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大同至高印刷、小ロット対応の課題克服〜商品開発力にデジタル印刷を付加

特殊印刷の生産機としてHP Indigo 7900 デジタル印刷機が稼働開始

2020年10月22日ケーススタディ

 世界の小売ブランドに高品質なカラー印刷を施したプラスチックシート製品を提供する大同至高印刷(株)(本社/愛知県名古屋市、川瀬康輝社長)は今年7月、新たな生産設備として導入した「HP Indigo 7900 デジタル印刷機」の本格稼働を開始した。同社は、「HP Indigo 7900 デジタル印刷機」導入を契機にクリアファイルやノベルティ、販促グッズなど、コア事業である高付加価値印刷事業の拡大を推し進めていく。今回、同社・川瀬社長にデジタル印刷機導入の経緯や、今後の経営ビジョンなどについてうかがった。
川瀬 社長
 同社は、UVオフセット印刷、UVシルク印刷の技術を核に、シートフィルム印刷と加工に特化した業務を展開している印刷会社。屋外でも色落ちしない耐候(耐光)インキや成型しても割れないオフセット印刷をはじめ、オフセット印刷とシルク印刷の利点を融合し独自の印刷、製版技術の確立と印刷品質の高さでUVシート印刷の世界で一番綺麗な印刷物を世の中に提供できる会社を目指している。

 さらに、この卓越した印刷技術と営業、事務、制作チームによるプロフェッショナルな対応、社内一貫生産による後加工、出荷までの品質保持とスピードに加えて、近年では同社独自の商品を数多く創作し、提案力、企画・アイディア力で顧客満足のさらなる向上に取り組んでいる。とくに独自商品の開発は、同社の特徴の1つといえる。同社では、オリジナル商品220点を掲載した商品カタログを作成し販促ツールとして活用している。

 さらに各種展示会にも積極的に出展参加し、自社開発商品のプロモーションを展開している。その目的について川瀬社長は、「印刷ビジネスでは、顧客との間に代理店などを経由するケースもあり、これでは顧客が求めている本当のニーズを掴むことができない。そこで当社の商品を直接、アピールするために様々な展示会に出展し、顧客ニーズを肌で感じるとともに、次の商品開発のヒントとして活用している」と説明する。

 同社では、展示会出展時には、必ず新商品を出品するというルールを決めている。この取り組みは、オリジナル商品のラインアップ拡充という目的のほか、従業員のモチベーションアップにも大きな効果を発揮しているという。

求めたのは特殊基材への印刷が可能な生産機

 その同社は、新たな生産設備としてこの度HP Indigoデジタル印刷機を導入したが、川瀬社長は、導入理由の1つに「廃棄物の削減」を挙げている。

 「当社は、フィルムなどの特殊基材への印刷を強みとしている。しかし、オフセット印刷の場合、ジョブごとに少なくても100シート程度の損紙が発生する。複雑な絵柄や難易度の高い印刷になると、その量はさらに増えてしまう。これら損紙は、資材コストだけでなく廃棄コストも発生する。この無駄を何とか解消したい、というのが導入目的の1つである」

 また、川瀬社長は、機種選定にあたり求めた機能が「ホワイトを印刷できる生産機」だったと語る。「4色を印刷できるデジタル印刷機は、多く存在するが、ホワイトを印刷でき、さらに生産性を重視するとHP Indigoが当社の求めている生産設備であった」

 加えて、フィルムなどの透明な基材でも問題なく給紙・搬送・印刷できる機能も特殊基材への印刷を強みとする同社にとって必要不可欠であることから川瀬社長は、これらの要望をすべてクリアしているHP Indigo7900デジタル印刷機の導入を決意。そして様々なテスト検証を経て、今年7月、本格的な稼働を開始した。
HP Indigo 7900 デジタル印刷機
 同社が導入した、HP Indigo7900デジタル印刷機は、高生産性と高印刷品質の提供を実現するとともに多種多様なメディアに対応するA3寸伸びサイズのデジタル枚葉印刷機。5色構成を基本仕様としているが、オレンジ、グリーン、バイオレットなど最大7色まで対応。さらにホワイトや蛍光ピンクなど特殊効果インクも搭載できる。印刷速度は、4色A4サイズモードで120ページ/分(片面)、生産強化モード(EPM)時カラーAサイズ160ページ/分(片面)の高い生産性を誇っている。

効率的な小ロット生産体制の確立へ

 HP Indigo 7900 デジタル印刷機の導入にあたり川瀬社長は、フィルム面のインクの密着という課題を懸念していたが、様々なテスト検証の結果、これら課題を克服している。また、小ロットへの柔軟かつ効率的な対応もデジタル印刷機を導入した、もう1つの理由だ。コロナ禍の現在、同社では「マスクケース」の生産で、すべての生産機がフル稼働している。さらに、ここ最近では「PP製の抗菌マスクケース」の受注が増えてきていることから川瀬社長は、3,000枚以下の単発ロット品については、HP Indigo 7900 デジタル印刷機で生産していくことを検討している。

 そして、小ロット対応とともに川瀬社長が期待しているのが、常に安定した印刷品質を実現できる生産体制の構築だ。特殊基材への印刷を手がける同社では、複数のオフセット印刷機を設備している。そのためリピートオーダーの際に、前回と異なる印刷機で印刷すると、なかなか色が合わないという問題を抱えていた。

 「頻繁に受注している小ロット物では、毎回のように色合わせに苦労している。そのため時間コストだけでなく、損紙などの資材コストの無駄が発生する。しかし、デジタル印刷機であれば、ジョブ切り替えも簡単にでき、また、色合わせに手間取ることもない」

 今後は、高品質な印刷仕上がりの特性を活かし、生産機としての稼働のほか、オフセット印刷の校正紙を出力するカラープルーフとして使用していくことも検討しているという。加えて、独自開発商品などのサンプルをHP Indigo 7900 デジタル印刷機で印刷し、顧客との商談に積極的に活用し、受注獲得につなげていく。

 「HP Indigo で印刷したものに、折りやダイカットなどの最終加工を施すことで、本製品と遜色ないサンプルを迅速に顧客に提案できる。顧客側も、そのサンプルを実際に手にとって、見て、触れるのでイメージを直接感じ取ることができ、商談もスムーズに進めることができるはず。これはデジタル印刷機でなければ、できない提案手法と言える」

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 世界の小売ブランドに高品質なカラー印刷を施したプラスチックシート製品を提供する大同至高印刷(株)(本社/愛知県名古屋市、川瀬康輝社長)は今年7月、新たな生産設備として導入した「HP Indigo 7900 デジタル印刷機」の本格稼働を開始した。同社は、「HP Indigo 7900 デジタル印刷機」導入を契機にクリアファイルやノベルティ、販促グッズなど、コア事業である高付加価値印刷事業の拡大を推し進めていく。今回、同社・川瀬社長にデジタル印刷機導入の経緯や、今後の経営ビジョンなどについてうかがった。
川瀬 社長
 同社は、UVオフセット印刷、UVシルク印刷の技術を核に、シートフィルム印刷と加工に特化した業務を展開している印刷会社。屋外でも色落ちしない耐候(耐光)インキや成型しても割れないオフセット印刷をはじめ、オフセット印刷とシルク印刷の利点を融合し独自の印刷、製版技術の確立と印刷品質の高さでUVシート印刷の世界で一番綺麗な印刷物を世の中に提供できる会社を目指している。

 さらに、この卓越した印刷技術と営業、事務、制作チームによるプロフェッショナルな対応、社内一貫生産による後加工、出荷までの品質保持とスピードに加えて、近年では同社独自の商品を数多く創作し、提案力、企画・アイディア力で顧客満足のさらなる向上に取り組んでいる。とくに独自商品の開発は、同社の特徴の1つといえる。同社では、オリジナル商品220点を掲載した商品カタログを作成し販促ツールとして活用している。

 さらに各種展示会にも積極的に出展参加し、自社開発商品のプロモーションを展開している。その目的について川瀬社長は、「印刷ビジネスでは、顧客との間に代理店などを経由するケースもあり、これでは顧客が求めている本当のニーズを掴むことができない。そこで当社の商品を直接、アピールするために様々な展示会に出展し、顧客ニーズを肌で感じるとともに、次の商品開発のヒントとして活用している」と説明する。

 同社では、展示会出展時には、必ず新商品を出品するというルールを決めている。この取り組みは、オリジナル商品のラインアップ拡充という目的のほか、従業員のモチベーションアップにも大きな効果を発揮しているという。

求めたのは特殊基材への印刷が可能な生産機

 その同社は、新たな生産設備としてこの度HP Indigoデジタル印刷機を導入したが、川瀬社長は、導入理由の1つに「廃棄物の削減」を挙げている。

 「当社は、フィルムなどの特殊基材への印刷を強みとしている。しかし、オフセット印刷の場合、ジョブごとに少なくても100シート程度の損紙が発生する。複雑な絵柄や難易度の高い印刷になると、その量はさらに増えてしまう。これら損紙は、資材コストだけでなく廃棄コストも発生する。この無駄を何とか解消したい、というのが導入目的の1つである」

 また、川瀬社長は、機種選定にあたり求めた機能が「ホワイトを印刷できる生産機」だったと語る。「4色を印刷できるデジタル印刷機は、多く存在するが、ホワイトを印刷でき、さらに生産性を重視するとHP Indigoが当社の求めている生産設備であった」

 加えて、フィルムなどの透明な基材でも問題なく給紙・搬送・印刷できる機能も特殊基材への印刷を強みとする同社にとって必要不可欠であることから川瀬社長は、これらの要望をすべてクリアしているHP Indigo7900デジタル印刷機の導入を決意。そして様々なテスト検証を経て、今年7月、本格的な稼働を開始した。
HP Indigo 7900 デジタル印刷機
 同社が導入した、HP Indigo7900デジタル印刷機は、高生産性と高印刷品質の提供を実現するとともに多種多様なメディアに対応するA3寸伸びサイズのデジタル枚葉印刷機。5色構成を基本仕様としているが、オレンジ、グリーン、バイオレットなど最大7色まで対応。さらにホワイトや蛍光ピンクなど特殊効果インクも搭載できる。印刷速度は、4色A4サイズモードで120ページ/分(片面)、生産強化モード(EPM)時カラーAサイズ160ページ/分(片面)の高い生産性を誇っている。

効率的な小ロット生産体制の確立へ

 HP Indigo 7900 デジタル印刷機の導入にあたり川瀬社長は、フィルム面のインクの密着という課題を懸念していたが、様々なテスト検証の結果、これら課題を克服している。また、小ロットへの柔軟かつ効率的な対応もデジタル印刷機を導入した、もう1つの理由だ。コロナ禍の現在、同社では「マスクケース」の生産で、すべての生産機がフル稼働している。さらに、ここ最近では「PP製の抗菌マスクケース」の受注が増えてきていることから川瀬社長は、3,000枚以下の単発ロット品については、HP Indigo 7900 デジタル印刷機で生産していくことを検討している。

 そして、小ロット対応とともに川瀬社長が期待しているのが、常に安定した印刷品質を実現できる生産体制の構築だ。特殊基材への印刷を手がける同社では、複数のオフセット印刷機を設備している。そのためリピートオーダーの際に、前回と異なる印刷機で印刷すると、なかなか色が合わないという問題を抱えていた。

 「頻繁に受注している小ロット物では、毎回のように色合わせに苦労している。そのため時間コストだけでなく、損紙などの資材コストの無駄が発生する。しかし、デジタル印刷機であれば、ジョブ切り替えも簡単にでき、また、色合わせに手間取ることもない」

 今後は、高品質な印刷仕上がりの特性を活かし、生産機としての稼働のほか、オフセット印刷の校正紙を出力するカラープルーフとして使用していくことも検討しているという。加えて、独自開発商品などのサンプルをHP Indigo 7900 デジタル印刷機で印刷し、顧客との商談に積極的に活用し、受注獲得につなげていく。

 「HP Indigo で印刷したものに、折りやダイカットなどの最終加工を施すことで、本製品と遜色ないサンプルを迅速に顧客に提案できる。顧客側も、そのサンプルを実際に手にとって、見て、触れるのでイメージを直接感じ取ることができ、商談もスムーズに進めることができるはず。これはデジタル印刷機でなければ、できない提案手法と言える」

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