(株)ミヤコシ(本社/千葉県習志野市、宮腰亨社長)は今年6月、軟包装用フルカラー水性インクジェットプリンター「MJP30AXF」の販売を開始した。同社では、この水性顔料インクを採用した「MJP30AXF」を「軟包装印刷にデジタル革命をもたらす生産機」と位置付け、多品種小ロット対応というデジタル印刷の強みに加え、環境に配慮した水性顔料インクで軟包装印刷における高効率生産や作業負荷の低減、そして世界的に気運が高まっているSDGsへの対応支援を図っていく。
同社では、パッケージ市場を戦略的マーケットと定め、この分野への新システムの開発投資・市場導入を強化している。軟包装印刷向けには、すでに富士フイルムと協力して、窒素パージ技術で低臭気化を図った軟包装用のUVインクジェットデジタル印刷機を開発し、市場導入も始まっている。
しかし、食品包装用途としてとらえた場合、UVインクジェット方式は、国内市場ではそれほどではないが海外市場への展開を考えると水性インクソリューションは必須となる。そのため同社は、水性顔料インクを採用した軟包装用インクジェット印刷機の開発に取り組んできた。そしてIGAS2018では、水性顔料インクを採用した「MJP30AXF」を参考出品として展示し、実演を披露している。
フィルム基材への水性インク定着を可能に
参考出品から約2年を経て、正式リリースとなったが、その間の技術的改良について、同社・企画開発本部企画部の内田哲雄顧問は、「フィルム基材に対し、水性顔料インクを的確に着弾・乾燥させ、その後のラミネート加工までの品質を担保するための技術的ハードルは、予想以上に高かった」と振り返る。
このため同社では、水性顔料インクとプライマーの適合性や乾燥装置との最適な組み合わせ、さらには、印刷速度の変化による印刷品質への影響など、資材やシステムなど、すべての面で見直しを実施した。
また、インクやプライマーなどの資材は、IGAS2018での参考出品モデルから、さらに改良を加え、併せて乾燥システムも刷新している。具体的には、プライマー・コーター部にIR乾燥装置、インクジェット部のCMYKユニットとWWユニットに新開発の熱風乾燥装置をそれぞれ搭載している。
「品質を担保しつつ、基材の伸縮を限りなくゼロに抑えること。さらに白インクを塗布して最終乾燥となるため、この乾燥システムは、MJP30AXFの重要な機能の1つである。詳細は、明らかにできないが、乾燥装置の機能性を向上させるだけではなく、資材や搬送も含めたシステムとして最適な組み合わせを検証して確立した技術である」(内田顧問)
そして、これらの技術改良を経て今年6月、全世界に向けて「MJP30AXF」の正式リリースが発表された。
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同社では、パッケージ市場を戦略的マーケットと定め、この分野への新システムの開発投資・市場導入を強化している。軟包装印刷向けには、すでに富士フイルムと協力して、窒素パージ技術で低臭気化を図った軟包装用のUVインクジェットデジタル印刷機を開発し、市場導入も始まっている。
しかし、食品包装用途としてとらえた場合、UVインクジェット方式は、国内市場ではそれほどではないが海外市場への展開を考えると水性インクソリューションは必須となる。そのため同社は、水性顔料インクを採用した軟包装用インクジェット印刷機の開発に取り組んできた。そしてIGAS2018では、水性顔料インクを採用した「MJP30AXF」を参考出品として展示し、実演を披露している。
フィルム基材への水性インク定着を可能に
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このため同社では、水性顔料インクとプライマーの適合性や乾燥装置との最適な組み合わせ、さらには、印刷速度の変化による印刷品質への影響など、資材やシステムなど、すべての面で見直しを実施した。
また、インクやプライマーなどの資材は、IGAS2018での参考出品モデルから、さらに改良を加え、併せて乾燥システムも刷新している。具体的には、プライマー・コーター部にIR乾燥装置、インクジェット部のCMYKユニットとWWユニットに新開発の熱風乾燥装置をそれぞれ搭載している。
「品質を担保しつつ、基材の伸縮を限りなくゼロに抑えること。さらに白インクを塗布して最終乾燥となるため、この乾燥システムは、MJP30AXFの重要な機能の1つである。詳細は、明らかにできないが、乾燥装置の機能性を向上させるだけではなく、資材や搬送も含めたシステムとして最適な組み合わせを検証して確立した技術である」(内田顧問)
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