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大阪印刷、6台のIndigoで急成長する同人誌印刷ビジネス〜選ばれる「デジオフ品質」

[HP Indigo導入事例]幅広い原反への対応力が武器に

2024年2月21日ケーススタディ

 同人誌印刷ビジネスで急成長を遂げる大阪印刷(株)(大阪市西淀川区御幣島5-5-23、根田貴裕社長)。昨年11月に延床面積で旧社屋の3倍相当となる新社屋に移転し、この工場では6台の「HP Indigoデジタル印刷機」が稼働。そのトータルジョブ数は約1万8,000件/月、インプレッション数は1,000万インプレッション/月を突破している。この急成長の背景には、資材の調達コスト抑制にともなう粗利率の高さがある。今回は、このあたりも含め、Indigoによる同人誌印刷の最前線を取材した。

6台で月あたり1,000万インプレッションを突破

成長の背景に「Indigo品質の認知」

 イベントへの依存度が高い同人誌印刷分野。創業以来、右肩上がりの飛躍的な成長を遂げてきた同社も、「新型コロナウイルスによるパンデミック」によるイベント自粛、人流抑制を背景に「苦戦」を強いられた。ただ、そのダメージは対前年比15%ダウンと相対的に軽微だったという。このタイミングで同社は、大阪・日本橋商店街の一角にあった本社工場を、スペース拡張を目的に此花区の工業臨海地区へ移転するとともに、そのスペースを活かして同人誌印刷の主力機である「HP Indigoデジタル印刷機」の3台目を増設している。

 2021年12月に本紙が取材した際、共同経営者で製造部門を統括する緒方人志氏は、コロナ禍の最中の設備投資について、「潜在的な自社の成長」に言及し、次のように語っている。

 「経済のリオープニング時に需要が倍になったとして、他社は100%に戻るだけだが、当社は85%の倍で売上170%まで成長すると試算。これはある意味、我々にとって『危機』であり、生産キャパシティの増強および瞬発力強化を急いだ」(2022年1月既報)

 しかし、実際はコロナ前の売上6億円に対し、2023年は12億円に拡大。当初の試算を上回る200%の成長を弾き出した。

 この「潜在的な成長」が顕在化した背景について緒方氏は、「Indigo品質の認知」をひとつの理由に挙げている。

 「やはり、同人誌の世界でもオフセット印刷への憧れみたいなものがあり、オフセット=大量生産=有名、大手というイメージがある。このオフセットライクな品質を小ロットでも実現できるデジタルオフセット、いわゆるIndigoでの生産をユーザーが自ら好んで選択するようになった。これはある意味必然でもある」(緒方氏)

 また、緒方氏は「同人誌の品質要求には終わりがない。『安いから』『つきあいで』という理由で妥協する人種ではなく、部数を問わず自分の作品にはこだわりを持っている。まさに技術力勝負の世界であり、この勝算を高めるのがIndigoである」と語る。

左から、緒方氏、喜多侑里氏、高尾祐輝氏

継続的な「守りの投資」

 現在、同社は従業員110名を擁し、売上規模は約18億円。昨年11月には延床面積で旧社屋の3倍(約3,700平米)におよぶ新社屋に移転している。同社の従業員は8割が女性で、此花区の前工場では商品を高い棚に積み上げることで在庫スペースを辛うじて確保していたが、今回の移転を契機に女性でも脚立などを使わずとも手が届くように背の低いラックに取り替えた。このため、新社屋は従来の3倍の延床面積があるものの、すでに面積の8〜9割が埋まっている。緒方氏は「おそらく10年もこの場所にはいられないのではないか」とさらなる業務の拡張を予測する。

 この新工場では現在、Indigo7000シリーズ6台が一列に整然と並んで設置されており、その「景色」は圧巻である。

 コロナ禍のIndigo3台体制から後、2022年10月にIndigo7900、2023年2月にはIndigo7K、そして工場移転時の11月に同じくIndigo7Kを導入。この短期間での設備増強について緒方氏は、「常に目の前にある需要が逼迫する状態の中で、パンクを回避するための『守りの投資』を続けてきた結果」と説明する。確かに「Indigo品質」が認知、選ばれる同人誌の世界ではあるが、なぜここまで「Indigoありき」の設備投資を継続的に行ってきたのか。そこには緒方氏が考える「同社の開発力×Indigo=創造力」という方程式があるようだ。

 「Indigoは創造力を掻き立てるマシンである。従業員が自ら考えて作ったものが、評価され、商品になり、売上になる。この過程の楽しさを従業員にも実感してほしいと考えている。その意味でIndigoは、仮説から成功に至る確率を高めてくれるマシンであり、従業員のモチベーションが高ければ高いほど飽きないマシンである」(緒方氏)

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6台で月あたり1,000万インプレッションを突破

成長の背景に「Indigo品質の認知」

 イベントへの依存度が高い同人誌印刷分野。創業以来、右肩上がりの飛躍的な成長を遂げてきた同社も、「新型コロナウイルスによるパンデミック」によるイベント自粛、人流抑制を背景に「苦戦」を強いられた。ただ、そのダメージは対前年比15%ダウンと相対的に軽微だったという。このタイミングで同社は、大阪・日本橋商店街の一角にあった本社工場を、スペース拡張を目的に此花区の工業臨海地区へ移転するとともに、そのスペースを活かして同人誌印刷の主力機である「HP Indigoデジタル印刷機」の3台目を増設している。

 2021年12月に本紙が取材した際、共同経営者で製造部門を統括する緒方人志氏は、コロナ禍の最中の設備投資について、「潜在的な自社の成長」に言及し、次のように語っている。

 「経済のリオープニング時に需要が倍になったとして、他社は100%に戻るだけだが、当社は85%の倍で売上170%まで成長すると試算。これはある意味、我々にとって『危機』であり、生産キャパシティの増強および瞬発力強化を急いだ」(2022年1月既報)

 しかし、実際はコロナ前の売上6億円に対し、2023年は12億円に拡大。当初の試算を上回る200%の成長を弾き出した。

 この「潜在的な成長」が顕在化した背景について緒方氏は、「Indigo品質の認知」をひとつの理由に挙げている。

 「やはり、同人誌の世界でもオフセット印刷への憧れみたいなものがあり、オフセット=大量生産=有名、大手というイメージがある。このオフセットライクな品質を小ロットでも実現できるデジタルオフセット、いわゆるIndigoでの生産をユーザーが自ら好んで選択するようになった。これはある意味必然でもある」(緒方氏)

 また、緒方氏は「同人誌の品質要求には終わりがない。『安いから』『つきあいで』という理由で妥協する人種ではなく、部数を問わず自分の作品にはこだわりを持っている。まさに技術力勝負の世界であり、この勝算を高めるのがIndigoである」と語る。

左から、緒方氏、喜多侑里氏、高尾祐輝氏

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 この新工場では現在、Indigo7000シリーズ6台が一列に整然と並んで設置されており、その「景色」は圧巻である。

 コロナ禍のIndigo3台体制から後、2022年10月にIndigo7900、2023年2月にはIndigo7K、そして工場移転時の11月に同じくIndigo7Kを導入。この短期間での設備増強について緒方氏は、「常に目の前にある需要が逼迫する状態の中で、パンクを回避するための『守りの投資』を続けてきた結果」と説明する。確かに「Indigo品質」が認知、選ばれる同人誌の世界ではあるが、なぜここまで「Indigoありき」の設備投資を継続的に行ってきたのか。そこには緒方氏が考える「同社の開発力×Indigo=創造力」という方程式があるようだ。

 「Indigoは創造力を掻き立てるマシンである。従業員が自ら考えて作ったものが、評価され、商品になり、売上になる。この過程の楽しさを従業員にも実感してほしいと考えている。その意味でIndigoは、仮説から成功に至る確率を高めてくれるマシンであり、従業員のモチベーションが高ければ高いほど飽きないマシンである」(緒方氏)

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