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大阪印刷、6台のIndigoで急成長する同人誌印刷ビジネス〜選ばれる「デジオフ品質」

[HP Indigo導入事例]幅広い原反への対応力が武器に

2024年2月21日ケーススタディ

多様な前処理済み原反を自社開発

 その最たる機能として、緒方氏が評価するのが、「様々な原反への対応力」である。同社では、外部と共同でプレコーティング済みの様々な原反を開発し、自社でもA3ノビサイズ対応の枚葉コーター機「TEC COATER SYSTEM-50」(テクノロール製)を設備。また、一部でHPと用紙を共同開発するなど、素材への探究心は非常に高い。現在はPPや塩ビ、蒸着PETなどにもプレコーティングを施して印刷している。

 「Indigoはオペレーションに一定のスキルが必要なのは確かだが、努力すれば素材の質を残した素晴らしい印刷を実現し、その努力に対して120%の成果で応えてくれる。当社では多くの名も無き用紙をSNSなどで発信し、これら情報に貪欲な同人誌の世界で広がりを見せている。将来的には印刷原反の販売も視野に入れている」(緒方氏)

様々な原反を使った印刷サンプル

 同人誌の制作はタブレットなどを使ったRGB環境で行われるケースがほとんどで、同社の真骨頂は、このRGBデータの印刷にある。その色域の再現性をさらに向上させたのがビビッドインキの採用だ。現在6台のIndigoは、いずれもCMYK+ビビッドピンク+ビビッドグリーン+プレミアムホワイトの7色仕様となっており、ユニークなビビッドインキ2色の搭載によってRGB色域の再現性がより豊かなものになっており、プレミアムホワイトによる遮蔽性の高い白も、素材対応の幅を広げている。

 「100万部刷るも10部刷るも作者の思い入れは何ら変わらない。その思いに我々がどう応えるか。RGB環境で制作されたものをRGB色域で印刷することで、作者の思ったような色になる。逆にユーザーがこのIndigo品質に慣れさせられたとも言える」(緒方氏)

 同人誌の場合、キャラクターの描画が多用されているため、肌の表現、いわゆるスキントーンが重要になる。Indigoのざらつき感のないスキントーンの品質評価も高いようだ。

粗利率の高さが良好なサイクルを生み出す

 同社の「積極投資による急成長」という良好なサイクルを生み出している背景のひとつに、粗利率の高さがある。資材の調達コストを限界まで抑えるための量とルートを確保する同社の粗利率は、なんと約70%。この資材調達コストに対する徹底した努力が低価格のサービスを支え、それが評価され、さらに受注増に繋がる。そして、さらに調達量が増加することでコストが下がるという良好なサイクルが同社の飛躍的な成長を支えているわけだ。Indigoで生産する受注ロットは50〜70部程度で、ジョブ数は約1万8,000件/月、インプレッション数は1,000万インプレッション/月を突破している。

6台のIndigoが整然と並んで設置されている

 これまで営業部隊を持たず、100%オンライン受注で成長してきた同社だが、以前から次の成長エンジンを「BtoB事業」と位置付けている。ただ、「『潜在的な自社の成長』が顕在化し、常に生産のキャパシティが逼迫する状況にある中で、現段階ではBtoCビジネスに対する設備投資を強化していくことを優先課題に位置付けている。

 さらに、同社が今後の最大ミッションと位置付けているのが「事業規模の拡大」である。「売上60億円、従業員300名程度の規模まで事業を拡大させることが全社で共有しているミッション。いわゆる『規模の経済』の論理で、競争優位性を高める目的もあるが、やはり製造業で事業規模がなければ従業員も思うように休暇がとれないし、給与の底上げも難しい。従業員の『幸せ』を考えた場合、労働分配率を一定の水準で維持しながら従業員の待遇を向上させていくべきだと考えている。また、これが良い人材を確保できることにも繋がる。この当社のミッションをクリアする上で、その原資となるIndigoが果たす役割はさらに大きくなっていくだろう」(緒方氏)

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多様な前処理済み原反を自社開発

 その最たる機能として、緒方氏が評価するのが、「様々な原反への対応力」である。同社では、外部と共同でプレコーティング済みの様々な原反を開発し、自社でもA3ノビサイズ対応の枚葉コーター機「TEC COATER SYSTEM-50」(テクノロール製)を設備。また、一部でHPと用紙を共同開発するなど、素材への探究心は非常に高い。現在はPPや塩ビ、蒸着PETなどにもプレコーティングを施して印刷している。

 「Indigoはオペレーションに一定のスキルが必要なのは確かだが、努力すれば素材の質を残した素晴らしい印刷を実現し、その努力に対して120%の成果で応えてくれる。当社では多くの名も無き用紙をSNSなどで発信し、これら情報に貪欲な同人誌の世界で広がりを見せている。将来的には印刷原反の販売も視野に入れている」(緒方氏)

様々な原反を使った印刷サンプル

 同人誌の制作はタブレットなどを使ったRGB環境で行われるケースがほとんどで、同社の真骨頂は、このRGBデータの印刷にある。その色域の再現性をさらに向上させたのがビビッドインキの採用だ。現在6台のIndigoは、いずれもCMYK+ビビッドピンク+ビビッドグリーン+プレミアムホワイトの7色仕様となっており、ユニークなビビッドインキ2色の搭載によってRGB色域の再現性がより豊かなものになっており、プレミアムホワイトによる遮蔽性の高い白も、素材対応の幅を広げている。

 「100万部刷るも10部刷るも作者の思い入れは何ら変わらない。その思いに我々がどう応えるか。RGB環境で制作されたものをRGB色域で印刷することで、作者の思ったような色になる。逆にユーザーがこのIndigo品質に慣れさせられたとも言える」(緒方氏)

 同人誌の場合、キャラクターの描画が多用されているため、肌の表現、いわゆるスキントーンが重要になる。Indigoのざらつき感のないスキントーンの品質評価も高いようだ。

粗利率の高さが良好なサイクルを生み出す

 同社の「積極投資による急成長」という良好なサイクルを生み出している背景のひとつに、粗利率の高さがある。資材の調達コストを限界まで抑えるための量とルートを確保する同社の粗利率は、なんと約70%。この資材調達コストに対する徹底した努力が低価格のサービスを支え、それが評価され、さらに受注増に繋がる。そして、さらに調達量が増加することでコストが下がるという良好なサイクルが同社の飛躍的な成長を支えているわけだ。Indigoで生産する受注ロットは50〜70部程度で、ジョブ数は約1万8,000件/月、インプレッション数は1,000万インプレッション/月を突破している。

6台のIndigoが整然と並んで設置されている

 これまで営業部隊を持たず、100%オンライン受注で成長してきた同社だが、以前から次の成長エンジンを「BtoB事業」と位置付けている。ただ、「『潜在的な自社の成長』が顕在化し、常に生産のキャパシティが逼迫する状況にある中で、現段階ではBtoCビジネスに対する設備投資を強化していくことを優先課題に位置付けている。

 さらに、同社が今後の最大ミッションと位置付けているのが「事業規模の拡大」である。「売上60億円、従業員300名程度の規模まで事業を拡大させることが全社で共有しているミッション。いわゆる『規模の経済』の論理で、競争優位性を高める目的もあるが、やはり製造業で事業規模がなければ従業員も思うように休暇がとれないし、給与の底上げも難しい。従業員の『幸せ』を考えた場合、労働分配率を一定の水準で維持しながら従業員の待遇を向上させていくべきだと考えている。また、これが良い人材を確保できることにも繋がる。この当社のミッションをクリアする上で、その原資となるIndigoが果たす役割はさらに大きくなっていくだろう」(緒方氏)

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