キーワードで検索

「オフセットと遜色なし」- 三島由紀夫 超大型写真集[Jet Press 750S採用事例]

モノクロ写真の滑らかな階調表現評価〜優れた色安定性で満足の仕上がり

2021年4月16日ケーススタディ

 日本近代文学、戦後政治思想において大きな足跡を残した三島由紀夫氏。その死から50年となった2020年11月25日、三島氏の超大型写真集「OTOKO NO SHI」がCCCアートラボ(株)(本社/東京都渋谷区南平台町16-17、久保田佳也社長)から出版された。これは篠山紀信氏が撮影、横尾忠則氏が装丁・編集したB2版(515×728ミリ)の超大型写真集を蔦屋書店のプライベートブランドとして企画・刊行したものだ。初版50部(篠山紀信・横尾忠則両氏のサイン入り)、価格50万円(税抜)というこの豪華写真集の印刷には、富士フイルムのインクジェットデジタルプレス「Jet Press 750S」が採用された。同写真集を企画・制作したCCCアートラボPB&Salesユニットリーダーの藤井隆氏と、CCCアートラボ取締役で光村推古書院(株)代表取締役でもある合田有作氏の両氏に、「Jet Press 750S」採用の理由や仕上がりに対する評価について伺った。

銀座蔦屋書店内での展示や直接ファンやコレクターにアプローチする売り方が中心

超大型写真集「BIG BOOK」について

 CCCアートラボは、蔦屋書店・TSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブのグループ会社で、アートに関する生活提案事業の運営と業態開発を行っており、銀座蔦屋書店・京都岡崎蔦屋書店は同社の直営店舗となっている。また、光村推古書院はCCCアートラボグループの出版社である。「OTOKO NO SHI」では、藤井氏が企画、合田氏が制作進行をそれぞれ担当した。

合田取締役(左)と藤井ユニットリーダー(銀座蔦屋書店のBIG BOOKコーナーで)

 藤井氏が所属するPB&Salesユニットは、蔦屋書店のプライベートブランドを手がける部署で、「BIG BOOK」はそのカテゴリーのひとつである。

 「豪華で大型の写真集BIG BOOKは、銀座蔦屋書店がオープンした4年前にスタートした。アートファンやコレクターに向けて数十部という少部数で発行している」(藤井氏)

 BIG BOOKは、銀座蔦屋書店内での展示や、直接ファンやコレクターにアプローチする売り方を中心としている。また、店舗に足を運ぶのが難しい海外のコレクターなどに向けたインターネット経由での販売も行っている。

三島由紀夫BIG BOOK「OTOKO NO SHI」

 「OTOKO NO SHI」で使われている写真は、50年前に三島由紀夫氏が「男の死」という写真集の企画のために、写真家篠山紀信氏を指名して、自らを被写体として自死の直前まで撮影させた歴史的なものである。CCCアートラボは、三島氏が企画した「男の死」において装丁する予定であった画家の横尾忠則氏にこの本のデザインを依頼した。写真の選択から編集、デザイン、レイアウトを横尾氏に完全に任せ、篠山氏が撮影したモノクロ写真に横尾氏が色彩を施した前衛的な編集となっている。

 「当時のことをよくご存じの篠山先生と横尾先生と一緒につくることができれば、最高のものができると信じていた」(藤井氏)

 本来なら50年前に刊行されていたはずの写真集が、2020年に超大型写真集BIG BOOKとして刊行された。このことについて藤井氏は「非常に光栄なこと」と語る。

新着トピックス

dp_ipa2024_okumura_20241113_tn.jpg

奥村印刷、新たな価値を紙に付加〜「折り紙食器 beak」でIPA2024に入賞

2024年11月20日企業・経営

 奥村印刷(株)(本社/東京都北区、奥村文泰社長)は、2024年度の「Innovation Print Awards(以下、IPA)」において、「サステナビリティ部門」第1位を獲得した...全文を読む

大西部長(左)と小林部長

富士フイルム、TOKYO PACKでブランドオーナーにデジタル印刷活用促す

2024年11月15日マーケティング

 「もっと自由にパッケージ・オンデマンド」─富士フイルムグループは、10月23日から開催された「TOKYO PACK 2024(東京国際包装展)」において、富士フイルムが独自開発した幅...全文を読む

最新ニュース

dp_indigo5000_pwwp490m_hd_tn.jpg

日本HP、KADOKAWA「出版製造流通DXプロジェクト」を支援

2025年1月21日

 (株)日本HP(本社/東京都港区、岡戸伸樹社長)は1月16日、(株)KADOKAWA(本社/東京都千代田区、夏野剛社長・CEO)の運営する埼玉県所沢市の大型文化複合施設「ところざわサ...全文を読む

truevis_lg_mg_2501_tn.jpg

ローランドDG、UVプリンターが紙器パッケージ製作に対応

2025年1月20日

 ローランド ディー.ジー.(株)は、大判インクジェットプリンターTrueVISシリーズ「LG-640/540/300」と、DGXPRESSシリーズの「UG-642」で使用できる拡張テ...全文を読む

swissQprint、第5世代フラットベッド新モデル-生産性23%向上

2025年1月14日

 swissQprintは、プラットフォームを全面的に刷新し、生産性、精度、アプリケーションの多用途性を新たなレベルへと引き上げたフラットベッド新世代モデルを発表した。新モデルは従来機...全文を読む

「オフセットと遜色なし」- 三島由紀夫 超大型写真集[Jet Press 750S採用事例]

モノクロ写真の滑らかな階調表現評価〜優れた色安定性で満足の仕上がり

2021年4月16日ケーススタディ

  • twitter
  • facebook
  • line

 日本近代文学、戦後政治思想において大きな足跡を残した三島由紀夫氏。その死から50年となった2020年11月25日、三島氏の超大型写真集「OTOKO NO SHI」がCCCアートラボ(株)(本社/東京都渋谷区南平台町16-17、久保田佳也社長)から出版された。これは篠山紀信氏が撮影、横尾忠則氏が装丁・編集したB2版(515×728ミリ)の超大型写真集を蔦屋書店のプライベートブランドとして企画・刊行したものだ。初版50部(篠山紀信・横尾忠則両氏のサイン入り)、価格50万円(税抜)というこの豪華写真集の印刷には、富士フイルムのインクジェットデジタルプレス「Jet Press 750S」が採用された。同写真集を企画・制作したCCCアートラボPB&Salesユニットリーダーの藤井隆氏と、CCCアートラボ取締役で光村推古書院(株)代表取締役でもある合田有作氏の両氏に、「Jet Press 750S」採用の理由や仕上がりに対する評価について伺った。

銀座蔦屋書店内での展示や直接ファンやコレクターにアプローチする売り方が中心

超大型写真集「BIG BOOK」について

 CCCアートラボは、蔦屋書店・TSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブのグループ会社で、アートに関する生活提案事業の運営と業態開発を行っており、銀座蔦屋書店・京都岡崎蔦屋書店は同社の直営店舗となっている。また、光村推古書院はCCCアートラボグループの出版社である。「OTOKO NO SHI」では、藤井氏が企画、合田氏が制作進行をそれぞれ担当した。

合田取締役(左)と藤井ユニットリーダー(銀座蔦屋書店のBIG BOOKコーナーで)

 藤井氏が所属するPB&Salesユニットは、蔦屋書店のプライベートブランドを手がける部署で、「BIG BOOK」はそのカテゴリーのひとつである。

 「豪華で大型の写真集BIG BOOKは、銀座蔦屋書店がオープンした4年前にスタートした。アートファンやコレクターに向けて数十部という少部数で発行している」(藤井氏)

 BIG BOOKは、銀座蔦屋書店内での展示や、直接ファンやコレクターにアプローチする売り方を中心としている。また、店舗に足を運ぶのが難しい海外のコレクターなどに向けたインターネット経由での販売も行っている。

三島由紀夫BIG BOOK「OTOKO NO SHI」

 「OTOKO NO SHI」で使われている写真は、50年前に三島由紀夫氏が「男の死」という写真集の企画のために、写真家篠山紀信氏を指名して、自らを被写体として自死の直前まで撮影させた歴史的なものである。CCCアートラボは、三島氏が企画した「男の死」において装丁する予定であった画家の横尾忠則氏にこの本のデザインを依頼した。写真の選択から編集、デザイン、レイアウトを横尾氏に完全に任せ、篠山氏が撮影したモノクロ写真に横尾氏が色彩を施した前衛的な編集となっている。

 「当時のことをよくご存じの篠山先生と横尾先生と一緒につくることができれば、最高のものができると信じていた」(藤井氏)

 本来なら50年前に刊行されていたはずの写真集が、2020年に超大型写真集BIG BOOKとして刊行された。このことについて藤井氏は「非常に光栄なこと」と語る。

新着トピックス

新着ニュース

PAGE TOP