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シンク・ラボラトリー、ブランドオーナーも認める印刷品質を「FXIJ」で実現

潜在需要の開拓を支援〜水性インクジェットで次世代軟包装印刷を提案

2022年6月30日製品・テクノロジー

 2016年、世界初となるVOCレス設計の水性インクジェットプリンター「FXIJ」を開発し、軟包装パッケージ印刷における環境負荷低減と快適な作業環境を提案してきた(株)シンク・ラボラトリー(本社/千葉県柏市、重田龍男社長)。環境対応や多品種小ロット化といったニーズに対し、技術開発で応えてきた同社は2021年5月、自社内に水性インクジェットプリンターを活用したビジネスモデル工場「FXIJ BMF」を構築し、水性インクジェットによる理想的な軟包装パッケージ製造工場として稼働を開始し、これまで対応できなかった新たなマーケットの開拓を推し進めている。
水性インクジェットプリンターを活用したビジネスモデル工場「FXIJ BMF」
 水性インクジェットプリンター「FXIJ」は、従来グラビア印刷では、対応が難しかった極小ロット印刷と後加工工程品質、運用コストを満たす軟包装用水性インクジェットプリンター。500mm幅の印刷から始まった「FXIJ」は、1,000mm幅までの印刷に対応するなど進化を続けてきた。2019年には、FXIJ製造工場を竣工し、生産能力を強化。総床面積2,700平米に大型マシニングセンターから複合旋盤まで11機を設備し、部品の自動加工、内製化を実現し、月産最大5セットの供給体制を整えている。

 現在、「FXIJ」は3モデルをラインアップしている。「FXIJ type500」は、対応基材幅600mm(印刷幅500mm)の本体長さ6m×2mのコンパクトモデル。「FXIJ type1000 FullAuto」は、対応基材幅1,100mm(印刷幅1,000mm)のターレット搭載(自動基材交換機能付)モデル。両機ともに、CMYK+W(白)の5色機で出力解像度は1,200dpi。印刷速度は、白ありで30〜50m/分、白無しで40〜70m/分となっている。
BMFに設置されているFXIJ
 対応基材は、PET、OPP、紙に加え、「type1000」では、ナイロン、シュリンクなどにも印刷することができる。

 さらに同社では、最上位機種として表刷り/裏刷り対応ターレット搭載型「FXIJ type1000 FullAuto SP」の正式リリースも予定している。

赤字領域とされるロットにビジネスチャンス

 同社が水性インクジェットプリンターによる軟包装パッケージ印刷を提唱する狙いの1つは、潜在需要の掘り起こしによる市場の拡大だ。現在の市場では、2,000m以下の小ロットニーズがあるものの従来グラビア印刷では、コストメリットがないことから敬遠されている。さらに近年では、ブランドオーナー側の販売戦略として、季節限定や期間・地域限定といった用途など、1,000m程度の軟包装パッケージ印刷へのニーズも高まっている。

 これら限定商品は、フレキシブルな対応、つまり短納期対応が必須となる。製版工程を必要とする従来グラビア印刷では、そのコストだけでなく、オペレータの作業負荷も膨大となる。
グミの印刷サンプル
 同社は、従来グラビア印刷では、赤字領域とされる2,000m以下の小ロットをターゲットとして、デジタル印刷機の強みを生かして需要を開拓し、新たな市場創出を支援している。
スナック菓子の印刷サンプル
 実際に大手食品メーカー2社が、すでに「FXIJ」を導入し、極小ロットを中心に軟包装パッケージの内製化を図っている。この導入2社は、印刷品質はもちろんだが、自社のマーケティング戦略に迅速に対応できる軟包装パッケージ生産に対して高く評価しているという。

 加えて、VOCレスの水性インクの使用、無駄な予備や在庫を発生させないフレキシブルな生産体制など、SDGsへの対応を消費者にアピールできることも魅力となっているようだ。

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 2016年、世界初となるVOCレス設計の水性インクジェットプリンター「FXIJ」を開発し、軟包装パッケージ印刷における環境負荷低減と快適な作業環境を提案してきた(株)シンク・ラボラトリー(本社/千葉県柏市、重田龍男社長)。環境対応や多品種小ロット化といったニーズに対し、技術開発で応えてきた同社は2021年5月、自社内に水性インクジェットプリンターを活用したビジネスモデル工場「FXIJ BMF」を構築し、水性インクジェットによる理想的な軟包装パッケージ製造工場として稼働を開始し、これまで対応できなかった新たなマーケットの開拓を推し進めている。
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 水性インクジェットプリンター「FXIJ」は、従来グラビア印刷では、対応が難しかった極小ロット印刷と後加工工程品質、運用コストを満たす軟包装用水性インクジェットプリンター。500mm幅の印刷から始まった「FXIJ」は、1,000mm幅までの印刷に対応するなど進化を続けてきた。2019年には、FXIJ製造工場を竣工し、生産能力を強化。総床面積2,700平米に大型マシニングセンターから複合旋盤まで11機を設備し、部品の自動加工、内製化を実現し、月産最大5セットの供給体制を整えている。

 現在、「FXIJ」は3モデルをラインアップしている。「FXIJ type500」は、対応基材幅600mm(印刷幅500mm)の本体長さ6m×2mのコンパクトモデル。「FXIJ type1000 FullAuto」は、対応基材幅1,100mm(印刷幅1,000mm)のターレット搭載(自動基材交換機能付)モデル。両機ともに、CMYK+W(白)の5色機で出力解像度は1,200dpi。印刷速度は、白ありで30〜50m/分、白無しで40〜70m/分となっている。
BMFに設置されているFXIJ
 対応基材は、PET、OPP、紙に加え、「type1000」では、ナイロン、シュリンクなどにも印刷することができる。

 さらに同社では、最上位機種として表刷り/裏刷り対応ターレット搭載型「FXIJ type1000 FullAuto SP」の正式リリースも予定している。

赤字領域とされるロットにビジネスチャンス

 同社が水性インクジェットプリンターによる軟包装パッケージ印刷を提唱する狙いの1つは、潜在需要の掘り起こしによる市場の拡大だ。現在の市場では、2,000m以下の小ロットニーズがあるものの従来グラビア印刷では、コストメリットがないことから敬遠されている。さらに近年では、ブランドオーナー側の販売戦略として、季節限定や期間・地域限定といった用途など、1,000m程度の軟包装パッケージ印刷へのニーズも高まっている。

 これら限定商品は、フレキシブルな対応、つまり短納期対応が必須となる。製版工程を必要とする従来グラビア印刷では、そのコストだけでなく、オペレータの作業負荷も膨大となる。
グミの印刷サンプル
 同社は、従来グラビア印刷では、赤字領域とされる2,000m以下の小ロットをターゲットとして、デジタル印刷機の強みを生かして需要を開拓し、新たな市場創出を支援している。
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 実際に大手食品メーカー2社が、すでに「FXIJ」を導入し、極小ロットを中心に軟包装パッケージの内製化を図っている。この導入2社は、印刷品質はもちろんだが、自社のマーケティング戦略に迅速に対応できる軟包装パッケージ生産に対して高く評価しているという。

 加えて、VOCレスの水性インクの使用、無駄な予備や在庫を発生させないフレキシブルな生産体制など、SDGsへの対応を消費者にアピールできることも魅力となっているようだ。

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