ミヤコシ、軟包装用水性インクジェットを市場投入〜生産性と環境配慮を両立
デジタル技術で軟包装印刷の課題解決へ
2020年10月2日製品・テクノロジー
-
(株)ミヤコシ(本社/千葉県習志野市、宮腰亨社長)は今年6月、軟包装用フルカラー水性インクジェットプリンター「MJP30AXF」の販売を開始した。同社では、この水性顔料インクを採用した「MJP30AXF」を「軟包装印刷にデジタル革命をもたらす生産機」と位置付け、多品種小ロット対応というデジタル印刷の強みに加え、環境に配慮した水性顔料インクで軟包装印刷における高効率生産や作業負荷の低減、そして世界的に気運が高まっているSDGsへの対応支援を図っていく。
同社では、パッケージ市場を戦略的マーケットと定め、この分野への新システムの開発投資・市場導入を強化している。軟包装印刷向けには、すでに富士フイルムと協力して、窒素パージ技術で低臭気化を図った軟包装用のUVインクジェットデジタル印刷機を開発し、市場導入も始まっている。しかし、食品包装用途としてとらえた場合、UVインクジェット方式は、国内市場ではそれほどではないが海外市場への展開を考えると水性インクソリューションは必須となる。そのため同社は、水性顔料インクを採用した軟包装用インクジェット印刷機の開発に取り組んできた。そしてIGAS2018では、水性顔料インクを採用した「MJP30AXF」を参考出品として展示し、実演を披露している。
フィルム基材への水性インク定着を可能に
参考出品から約2年を経て、正式リリースとなったが、その間の技術的改良について、同社・企画開発本部企画部の内田哲雄顧問は、「フィルム基材に対し、水性顔料インクを的確に着弾・乾燥させ、その後のラミネート加工までの品質を担保するための技術的ハードルは、予想以上に高かった」と振り返る。
このため同社では、水性顔料インクとプライマーの適合性や乾燥装置との最適な組み合わせ、さらには、印刷速度の変化による印刷品質への影響など、資材やシステムなど、すべての面で見直しを実施した。
また、インクやプライマーなどの資材は、IGAS2018での参考出品モデルから、さらに改良を加え、併せて乾燥システムも刷新している。具体的には、プライマー・コーター部にIR乾燥装置、インクジェット部のCMYKユニットとWWユニットに新開発の熱風乾燥装置をそれぞれ搭載している。
「品質を担保しつつ、基材の伸縮を限りなくゼロに抑えること。さらに白インクを塗布して最終乾燥となるため、この乾燥システムは、MJP30AXFの重要な機能の1つである。詳細は、明らかにできないが、乾燥装置の機能性を向上させるだけではなく、資材や搬送も含めたシステムとして最適な組み合わせを検証して確立した技術である」(内田顧問)そして、これらの技術改良を経て今年6月、全世界に向けて「MJP30AXF」の正式リリースが発表された。
新着トピックス
奥村印刷、新たな価値を紙に付加〜「折り紙食器 beak」でIPA2024に入賞
2024年11月20日企業・経営
奥村印刷(株)(本社/東京都北区、奥村文泰社長)は、2024年度の「Innovation Print Awards(以下、IPA)」において、「サステナビリティ部門」第1位を獲得した...全文を読む
富士フイルム、TOKYO PACKでブランドオーナーにデジタル印刷活用促す
2024年11月15日マーケティング
「もっと自由にパッケージ・オンデマンド」─富士フイルムグループは、10月23日から開催された「TOKYO PACK 2024(東京国際包装展)」において、富士フイルムが独自開発した幅...全文を読む
最新ニュース
日本HP、KADOKAWA「出版製造流通DXプロジェクト」を支援
2025年1月21日
(株)日本HP(本社/東京都港区、岡戸伸樹社長)は1月16日、(株)KADOKAWA(本社/東京都千代田区、夏野剛社長・CEO)の運営する埼玉県所沢市の大型文化複合施設「ところざわサ...全文を読む
2025年1月20日
ローランド ディー.ジー.(株)は、大判インクジェットプリンターTrueVISシリーズ「LG-640/540/300」と、DGXPRESSシリーズの「UG-642」で使用できる拡張テ...全文を読む
swissQprint、第5世代フラットベッド新モデル-生産性23%向上
2025年1月14日
swissQprintは、プラットフォームを全面的に刷新し、生産性、精度、アプリケーションの多用途性を新たなレベルへと引き上げたフラットベッド新世代モデルを発表した。新モデルは従来機...全文を読む
ミヤコシ、軟包装用水性インクジェットを市場投入〜生産性と環境配慮を両立
デジタル技術で軟包装印刷の課題解決へ
2020年10月2日製品・テクノロジー
(株)ミヤコシ(本社/千葉県習志野市、宮腰亨社長)は今年6月、軟包装用フルカラー水性インクジェットプリンター「MJP30AXF」の販売を開始した。同社では、この水性顔料インクを採用した「MJP30AXF」を「軟包装印刷にデジタル革命をもたらす生産機」と位置付け、多品種小ロット対応というデジタル印刷の強みに加え、環境に配慮した水性顔料インクで軟包装印刷における高効率生産や作業負荷の低減、そして世界的に気運が高まっているSDGsへの対応支援を図っていく。
同社では、パッケージ市場を戦略的マーケットと定め、この分野への新システムの開発投資・市場導入を強化している。軟包装印刷向けには、すでに富士フイルムと協力して、窒素パージ技術で低臭気化を図った軟包装用のUVインクジェットデジタル印刷機を開発し、市場導入も始まっている。
しかし、食品包装用途としてとらえた場合、UVインクジェット方式は、国内市場ではそれほどではないが海外市場への展開を考えると水性インクソリューションは必須となる。そのため同社は、水性顔料インクを採用した軟包装用インクジェット印刷機の開発に取り組んできた。そしてIGAS2018では、水性顔料インクを採用した「MJP30AXF」を参考出品として展示し、実演を披露している。
フィルム基材への水性インク定着を可能に
参考出品から約2年を経て、正式リリースとなったが、その間の技術的改良について、同社・企画開発本部企画部の内田哲雄顧問は、「フィルム基材に対し、水性顔料インクを的確に着弾・乾燥させ、その後のラミネート加工までの品質を担保するための技術的ハードルは、予想以上に高かった」と振り返る。
このため同社では、水性顔料インクとプライマーの適合性や乾燥装置との最適な組み合わせ、さらには、印刷速度の変化による印刷品質への影響など、資材やシステムなど、すべての面で見直しを実施した。
また、インクやプライマーなどの資材は、IGAS2018での参考出品モデルから、さらに改良を加え、併せて乾燥システムも刷新している。具体的には、プライマー・コーター部にIR乾燥装置、インクジェット部のCMYKユニットとWWユニットに新開発の熱風乾燥装置をそれぞれ搭載している。
「品質を担保しつつ、基材の伸縮を限りなくゼロに抑えること。さらに白インクを塗布して最終乾燥となるため、この乾燥システムは、MJP30AXFの重要な機能の1つである。詳細は、明らかにできないが、乾燥装置の機能性を向上させるだけではなく、資材や搬送も含めたシステムとして最適な組み合わせを検証して確立した技術である」(内田顧問)
そして、これらの技術改良を経て今年6月、全世界に向けて「MJP30AXF」の正式リリースが発表された。
新着トピックス
-
FFGS、潜在ニーズ発見と技術検証の場として機能[Solution Design Lab.]
2024年12月23日 企業・経営
-
竹田印刷、多様な個性をかたちに〜アール・ブリュット作品を世界に発信
2024年12月6日 企業・経営
-
奥村印刷、新たな価値を紙に付加〜「折り紙食器 beak」でIPA2024に入賞
2024年11月20日 企業・経営
-
富士フイルム、TOKYO PACKでブランドオーナーにデジタル印刷活用促す
2024年11月15日 マーケティング
-
価値協創で新たな潮流|エイエイピー、Jet Press 750Sが新たなステージへ
2024年11月13日 企業・経営
新着ニュース
SNSランキング
- 41sharesローランドDG、UVプリンターが紙器パッケージ製作に対応
- 39sharesSCREEN、Hunkeler Innovationdaysでインクジェットと後加工機の連携披露
- 39sharesミマキ、印刷脱色技術実用化でタペストリーのアップサイクル実現
- 38sharesKOMORI、241名が来場した新春特別内覧会のデモ動画(Impremia IS29s」公開
- 36sharesエプソン、使いやすさと安定稼働を両立したエプソン初のDTF専用プリンター発売
- 33sharesFFGS、潜在ニーズ発見と技術検証の場として機能[Solution Design Lab.]
- 29sharesKOMORI、インクジェット印刷機とデジタル加飾機の連携披露
- 25shares富士フイルムBI、デジタル印刷作品のコンテスト「IPA」の作品募集開始
- 25sharesSCREEN GA、高速連帳IJの次世代モデル「Truepress JET 520NX AD」発売
- 25shares富士フイルムBI、1パス5色印刷を可能にしたミドルレンジモデルを発売