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ヤマテ・サイン、瞬発力強化で利益率向上 - 特殊印刷機能で「平米単価」脱却へ

フラットベッドUVインクジェット[JETI MIRA]導入

2022年4月6日ケーススタディ

JETI MIRAは「勉強になる機械」

 「圧倒的な生産性」に加え、「新たなアプリケーションへの開発意欲を掻き立てるプリンタ」として高い評価を得るJETI MIRA。その代表的な特殊機能が「白インクの厚盛り」と「ニスを使った3Dレンズ印刷」である。もちろんヤマテ・サインでも、この「付加価値創造機能」は機種選択を左右する大きな要素となった。

 「白インクの厚盛り」は、言うまでもなく、実際のデザインの質感や凹凸感をリアルに表現できる。また、3Dレンズ印刷とは、専用のソフトウェアを使い、視覚効果によって立体的な表現を実現するもの。裏に6色+白を印刷した後、表にクリアニスで小さな球状のレンズを印字することで3D効果を表現できる。

厚盛り印刷機能で作成した「お花のアート:花手水(はなちょうず)」

3Dレンズ印刷の自社サンプル

 同社でもこの特殊印刷サンプルを作成し、クライアントにアプローチしている。日向部長は「お客様からは『すごい。これは印刷なのか?』という驚きの声があるが、まだそこまでに留まっている。重要なのは『こんなことに使えないか』という具体的な商材への落とし込みである。幸いにも直接取引に徹する同社には、その声を生で聞けるというアドバンテージがある。ようやく運用面も整いつつあり、価格設定なども精査していく」とし、営業、制作がタッグを組み、新しいビジネスモデル創造に向けてブラッシュアップしていくことに意欲を示している。

 また、安川社長は「よりリッチ(付加価値)な商材を売るには、ターゲットを絞り込んだ営業アプローチが必要である」と指摘する。そこで日向氏は、複製画の分野に着目。画廊や作家とのタイアップも視野に入れ、実績を積んでいきたいとしている。また、安川社長はブライダル業界にも着目。人生の一大イベントに潜在するニーズの掘り起こしにアプローチしているという。

 一方、制作側の立場として池田課長は「特殊印刷をより広く売っていくためには、我々制作側もいままでにない智恵と工夫が必要だと痛感している。その意味で、JETI MIRAは『勉強になる機械』だと捉えている」と話す。

上得意様向けダイレクトメールに厚盛り印刷

ECサイトの立ち上げに着手

 JETI MIRAの導入は同社にとって、フラットベッド機による平米コストの削減(利益率向上)と同時に、特殊印刷機能による「平米単価からの脱却」という両面からの期待を背負っていると言えるだろう。

 「これまでの57年間、大手百貨店や家電量販店にお世話になることで当社は成長してきたが、今後はその守備範囲を他業界へと拡げ、新たな事業の柱にしたい。その戦略機としてJETI MIRAに期待を寄せている」と安川社長。その新たな展開として、現在ECサイトの立ち上げに着手しているという。

 日向部長は「ネット上における受注販売+商品販売を通じて付加価値を提供できるプラットフォームを立ち上げ、ロールメディアにおける『平米単価からの脱却』を目指したい」とし、JETI MIRA導入によるBtoCビジネスの可能性にも挑戦していく考えだ。

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 「白インクの厚盛り」は、言うまでもなく、実際のデザインの質感や凹凸感をリアルに表現できる。また、3Dレンズ印刷とは、専用のソフトウェアを使い、視覚効果によって立体的な表現を実現するもの。裏に6色+白を印刷した後、表にクリアニスで小さな球状のレンズを印字することで3D効果を表現できる。

厚盛り印刷機能で作成した「お花のアート:花手水(はなちょうず)」

3Dレンズ印刷の自社サンプル

 同社でもこの特殊印刷サンプルを作成し、クライアントにアプローチしている。日向部長は「お客様からは『すごい。これは印刷なのか?』という驚きの声があるが、まだそこまでに留まっている。重要なのは『こんなことに使えないか』という具体的な商材への落とし込みである。幸いにも直接取引に徹する同社には、その声を生で聞けるというアドバンテージがある。ようやく運用面も整いつつあり、価格設定なども精査していく」とし、営業、制作がタッグを組み、新しいビジネスモデル創造に向けてブラッシュアップしていくことに意欲を示している。

 また、安川社長は「よりリッチ(付加価値)な商材を売るには、ターゲットを絞り込んだ営業アプローチが必要である」と指摘する。そこで日向氏は、複製画の分野に着目。画廊や作家とのタイアップも視野に入れ、実績を積んでいきたいとしている。また、安川社長はブライダル業界にも着目。人生の一大イベントに潜在するニーズの掘り起こしにアプローチしているという。

 一方、制作側の立場として池田課長は「特殊印刷をより広く売っていくためには、我々制作側もいままでにない智恵と工夫が必要だと痛感している。その意味で、JETI MIRAは『勉強になる機械』だと捉えている」と話す。

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 「これまでの57年間、大手百貨店や家電量販店にお世話になることで当社は成長してきたが、今後はその守備範囲を他業界へと拡げ、新たな事業の柱にしたい。その戦略機としてJETI MIRAに期待を寄せている」と安川社長。その新たな展開として、現在ECサイトの立ち上げに着手しているという。

 日向部長は「ネット上における受注販売+商品販売を通じて付加価値を提供できるプラットフォームを立ち上げ、ロールメディアにおける『平米単価からの脱却』を目指したい」とし、JETI MIRA導入によるBtoCビジネスの可能性にも挑戦していく考えだ。

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