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FFGS、潜在ニーズ発見と技術検証の場として機能[Solution Design Lab.]

デジタル印刷特化でフルリニューアル

2024年12月23日企業・経営

 富士フイルムグラフィックソリューションズ(株)(山田周一郎社長、以下「FFGS」)は今年6月、西麻布にあるショールームをデジタル印刷に特化した「課題解決の検証の場」としてフルリニューアルし、新名称「Solution Design Lab.(略称SDL)」(東京都港区西麻布2-26-30 富士フイルム西麻布ビル)として運用を開始している。今回、同ショールームを訪れ、そのコンセプトや展示内容について取材した。

最上位機種の「Revoria Press PC1120」(手前、6色機)とミッドレンジの「Revoria Press EC1100」(4色機)


POD用途拡大で、加工適性含めた課題検証がより重要に

 今年6月末に開かれたSDLのお披露目の場で挨拶に立った山田社長は、「紙媒体の小ロット多品種化、さらに人手不足が加わり、これら生産手段の対応としてデジタルプレスの導入が加速している。富士フイルムは、インクジェット、乾式トナー、それぞれのデジタルプレスをラインアップし、今後も拡充していく」とした上で、「これら製品サービスにおいて、お客様が実際のビジネスに活用できるかどうかを検証できる場として西麻布ショールームをリニューアルした」と説明し、デジタル印刷における課題解決の「検証の場」としての活用を促している。

 西麻布のショールームは、これまでも実機展示による様々なソリューション提案の場として機能してきたが、とくにFFGSがデジタル印刷分野に注力する中で、顧客のPOD投資に対する判断材料を、さらに具体的な形で提供する必要があったという。

 これについて技術二部の大橋彰担当課長は、「PODのスペック情報はWebから入手できる。それ以上に、後加工を含めたデジタル印刷ソリューションをより具体的なイメージとして提示する必要性を感じていた。そしてこの接点を通じてお客様が抱える課題をじっくりとお聞きし、設備導入までの技術課題を『検証・実証』によってクリアにする場としてSDLを機能させていく」と説明する。


コンセプトは「発見」と「検証」


 POD機は、もはや印刷産業では周知のデバイスと言えるが、当初から続く「対オフセット品質」の議論の中で、未だに誤解されている部分もある。

 「PODデバイスは著しく進化し、いまでは様々なメディアに高品質で印字できるようになったことで、その用途は大きく広がっている。事業領域の拡大を模索する印刷会社にとって、厚紙、パッケージ、DM、クリアフィルムなどの小ロットジョブを後加工まで含めたPODの設備で、『本当に仕事として成立させることができるのか』ということが新しい関心事になっている。PODデバイスの性能が向上したことによって、加工適性を含めた評価や課題検証がより必要になってきた」(大橋課長)

 一方、仕事がコロナ前の7〜8割程度しか戻っていない現状において、「設備更新は必要だが、償却に不安がある」という相談も多い。これに対し、デジタルソリューション営業部の佐藤伸之主任は「当社のPOD機はスペックの数字では表せない能力がある。例えば外注していた仕事や新規商材に対し、1台で2役3役できれば、コロナで失った2〜3割の仕事をカバーできる。SDLは、このような各社の現状に応じた投資の検証および実証を行う場として設計されている」と説明する。

大橋課長(左)と佐藤主任

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POD用途拡大で、加工適性含めた課題検証がより重要に

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 西麻布のショールームは、これまでも実機展示による様々なソリューション提案の場として機能してきたが、とくにFFGSがデジタル印刷分野に注力する中で、顧客のPOD投資に対する判断材料を、さらに具体的な形で提供する必要があったという。

 これについて技術二部の大橋彰担当課長は、「PODのスペック情報はWebから入手できる。それ以上に、後加工を含めたデジタル印刷ソリューションをより具体的なイメージとして提示する必要性を感じていた。そしてこの接点を通じてお客様が抱える課題をじっくりとお聞きし、設備導入までの技術課題を『検証・実証』によってクリアにする場としてSDLを機能させていく」と説明する。


コンセプトは「発見」と「検証」


 POD機は、もはや印刷産業では周知のデバイスと言えるが、当初から続く「対オフセット品質」の議論の中で、未だに誤解されている部分もある。

 「PODデバイスは著しく進化し、いまでは様々なメディアに高品質で印字できるようになったことで、その用途は大きく広がっている。事業領域の拡大を模索する印刷会社にとって、厚紙、パッケージ、DM、クリアフィルムなどの小ロットジョブを後加工まで含めたPODの設備で、『本当に仕事として成立させることができるのか』ということが新しい関心事になっている。PODデバイスの性能が向上したことによって、加工適性を含めた評価や課題検証がより必要になってきた」(大橋課長)

 一方、仕事がコロナ前の7〜8割程度しか戻っていない現状において、「設備更新は必要だが、償却に不安がある」という相談も多い。これに対し、デジタルソリューション営業部の佐藤伸之主任は「当社のPOD機はスペックの数字では表せない能力がある。例えば外注していた仕事や新規商材に対し、1台で2役3役できれば、コロナで失った2〜3割の仕事をカバーできる。SDLは、このような各社の現状に応じた投資の検証および実証を行う場として設計されている」と説明する。

大橋課長(左)と佐藤主任

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