2つの失敗がきっかけに
「さかなかるた」は、企業とデザイナーのマッチングを目指すコンペティション「2021年度東京ビジネスデザインアワード」をきっかけに誕生したアイテム。千葉印刷が応募した「42億色を鮮やかに表現する『オンデマンド印刷技術』というテーマに対し、SANAGI design studioの「オンデマンド印刷の新しいカタチ-視覚と触覚で楽しむプロダクト」という提案が採択され、最優秀賞を受賞したことに端を発する。
「一般的に印刷の『メタリック』といってもイメージしにくいようで、ここを『42億色』と表現したことで当社のテーマには多くのオファーがあったようだ」(柳川社長)
生産工程では、同社のメインPOD機である「Iridesse Production Press」の特殊印刷技術が活かされている。
「さかなかるた」は、魚の表皮をリアルに再現した魚のかるた。魚が光を反射する時のキラキラ感を銀+CMYKによる「メタリック印刷」で表現し、ウロコの凹凸感を、クリアトナーを5回重ねた「厚盛り印刷」で再現。視覚と触覚の両方で楽しむことができる。また、素材には特殊合成紙を使用しており、水に浮かべて遊ぶこともできる。普段は見たり触ったりできない世界中の魚に触れる体験ができるため、子どもの興味や知育をサポートするアイテムとしても注目を集めている。また、「2022年度グッドデザイン賞 BEST100 グッドフォーカス賞」も受賞しており、その審査評価でも「印刷会社の技術を最大限に活かした最強傑作」と讃美されている。
この「さかなかるた」は、たまたま起こってしまった2つの失敗から生まれている。
「まず、以前にたまたま在庫していた特殊合成紙を試しに印刷した際、1枚目はきれいに出たが、2枚目以降は色がのらなかった。ただ1枚目は上手くいったことを覚えていた。2つ目の失敗は、ある仕事で墨の部分をDTP側が間違えてリッチブラックで設定。納品後『凹凸が付いている』とクレームが来た。この2つの失敗を組み合わせて生まれたのが『さかなかるた』である」(柳川社長)
クラウドファンディングで先行販売
「さかなかるた」の販売には、先行してクラウドファンディングを活用。目標10万円設定のところ、結果、支援総額は558万1,011円に達した。このクラウドファンディングの取り組みは大きな話題となった。
「当初『販売』という意識があまりなかったせいか、この結果には驚いた。なぜ売れたのか?クラウドファンディングの『プロモーション』の力を思い知った」(柳川社長)
この成功体験をもとに、同社は今年2月に開催された「東京インターナショナル・ギフト・ショー春2023」にも出展。「さかなかるた」を大々的にアピールしたところ、会期3日でおよそ5,000名が同社ブースを訪れ、その中には水族館関係が20社ほど。さらに台湾、香港、シンガポール、アメリカといった海外からの訪問もあった。
ギフトショー出展について柳川社長は、「実際のバイヤーの声を聞きたかった。かなり好評で、『この印刷技法を使って何かやりたい』という企業も数社あった」と明かす。
実際、会場で接客に応じた総務部の柳川理栄氏は、「会期中は6人体制で挑んだが、来客が途切れることはなかった。既存のお客様をはじめ、クラウドファンディングで知られた方、SNSを見て来られた方など様々で、実際に、見て、触って、感じてもらったことで、非常に大きな反響があった。印刷技術の周知はもちろん、今後は『この技術でこんなものを作りたい』といったお客様の新たな発想をコラボレーションに繋げていきたい」との想いを語っている。
一方、すでに新たなコラボレーションによるプロジェクトも走り出している。昨年末には、しながわ水族館の年末年始のイベントでオリジナルの「さかなかるた」をイベント期間中1日限定100セット製作。連日、昼までにすべて配布し、イベントは大成功を収めた。
「この協業で水族館でのイベントの仕組みなども分かってきた。今後も『さかなかるた』と相性の良い水族館をはじめ、魚に纏わる会社関係に広くアピールしていきたい」(柳川社長)
現在の販売流通ルートは、自社のECサイトとアマゾン、TSUTAYA、グッドデザインストアの4箇所。これまでトータル5,000個以上を売り上げているという。
また、魚に特化した書店「SAKANA BOOKS(サカナブックス)」監修のもと、すでに第2弾「さかなかるた 淡水魚版」も完成。3月末までクラウドファンディングを実施している。「企画、撮影から制作、製造まで約1.5ヵ月で完成させた。PODならではのスピード感だ。「『売れるかどうか』について、私は未だに疑心暗鬼なところがある。ただ、市場の反応や声をひとつひとつ聞きながら確信に繋げていきたい」(柳川社長)
印刷業と、「物を売る」という感覚
「ドライトナーを極める」。これが、柳川社長の「印刷道」だ。もともと、「さかなかるた」に関する一連の挑戦も、ドライトナーの魅力や可能性を広く知ってもらいたいという想いから始まったものである。しかし、なぜドライトナーなのか。
「オフセット印刷は、まだまだ品質を左右する変動要因が多く、腕がいる」と語る柳川社長。同社では、今年2月末にオフセット5色印刷機を廃棄し、カラーのオフセット印刷事業から撤退している。その理由を「コロナ禍の影響による需要縮小と小ロット化」としているが、その背景には、より印刷事業の軸足をドライトナーPODにシフトしていくという強い「意志」がある。これまで、PODの品質に否定的だった某大手アパレルメーカーにも受け入れられるようになったことも、この意思決定を後押ししている。
「以前、デザイナーのお客様から『感性』という言葉を突き付けられたことがある。当時はその意味が分からなかったが、いまになっては当社の思想の一部になっている。言われた通りのものを提供するのではなく、『感性』をもって、それ以上の品質、色、価値を提供する。ここで我々はオフセットのドライダウンに泣かされてきたわけだ。ドライトナーにはこの劣化がなく、品質の再現性も高い。『生もの』である印刷において即座に答えを出せ、品質にブレが少ないドライトナーには大きな可能性がある」(柳川社長)
さらに、厚盛り印刷工程の簡素化や、木材やプラスチック、布などへの印刷、さらにクリア・白・金・銀といった特色トナーのさらなる活用など、同社のドライトナー技術に対する貪欲な姿勢には、まさに脱帽である。
「『さかなかるた』への挑戦は、我々に様々なことを教えてくれた。とくに『物を売る楽しさ』を経験できたことは、当社の今後に大きな影響を与えるだろう」と語る柳川社長。同社で受注する名刺には特殊紙を使った物が多いため100枚あたり平均で4,000円以上であるのに対し、「さかなかるた」は3,960円(税込)。ほぼ金額は同等だが、受注生産ではなく、千葉印刷自らが発信する自社商品が市場に認知され、消費者が購買行動を起こすということへの価値は大きく違ってくる。
「『さかなかるた』は、業務の様々なところでスタッフの意識を大きく変えた。これはいずれ当社の大きな財産になるだろう。印刷会社には当然ながら印刷物を製造できる設備がある。あとは『物を売る』という感覚と、その仕組みが理解できれば、様々なチャレンジができる業種だと思う」(柳川社長)
最新の情報発信地である「渋谷」という地の利を活かしたものづくりにおいて「おせっかいな印刷屋:千葉印刷」は、その先にある新たなブランディングに乗り出したところだ。
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2つの失敗がきっかけに
「さかなかるた」は、企業とデザイナーのマッチングを目指すコンペティション「2021年度東京ビジネスデザインアワード」をきっかけに誕生したアイテム。千葉印刷が応募した「42億色を鮮やかに表現する『オンデマンド印刷技術』というテーマに対し、SANAGI design studioの「オンデマンド印刷の新しいカタチ-視覚と触覚で楽しむプロダクト」という提案が採択され、最優秀賞を受賞したことに端を発する。
「一般的に印刷の『メタリック』といってもイメージしにくいようで、ここを『42億色』と表現したことで当社のテーマには多くのオファーがあったようだ」(柳川社長)
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「さかなかるた」は、魚の表皮をリアルに再現した魚のかるた。魚が光を反射する時のキラキラ感を銀+CMYKによる「メタリック印刷」で表現し、ウロコの凹凸感を、クリアトナーを5回重ねた「厚盛り印刷」で再現。視覚と触覚の両方で楽しむことができる。また、素材には特殊合成紙を使用しており、水に浮かべて遊ぶこともできる。普段は見たり触ったりできない世界中の魚に触れる体験ができるため、子どもの興味や知育をサポートするアイテムとしても注目を集めている。また、「2022年度グッドデザイン賞 BEST100 グッドフォーカス賞」も受賞しており、その審査評価でも「印刷会社の技術を最大限に活かした最強傑作」と讃美されている。
この「さかなかるた」は、たまたま起こってしまった2つの失敗から生まれている。
「まず、以前にたまたま在庫していた特殊合成紙を試しに印刷した際、1枚目はきれいに出たが、2枚目以降は色がのらなかった。ただ1枚目は上手くいったことを覚えていた。2つ目の失敗は、ある仕事で墨の部分をDTP側が間違えてリッチブラックで設定。納品後『凹凸が付いている』とクレームが来た。この2つの失敗を組み合わせて生まれたのが『さかなかるた』である」(柳川社長)
クラウドファンディングで先行販売
「さかなかるた」の販売には、先行してクラウドファンディングを活用。目標10万円設定のところ、結果、支援総額は558万1,011円に達した。このクラウドファンディングの取り組みは大きな話題となった。
「当初『販売』という意識があまりなかったせいか、この結果には驚いた。なぜ売れたのか?クラウドファンディングの『プロモーション』の力を思い知った」(柳川社長)
この成功体験をもとに、同社は今年2月に開催された「東京インターナショナル・ギフト・ショー春2023」にも出展。「さかなかるた」を大々的にアピールしたところ、会期3日でおよそ5,000名が同社ブースを訪れ、その中には水族館関係が20社ほど。さらに台湾、香港、シンガポール、アメリカといった海外からの訪問もあった。
ギフトショー出展について柳川社長は、「実際のバイヤーの声を聞きたかった。かなり好評で、『この印刷技法を使って何かやりたい』という企業も数社あった」と明かす。
実際、会場で接客に応じた総務部の柳川理栄氏は、「会期中は6人体制で挑んだが、来客が途切れることはなかった。既存のお客様をはじめ、クラウドファンディングで知られた方、SNSを見て来られた方など様々で、実際に、見て、触って、感じてもらったことで、非常に大きな反響があった。印刷技術の周知はもちろん、今後は『この技術でこんなものを作りたい』といったお客様の新たな発想をコラボレーションに繋げていきたい」との想いを語っている。
一方、すでに新たなコラボレーションによるプロジェクトも走り出している。昨年末には、しながわ水族館の年末年始のイベントでオリジナルの「さかなかるた」をイベント期間中1日限定100セット製作。連日、昼までにすべて配布し、イベントは大成功を収めた。
「この協業で水族館でのイベントの仕組みなども分かってきた。今後も『さかなかるた』と相性の良い水族館をはじめ、魚に纏わる会社関係に広くアピールしていきたい」(柳川社長)
現在の販売流通ルートは、自社のECサイトとアマゾン、TSUTAYA、グッドデザインストアの4箇所。これまでトータル5,000個以上を売り上げているという。
また、魚に特化した書店「SAKANA BOOKS(サカナブックス)」監修のもと、すでに第2弾「さかなかるた 淡水魚版」も完成。3月末までクラウドファンディングを実施している。「企画、撮影から制作、製造まで約1.5ヵ月で完成させた。PODならではのスピード感だ。「『売れるかどうか』について、私は未だに疑心暗鬼なところがある。ただ、市場の反応や声をひとつひとつ聞きながら確信に繋げていきたい」(柳川社長)
印刷業と、「物を売る」という感覚
「ドライトナーを極める」。これが、柳川社長の「印刷道」だ。もともと、「さかなかるた」に関する一連の挑戦も、ドライトナーの魅力や可能性を広く知ってもらいたいという想いから始まったものである。しかし、なぜドライトナーなのか。
「オフセット印刷は、まだまだ品質を左右する変動要因が多く、腕がいる」と語る柳川社長。同社では、今年2月末にオフセット5色印刷機を廃棄し、カラーのオフセット印刷事業から撤退している。その理由を「コロナ禍の影響による需要縮小と小ロット化」としているが、その背景には、より印刷事業の軸足をドライトナーPODにシフトしていくという強い「意志」がある。これまで、PODの品質に否定的だった某大手アパレルメーカーにも受け入れられるようになったことも、この意思決定を後押ししている。
「以前、デザイナーのお客様から『感性』という言葉を突き付けられたことがある。当時はその意味が分からなかったが、いまになっては当社の思想の一部になっている。言われた通りのものを提供するのではなく、『感性』をもって、それ以上の品質、色、価値を提供する。ここで我々はオフセットのドライダウンに泣かされてきたわけだ。ドライトナーにはこの劣化がなく、品質の再現性も高い。『生もの』である印刷において即座に答えを出せ、品質にブレが少ないドライトナーには大きな可能性がある」(柳川社長)
さらに、厚盛り印刷工程の簡素化や、木材やプラスチック、布などへの印刷、さらにクリア・白・金・銀といった特色トナーのさらなる活用など、同社のドライトナー技術に対する貪欲な姿勢には、まさに脱帽である。
「『さかなかるた』への挑戦は、我々に様々なことを教えてくれた。とくに『物を売る楽しさ』を経験できたことは、当社の今後に大きな影響を与えるだろう」と語る柳川社長。同社で受注する名刺には特殊紙を使った物が多いため100枚あたり平均で4,000円以上であるのに対し、「さかなかるた」は3,960円(税込)。ほぼ金額は同等だが、受注生産ではなく、千葉印刷自らが発信する自社商品が市場に認知され、消費者が購買行動を起こすということへの価値は大きく違ってくる。
「『さかなかるた』は、業務の様々なところでスタッフの意識を大きく変えた。これはいずれ当社の大きな財産になるだろう。印刷会社には当然ながら印刷物を製造できる設備がある。あとは『物を売る』という感覚と、その仕組みが理解できれば、様々なチャレンジができる業種だと思う」(柳川社長)
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