エコー(東京)、「オフセットと遜色のない品質」[Revoria Press PC1120導入事例]
クライアントから高く評価〜幅広い用紙適性と特殊トナーの表現力
2024年8月2日ケーススタディ
小ロット・高品質ニーズにマッチし、新規受注につながった
PC1120のメリットは、実際の仕事の中でどのように活かされているのか。内田氏は、特殊トナーを使った表現についてこう語る。
「現状、特殊トナーを使用する頻度はそれほど高くないが、2色同時に使えるのは魅力だし、それによって表現の幅はかなり広がる。たとえば、ピンクトナーを使うことで、『人物写真の肌をより健康的な色にしたい』といった要望にも応えることができるし、料理の写真のお肉の色なども、見栄えをぐっと良くすることができる。また、先日は『ニスのような表現をオンデマンドでできますか』という問い合わせをいただき、PC1120のクリアトナーを使ってテストしたところ、お客様の反応がとても良く、実際に採用いただいた」
ピンクトナーを活かした提案がきっかけで、新規受注を獲得できたケースもあるという。
「そのお客様は都内のホテルだが、これまでレストランのメニューやチラシなどを作成する際、印刷通販を利用しており、価格は安いものの品質には不満があったそうだ。そこで、メニューのデータをお借りしてCMYK+ピンクの出力を提示したところ、『ステーキやローストビーフの色が格段に良くなった』と好評をいただき、それ以降、当社に発注いただくことにあった」(小林社長)
また、用紙対応力の高さもメリットに結びついているといい、関根氏は厚紙の例を挙げる。
「厚さ400g/平方メートルまで通せるので、カレンダーなども安定して出力できる。3年ほど前から受注している鉄道写真のカレンダーは、当初は写真の品質を優先してオフセットで印刷していたが、部数が比較的少ないため、昨年、PC1120での出力を提案したところ、『この仕上がりならまったく問題ない』と評価いただき、実際にPC1120で印刷することになった。このほか、油性オフセットでは対応できない透明フィルムなどの素材も通せるので、1台でさまざまな仕事をこなすことができる」
このように、PC1120の導入によって「デジタル印刷でできる仕事」の幅が広がり、そのメリットは営業面でも明確に表われている。
「いままでオフセットで対応せざるを得なかった小ロットの仕事も、品質に妥協せずデジタル印刷に移行することができるようになった。また、特殊な仕様の相談をいただいた際にも、『やってみましょう』と迷うことなく答えられるし、翌日にはお客様にテスト出力をお見せできる。こうしたフットワークのいい対応も、PC1120だからこそ可能なことだと思う」(小林社長)
バリアブルも活用し、さらなる付加価値の提供を目指す
同社は今後、バリアブルソフト「Form Magic」なども活用しながら、より高い付加価値の提供に取り組んでいく考えだ。大野氏は「デジタル印刷の特性を活かせる領域として、バリアブルの印刷物も積極的に手がけていきたい」と語る。
「たとえば、イベントや会合などで撮った写真を、ただ冊子にまとめて配るのではなく、参加者1人ひとりに、本人の写真を入れたフォトブックの形でお渡しする。そうすれば思い出の品として価値の高いものになる。こうした付加価値の高い印刷物や企画を積極的に提案し、経験を積んでいきたい」
また、印刷物とデジタルメディアを連携させた企画提案にも力を入れており、キャンペーン支援ツール「QLEAR」を使ったデジタルスタンプラリーなど、着々と実績を重ねている。
小林社長は、今後の事業の方向性について、「お客様から安さだけを求められる存在にならないよう、付加価値を提供してそれに見合った対価をいただけるビジネスモデルをつくっていかなければいけない」とし、そのための武器として、提案力ときめ細かい対応力をさらに高めていくと強調。その上で、「デジタル印刷の技術も有効に活用しながら、人々の生活や社会を豊かにする印刷物を、今後も提供し続けていきたい」と結んだ。
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また、用紙対応力の高さもメリットに結びついているといい、関根氏は厚紙の例を挙げる。
「厚さ400g/平方メートルまで通せるので、カレンダーなども安定して出力できる。3年ほど前から受注している鉄道写真のカレンダーは、当初は写真の品質を優先してオフセットで印刷していたが、部数が比較的少ないため、昨年、PC1120での出力を提案したところ、『この仕上がりならまったく問題ない』と評価いただき、実際にPC1120で印刷することになった。このほか、油性オフセットでは対応できない透明フィルムなどの素材も通せるので、1台でさまざまな仕事をこなすことができる」
このように、PC1120の導入によって「デジタル印刷でできる仕事」の幅が広がり、そのメリットは営業面でも明確に表われている。
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「たとえば、イベントや会合などで撮った写真を、ただ冊子にまとめて配るのではなく、参加者1人ひとりに、本人の写真を入れたフォトブックの形でお渡しする。そうすれば思い出の品として価値の高いものになる。こうした付加価値の高い印刷物や企画を積極的に提案し、経験を積んでいきたい」
また、印刷物とデジタルメディアを連携させた企画提案にも力を入れており、キャンペーン支援ツール「QLEAR」を使ったデジタルスタンプラリーなど、着々と実績を重ねている。
小林社長は、今後の事業の方向性について、「お客様から安さだけを求められる存在にならないよう、付加価値を提供してそれに見合った対価をいただけるビジネスモデルをつくっていかなければいけない」とし、そのための武器として、提案力ときめ細かい対応力をさらに高めていくと強調。その上で、「デジタル印刷の技術も有効に活用しながら、人々の生活や社会を豊かにする印刷物を、今後も提供し続けていきたい」と結んだ。
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