大洋印刷、JETI MIRA導入で印刷物の立体表現へ
特殊印刷で潜在需要喚起〜BtoC市場開拓のツールに
2021年4月9日ケーススタディ
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商業印刷を手掛ける大洋印刷(株)(本社/東京都大田区昭和島1-6-31、林健司社長)は今年2月、顧客とともに創造するアイデアやデザインを「印刷物」に落とし込むデバイスとして、「厚盛り」「3Dレンズ」といった特殊印刷機能を備えたアグフアのハイエンドフラットベッドUVインクジェットプリンタ「JETI MIRA 2716 HS LED」を導入。サイン&ディスプレイ事業における「立体表現」の訴求で、新たな需要創出に乗り出している。
「機動力」と「技術力」
大洋印刷は、1930年に東京・築地で創業された総合印刷会社。現在は、本社機能を持つ東京・昭和島の「t.Palette」と埼玉・加須市のオフ輪工場「TAIYO WAVE」という2つの生産拠点を中心に、デザインから印刷・加工、マルチメディアまで、商業印刷分野をトータルにカバーしている。
昨年8月に創業90周年を迎えた同社。取締役生産本部長の白井光男氏に「強みは?」と聞くと、ずばり「お客様」という答えが返ってきた。90年におよぶ社歴の中で、大手の流通企業やデザイン広告会社との直接取引を通じて培った「機動力」と「技術力」が同社の成長エンジンになっているようだ。
それを象徴するきっかけとなったのが、印刷会社として初めて開催したポスター展だ。1985年にレスポンス技術を駆使したイメージミラー展(ポスター展)を開催し、その後も計4回開催。さらに1987年のニューヨーク・アートディレクターズクラブ国際展では日本初の金賞を受賞し、1989年にも2度目の金賞に輝く快挙を成し遂げている。白井本部長は、「これら栄誉を賜る過程で、営業(機動力)と生産(技術)の協業によってお客様の要望をディレクションするという大洋印刷の事業スタイルが育まれた。昨今は、印刷通販ビジネスのようにデータをオンライン入稿すれば印刷物ができる時代ではあるが、その中で当社はお客様と真正面から向き合うという企業姿勢を大切にしている」と胸を張る。
「これまでできなかったことができるプリンタ」
商業印刷分野をメインとする同社では、10年ほど前からサイン&ディスプレイ分野にもその守備範囲を拡げている。その中で、既設の大判UVインクジェットプリンタの保守終了にともない設備更新を検討し出したのは昨年のこと。その機種選択における絶対条件となったのは「これまでできなかったことができるプリンタ」である。白井本部長は、「お客様は『他にないもの』を求めているが、従来機ではどうしても小ロットのサイン&ディスプレイ分野の域を脱しないと諦めていた。しかし、コロナ禍にともなう『7割経済』が現実味を帯びつつある中で、広告代理店やデザイナーに対する新たな提案の必要性を痛感するようになった。そこで創造されるアイデアやデザインを『印刷物』に落とし込めるデバイスを条件に機種検討に入った」と振り返る。
およそ10年ぶりのプリンタ更新となることから、当然のことながら品質や生産性、いわゆる性能向上は必須条件だ。その上で、どのような新しいアプリケーションへの可能性に投資するか。そこで同社が着目したのが「印刷物の立体表現」だ。結果、その条件を満たすプリンタとして、アグフアのハイエンドフラットベッドUVインクジェットプリンタ「JETI MIRA 2716 HS LED」が選定された。
「圧倒的な生産性」に加え、「新たなアプリケーションへの開発意欲を掻き立てるプリンタ」として高い評価を得るJETI MIRA。その代表的な特殊機能が白インクの「厚盛り」とニスを使った「3Dレンズ印刷」である。
プリプレス部S&D部担当の齋藤孝之執行役員は、「これら付加価値創造機能は機種選択を左右する大きな要素となった。とくにクリアニスによる3Dレンズ印刷のチェンジング表現は他機にない機能で、導入を決定づけた」と説明する。
「白インクの厚盛り」は、言うまでもなく、実際のデザインの質感や凹凸感をリアルに表現できる。一方、JETI MIRAによる3Dレンズ印刷とは、専用のソフトウェアを使い、視覚効果によって立体的な表現を実現するもの。裏に6色+白を印刷した後、表にクリアニスで小さな球状のレンズを印字することで3D効果を表現できる。これら特殊機能による多彩な表現への期待をのせて、JETI MIRAは今年2月6日に設置され、すでに商業ベースでの運用が始まっている。
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「機動力」と「技術力」
大洋印刷は、1930年に東京・築地で創業された総合印刷会社。現在は、本社機能を持つ東京・昭和島の「t.Palette」と埼玉・加須市のオフ輪工場「TAIYO WAVE」という2つの生産拠点を中心に、デザインから印刷・加工、マルチメディアまで、商業印刷分野をトータルにカバーしている。
昨年8月に創業90周年を迎えた同社。取締役生産本部長の白井光男氏に「強みは?」と聞くと、ずばり「お客様」という答えが返ってきた。90年におよぶ社歴の中で、大手の流通企業やデザイン広告会社との直接取引を通じて培った「機動力」と「技術力」が同社の成長エンジンになっているようだ。
それを象徴するきっかけとなったのが、印刷会社として初めて開催したポスター展だ。1985年にレスポンス技術を駆使したイメージミラー展(ポスター展)を開催し、その後も計4回開催。さらに1987年のニューヨーク・アートディレクターズクラブ国際展では日本初の金賞を受賞し、1989年にも2度目の金賞に輝く快挙を成し遂げている。白井本部長は、「これら栄誉を賜る過程で、営業(機動力)と生産(技術)の協業によってお客様の要望をディレクションするという大洋印刷の事業スタイルが育まれた。昨今は、印刷通販ビジネスのようにデータをオンライン入稿すれば印刷物ができる時代ではあるが、その中で当社はお客様と真正面から向き合うという企業姿勢を大切にしている」と胸を張る。
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およそ10年ぶりのプリンタ更新となることから、当然のことながら品質や生産性、いわゆる性能向上は必須条件だ。その上で、どのような新しいアプリケーションへの可能性に投資するか。そこで同社が着目したのが「印刷物の立体表現」だ。結果、その条件を満たすプリンタとして、アグフアのハイエンドフラットベッドUVインクジェットプリンタ「JETI MIRA 2716 HS LED」が選定された。
「圧倒的な生産性」に加え、「新たなアプリケーションへの開発意欲を掻き立てるプリンタ」として高い評価を得るJETI MIRA。その代表的な特殊機能が白インクの「厚盛り」とニスを使った「3Dレンズ印刷」である。
プリプレス部S&D部担当の齋藤孝之執行役員は、「これら付加価値創造機能は機種選択を左右する大きな要素となった。とくにクリアニスによる3Dレンズ印刷のチェンジング表現は他機にない機能で、導入を決定づけた」と説明する。
「白インクの厚盛り」は、言うまでもなく、実際のデザインの質感や凹凸感をリアルに表現できる。一方、JETI MIRAによる3Dレンズ印刷とは、専用のソフトウェアを使い、視覚効果によって立体的な表現を実現するもの。裏に6色+白を印刷した後、表にクリアニスで小さな球状のレンズを印字することで3D効果を表現できる。これら特殊機能による多彩な表現への期待をのせて、JETI MIRAは今年2月6日に設置され、すでに商業ベースでの運用が始まっている。
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