキレにこだわる出版系の仕事でも、これだけの印字精度があればまったく心配ない」

 「11000 Inkjet Press」が加わったことで、クライアントに対するDSRの訴求力は確実にアップしたという。オフセット印刷では少部数作成は採算が合わないという得意先のニーズにも柔軟に応えられるようになり、在庫の適正化・僅少化によって顧客の収益性向上にも貢献できるのだから、評価が高まるのも当然だ。対外的な効力だけではない。「色調調整不要によりオペレーターの負荷軽減や人員効率化につながる」など、青藤工場長は、「11000 Inkjet Press」の社内的な工程変革のメリットにも注目している。

「顧客と営業の関わり方」を一新するDSR

 高速デジタル印刷機、加工設備、Web受発注システムを組み合わせたDSR全体の導入効果も明確になってきた。加工機連携により断裁・折りがなくなり下拵えが要らず、作業情報が受発注システムで管理されているため製造順番などの管理も不要。デジタル検品で印刷・製本ラインの品質管理を一貫して自動化できるなど、DSRがもたらした変革は数多い。なかでも「営業スタイルを一新できることがとくに大きい」と、入山本部長は強調する。

 「Webオーダーでページ数や判型・部数を入れてもらえれば自動的に金額が出る。つまり営業にとって見積レスになるということ。この仕様であればお互い『この金額でやりましょう』と。標準化されたフォーマットにすることで、営業の効率アップにつながるわけである」

 「今回のDSR構築にあたり11000 Inkjet Press導入だけでなく、Web受発注システムから後加工機にいたるまですべてをトータルにサポートしてくれたFFGSには感謝している」と入山本部長。今後のDSR展開について、どう考えるのか。

 「教育関連市場などでの実績をベースに、Webマーケティングやデジタルマーケティングと連携させた新たなサービスも検討しながら、より幅広い分野のお客様にDSRを活用していただけるよう、営業面でも製造面でもさらに環境を整えていく。また、11000 Inkjet Pressをはじめ、高度な設備が揃っているので、小ロット・多品種・短納期で困っている同業者がいたら、力になれるのではないか」

 パートナーシップを大切に成長を続けてきた同社ならではの柔軟性が伝わってくる。

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