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エコー(東京)、「オフセットと遜色のない品質」[Revoria Press PC1120導入事例]

クライアントから高く評価〜幅広い用紙適性と特殊トナーの表現力

2024年8月2日ケーススタディ

 販促用印刷物やグッズなどの企画・デザイン・製作を手がける(株)エコー(本社/東京都練馬区谷原3-23-9、小林淳社長)は、デジタルプレスの新たな主力機として富士フイルムの「Revoria Press PC1120」(以下「PC1120」)を導入し、その品質性能と機動力の高さを活かした提案でクライアントとの関係強化、受注拡大を図っている。導入に至った経緯や具体的な用途・メリットなどについて、小林社長、制作部の大野沙菜氏、内田紗愛氏、関根歩氏に伺った。

小林社長(左後方)と、(前列左から)関根氏、内田氏、大野氏


決め手は品質安定性と用紙対応力

 エコーは、1969年に創業した「エコー製版」を前身とし、80年に法人化した企業。製版業として培ったデータハンドリングのノウハウなどを活かし、90年代後半からはデザイン制作へと業務領域を拡大。2002年には印刷機の導入も開始し、印刷業としての設備体制を整えていった。現在は、オフセット印刷機、デジタル印刷機(トナー機)、大判インクジェットプリンター、カッティングプロッターなどを駆使しながら、多種多様な印刷物の企画から印刷・加工までをワンストップで手がけている。

 地元・練馬区をはじめとする都内の企業や商店、自治体などを主なクライアントとし、パンフレットやカタログ、ポスターといった販促ツールを中心に受注。キャンペーンやイベントの企画提案なども行う。従業員13名と少人数でありながら、提案の幅広さ、対応のきめ細かさには定評がある。

 「当社は『若者の感性で販促活動を支援する新しいスタイルの印刷会社』を目指しており、若手の女性社員が中心になっているのも特色のひとつ。営業的な役割から実際の制作まで、彼女たちが一貫して担ってくれていることで、お客様に当社ならではの安心感を提供できているのではないかと思っている」(小林社長)

 印刷設備としては、オフセット機とデジタル機を、求められる品質や部数などに応じて使い分けている。トナータイプのデジタル機はこれまでに複数メーカーの機種を導入。富士フイルム製品では「Versant 2100 Press」などの使用実績がある。最近では、小ロットの印刷物でもより高い付加価値が求められるケースが増えているため、数年前から特殊トナー対応の他メーカー機を導入していた。今回、この機種を置き換える形でPC1120の導入を決めたわけだが、その理由について小林社長はこう説明する。

 「従来の5色機は、品質の安定性や用紙対応力に課題があった。特色活用の勉強にはなったが、色の調整などで苦労することが多々あった。当社では芸能関係の販促物も多く手がけており、タレントやアイドルの写真を使ったグッズなどは、小ロットでもオフセットレベルの高い品質が要求される。その時に、従来機ではなかなかお客様が納得できるレベルに仕上がらなかった。とくに人の肌など、繊細な再現が求められる仕事での活用は厳しいという印象だった」

 そんな背景から、より安定性・汎用性に優れ、付加価値提案も可能なトナー機の検討を進めた。最終的にPC1120を選んだ決め手は何だったのだろうか。

 「やはり、特色を含めた色再現性が非常に良く、しかも安定していること。また、さまざまな種類・厚さの用紙に対応できることも大きなポイントだった。いくつかの機種を検討した結果、『多種多様な用紙でオフセットと同等の品質が安定的に得られる』という当社の要望を満たすトナー機は、PC1120しかないと確信した」(小林社長)

クライアントに自信を持って勧められる品質

 導入は2023年6月。オペレーションは、入社3年目の内田氏がメインで担当するが、制作部の全員が操作できる体制となっている。

 「若い女性でも、経験が浅い人でも問題なく使いこなすことができ、誰でも確実に高品質な印刷物をつくれるのは大きな魅力。そのため、特定のオペレーターに頼ることなく、状況に応じて柔軟に運用できる」(小林社長)

 実際の操作性について、内田氏はこう評価する。

 「たとえば色を修正したいときにトーンカーブを調整してみる、場合によっては元データを直して再出力する、といったことが素早く簡単にできるし、特色を使ったデザインを行う際にも、途中でテスト出力して仕上がりを確認しながら進めることが可能なので、デザイナーの立場から見ても非常に使いやすい機械だと思う」

 導入検討時の重要項目のひとつであった品質に関しても、小林社長は「オフセットと遜色なく、安定性も期待通り」と語る。

 「少し前のトナー機は、カラーコピーの延長で明らかに『印刷』との差があったが、PC1120は『印刷機』として使えるだけの、レベルの高い仕上がりが得られる。そのため、お客様にも『この部数ならデジタル印刷の方がいいですよ』と躊躇なくお勧めできるようになった」


内田氏を中心に、制作部全員がPC1120を使いこなしている


 大野氏は、従来の5色トナー機のオペレーション経験もあることから、PC1120の品質面での優位性を強く実感しているという。

 「従来使っていたトナー機では、文字が太りやすく、ベタ部に少しテカリが出るなど、気になる部分がいろいろあったが、PC1120ではそうしたネガティブな点がなく、品質にこだわるお客様にもお勧めしやすい。実際に出力物をお持ちすると、『本当にオンデマンドですか?』と驚かれることもある。また、テスト出力でOKをいただいた色味をそのまま正確に再現できるのもメリットのひとつ」

 品質面でオフセットとの差がほとんどなくなったため、同社では、印刷物の内容や部数・納期などに応じて、PC1120とオフセット印刷機を臨機応変に使い分けることが可能になった。

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小林社長(左後方)と、(前列左から)関根氏、内田氏、大野氏


決め手は品質安定性と用紙対応力

 エコーは、1969年に創業した「エコー製版」を前身とし、80年に法人化した企業。製版業として培ったデータハンドリングのノウハウなどを活かし、90年代後半からはデザイン制作へと業務領域を拡大。2002年には印刷機の導入も開始し、印刷業としての設備体制を整えていった。現在は、オフセット印刷機、デジタル印刷機(トナー機)、大判インクジェットプリンター、カッティングプロッターなどを駆使しながら、多種多様な印刷物の企画から印刷・加工までをワンストップで手がけている。

 地元・練馬区をはじめとする都内の企業や商店、自治体などを主なクライアントとし、パンフレットやカタログ、ポスターといった販促ツールを中心に受注。キャンペーンやイベントの企画提案なども行う。従業員13名と少人数でありながら、提案の幅広さ、対応のきめ細かさには定評がある。

 「当社は『若者の感性で販促活動を支援する新しいスタイルの印刷会社』を目指しており、若手の女性社員が中心になっているのも特色のひとつ。営業的な役割から実際の制作まで、彼女たちが一貫して担ってくれていることで、お客様に当社ならではの安心感を提供できているのではないかと思っている」(小林社長)

 印刷設備としては、オフセット機とデジタル機を、求められる品質や部数などに応じて使い分けている。トナータイプのデジタル機はこれまでに複数メーカーの機種を導入。富士フイルム製品では「Versant 2100 Press」などの使用実績がある。最近では、小ロットの印刷物でもより高い付加価値が求められるケースが増えているため、数年前から特殊トナー対応の他メーカー機を導入していた。今回、この機種を置き換える形でPC1120の導入を決めたわけだが、その理由について小林社長はこう説明する。

 「従来の5色機は、品質の安定性や用紙対応力に課題があった。特色活用の勉強にはなったが、色の調整などで苦労することが多々あった。当社では芸能関係の販促物も多く手がけており、タレントやアイドルの写真を使ったグッズなどは、小ロットでもオフセットレベルの高い品質が要求される。その時に、従来機ではなかなかお客様が納得できるレベルに仕上がらなかった。とくに人の肌など、繊細な再現が求められる仕事での活用は厳しいという印象だった」

 そんな背景から、より安定性・汎用性に優れ、付加価値提案も可能なトナー機の検討を進めた。最終的にPC1120を選んだ決め手は何だったのだろうか。

 「やはり、特色を含めた色再現性が非常に良く、しかも安定していること。また、さまざまな種類・厚さの用紙に対応できることも大きなポイントだった。いくつかの機種を検討した結果、『多種多様な用紙でオフセットと同等の品質が安定的に得られる』という当社の要望を満たすトナー機は、PC1120しかないと確信した」(小林社長)

クライアントに自信を持って勧められる品質

 導入は2023年6月。オペレーションは、入社3年目の内田氏がメインで担当するが、制作部の全員が操作できる体制となっている。

 「若い女性でも、経験が浅い人でも問題なく使いこなすことができ、誰でも確実に高品質な印刷物をつくれるのは大きな魅力。そのため、特定のオペレーターに頼ることなく、状況に応じて柔軟に運用できる」(小林社長)

 実際の操作性について、内田氏はこう評価する。

 「たとえば色を修正したいときにトーンカーブを調整してみる、場合によっては元データを直して再出力する、といったことが素早く簡単にできるし、特色を使ったデザインを行う際にも、途中でテスト出力して仕上がりを確認しながら進めることが可能なので、デザイナーの立場から見ても非常に使いやすい機械だと思う」

 導入検討時の重要項目のひとつであった品質に関しても、小林社長は「オフセットと遜色なく、安定性も期待通り」と語る。

 「少し前のトナー機は、カラーコピーの延長で明らかに『印刷』との差があったが、PC1120は『印刷機』として使えるだけの、レベルの高い仕上がりが得られる。そのため、お客様にも『この部数ならデジタル印刷の方がいいですよ』と躊躇なくお勧めできるようになった」


内田氏を中心に、制作部全員がPC1120を使いこなしている


 大野氏は、従来の5色トナー機のオペレーション経験もあることから、PC1120の品質面での優位性を強く実感しているという。

 「従来使っていたトナー機では、文字が太りやすく、ベタ部に少しテカリが出るなど、気になる部分がいろいろあったが、PC1120ではそうしたネガティブな点がなく、品質にこだわるお客様にもお勧めしやすい。実際に出力物をお持ちすると、『本当にオンデマンドですか?』と驚かれることもある。また、テスト出力でOKをいただいた色味をそのまま正確に再現できるのもメリットのひとつ」

 品質面でオフセットとの差がほとんどなくなったため、同社では、印刷物の内容や部数・納期などに応じて、PC1120とオフセット印刷機を臨機応変に使い分けることが可能になった。

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