FFGS、持続可能な印刷産業を目指すために - 最優先課題は「人材育成」
デジタル技術活用による「紙の価値創造」
営業本部マーケティング担当部長 前田正樹氏に聞く
2022年8月9日企業・経営
-
富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ(株)(山田周一郎社長、以下「FFGS」)では、印刷会社およそ60社に対して「持続可能な印刷産業を目指すために何が必要か」をテーマとしたヒヤリングを実施。今回、営業本部マーケティング担当部長の前田正樹氏に、その結果から浮き彫りになった課題や今後の理想的な印刷経営像について、同社のSDGsソリューションを交えて解説してもらった。
FFGSのSDGs活動支援ソリューション
SDGs達成に向けた取り組みの推進は、もはや印刷会社にとって「必須」と言える。その活動も様々だが、FFGSが印刷業界に提供できる支援としては、とくに「環境保全」や「働き方の多様化」に対するソリューションが挙げられる。
労働人口減少による人手不足の時代を背景に、多くの印刷会社で刷版工程の見直しが進み、その中で工数削減による効率化やそれにともなう資材コスト削減といった効果によって無処理版への関心がより一層高まった。完全無処理サーマルCTP「SUPERIA ZD」シリーズを中心に、この「刷版工程の無処理化」を推進するFFGSでは、印刷工程まで体系立てたサポートプログラムで「無処理化による業務改善」をトータル的に支援している。現像工程をなくし、廃液を出さない完全無処理版は、「安全な水」「気候変動への対策」「働き方改革」といった面からSDGsに合致する。
さらにFFGSでは、「無処理CTPプレート」のカーボンオフセットによってお客様先のCO2を削減する環境貢献活動「Green Graphic Project(GGP)」を展開している。これは、完全無処理版のCO2排出量を全量オフセットし、「カーボンゼロ・プレート」として提供するもの。ユーザーは無処理プレートの購入でCO2排出量の削減をはじめ、開発途上国支援やCSR活動のひとつとして対外的にアピールできる。
また、SDGs活動が活発化する中、「VOCの発生を抑制する印刷方式」として注目が高まっている水なし印刷に対して、FFGSは「東レ水なし版の総代理店」というポジションにあり、プレートでは完全無処理版に加え、水なし版でも印刷会社のSDGs活動を支援している。
一方、「働きやすい職場環境づくり」の観点では、男女格差の解消や多様性を認め合う社会をつくるための重要な考え方「ジェンダーレス」において、PODの活用が挙げられる。女性活躍の推進が活発化する中で、オフセット印刷とは違い、女性でも作業負荷の少ないPODは、印刷工程の「ジェンダーレス」に貢献できる。「オフセット印刷を廃棄してすべてPODに置き換えた」という関西のある印刷会社では、社員の半分が女性。そんな事例もある。
また、「働き方(働きがい)の多様化」についても、コロナ禍によって定着したテレワークやオンライン業務など、印刷会社がクライアントに提案できる大きな要素である。FFGSでは、Webポータルシステム「XMF Remote」によるオンライン校正の有用性を積極的に訴求している。デジタルデータのハンドリングに長けた印刷業界において、オンライン業務を活用しない手はない。これを発展させることで、「仕事と育児の両立」や介護問題などの解決策のひとつになるかもしれない。さらにこの取り組みによって安定した雇用が生まれ、印刷会社にとっては人材確保に繋がる。
新着トピックス
奥村印刷、新たな価値を紙に付加〜「折り紙食器 beak」でIPA2024に入賞
2024年11月20日企業・経営
奥村印刷(株)(本社/東京都北区、奥村文泰社長)は、2024年度の「Innovation Print Awards(以下、IPA)」において、「サステナビリティ部門」第1位を獲得した...全文を読む
富士フイルム、TOKYO PACKでブランドオーナーにデジタル印刷活用促す
2024年11月15日マーケティング
「もっと自由にパッケージ・オンデマンド」─富士フイルムグループは、10月23日から開催された「TOKYO PACK 2024(東京国際包装展)」において、富士フイルムが独自開発した幅...全文を読む
最新ニュース
日本HP、KADOKAWA「出版製造流通DXプロジェクト」を支援
2025年1月21日
(株)日本HP(本社/東京都港区、岡戸伸樹社長)は1月16日、(株)KADOKAWA(本社/東京都千代田区、夏野剛社長・CEO)の運営する埼玉県所沢市の大型文化複合施設「ところざわサ...全文を読む
2025年1月20日
ローランド ディー.ジー.(株)は、大判インクジェットプリンターTrueVISシリーズ「LG-640/540/300」と、DGXPRESSシリーズの「UG-642」で使用できる拡張テ...全文を読む
swissQprint、第5世代フラットベッド新モデル-生産性23%向上
2025年1月14日
swissQprintは、プラットフォームを全面的に刷新し、生産性、精度、アプリケーションの多用途性を新たなレベルへと引き上げたフラットベッド新世代モデルを発表した。新モデルは従来機...全文を読む
FFGS、持続可能な印刷産業を目指すために - 最優先課題は「人材育成」
デジタル技術活用による「紙の価値創造」 営業本部マーケティング担当部長 前田正樹氏に聞く
2022年8月9日企業・経営
富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ(株)(山田周一郎社長、以下「FFGS」)では、印刷会社およそ60社に対して「持続可能な印刷産業を目指すために何が必要か」をテーマとしたヒヤリングを実施。今回、営業本部マーケティング担当部長の前田正樹氏に、その結果から浮き彫りになった課題や今後の理想的な印刷経営像について、同社のSDGsソリューションを交えて解説してもらった。
FFGSのSDGs活動支援ソリューション
SDGs達成に向けた取り組みの推進は、もはや印刷会社にとって「必須」と言える。その活動も様々だが、FFGSが印刷業界に提供できる支援としては、とくに「環境保全」や「働き方の多様化」に対するソリューションが挙げられる。
労働人口減少による人手不足の時代を背景に、多くの印刷会社で刷版工程の見直しが進み、その中で工数削減による効率化やそれにともなう資材コスト削減といった効果によって無処理版への関心がより一層高まった。完全無処理サーマルCTP「SUPERIA ZD」シリーズを中心に、この「刷版工程の無処理化」を推進するFFGSでは、印刷工程まで体系立てたサポートプログラムで「無処理化による業務改善」をトータル的に支援している。現像工程をなくし、廃液を出さない完全無処理版は、「安全な水」「気候変動への対策」「働き方改革」といった面からSDGsに合致する。
さらにFFGSでは、「無処理CTPプレート」のカーボンオフセットによってお客様先のCO2を削減する環境貢献活動「Green Graphic Project(GGP)」を展開している。これは、完全無処理版のCO2排出量を全量オフセットし、「カーボンゼロ・プレート」として提供するもの。ユーザーは無処理プレートの購入でCO2排出量の削減をはじめ、開発途上国支援やCSR活動のひとつとして対外的にアピールできる。
また、SDGs活動が活発化する中、「VOCの発生を抑制する印刷方式」として注目が高まっている水なし印刷に対して、FFGSは「東レ水なし版の総代理店」というポジションにあり、プレートでは完全無処理版に加え、水なし版でも印刷会社のSDGs活動を支援している。
一方、「働きやすい職場環境づくり」の観点では、男女格差の解消や多様性を認め合う社会をつくるための重要な考え方「ジェンダーレス」において、PODの活用が挙げられる。女性活躍の推進が活発化する中で、オフセット印刷とは違い、女性でも作業負荷の少ないPODは、印刷工程の「ジェンダーレス」に貢献できる。「オフセット印刷を廃棄してすべてPODに置き換えた」という関西のある印刷会社では、社員の半分が女性。そんな事例もある。
また、「働き方(働きがい)の多様化」についても、コロナ禍によって定着したテレワークやオンライン業務など、印刷会社がクライアントに提案できる大きな要素である。FFGSでは、Webポータルシステム「XMF Remote」によるオンライン校正の有用性を積極的に訴求している。デジタルデータのハンドリングに長けた印刷業界において、オンライン業務を活用しない手はない。これを発展させることで、「仕事と育児の両立」や介護問題などの解決策のひとつになるかもしれない。さらにこの取り組みによって安定した雇用が生まれ、印刷会社にとっては人材確保に繋がる。
新着トピックス
-
FFGS、潜在ニーズ発見と技術検証の場として機能[Solution Design Lab.]
2024年12月23日 企業・経営
-
竹田印刷、多様な個性をかたちに〜アール・ブリュット作品を世界に発信
2024年12月6日 企業・経営
-
奥村印刷、新たな価値を紙に付加〜「折り紙食器 beak」でIPA2024に入賞
2024年11月20日 企業・経営
-
富士フイルム、TOKYO PACKでブランドオーナーにデジタル印刷活用促す
2024年11月15日 マーケティング
-
価値協創で新たな潮流|エイエイピー、Jet Press 750Sが新たなステージへ
2024年11月13日 企業・経営
新着ニュース
SNSランキング
- 84shares大阪印刷、同人誌印刷ビジネスで「圧倒的な画質」提供[AccurioJet KM-1e導入事例]
- 59sharesエプソン、印刷プロセスのデジタル化をリードするFiery社を完全子会社化
- 41sharesローランドDG、UVプリンターが紙器パッケージ製作に対応
- 39sharesSCREEN、Hunkeler Innovationdaysでインクジェットと後加工機の連携披露
- 39sharesミマキ、印刷脱色技術実用化でタペストリーのアップサイクル実現
- 36sharesエプソン、使いやすさと安定稼働を両立したエプソン初のDTF専用プリンター発売
- 33sharesFFGS、潜在ニーズ発見と技術検証の場として機能[Solution Design Lab.]
- 30shares独SDVグループ、PROSPER ULTRA 520プレス欧州初採用
- 25sharesSCREEN GA、高速連帳IJの次世代モデル「Truepress JET 520NX AD」発売
- 25shares富士フイルムBI、1パス5色印刷を可能にしたミドルレンジモデルを発売