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富士フイルムBI、独自のインクジェット技術で新たなソリューション提供

商業印刷から領域拡大〜あらゆる産業用途での活用が加速

2024年9月11日製品・テクノロジー

 富士フイルムビジネスイノベーション(株)(本社/東京都港区、浜直樹社長・CEO)は2024年5月、新たな商業印刷向け高速ロール紙カラーインクジェットプリンター「Jet Press 1160CFG」を発売した。同機は、新開発の事前乾燥ユニット「ペーパースタビライザー」の搭載により印刷品質の安定化を実現するとともに、コート紙への印刷に対応するなどインクジェットによる新たな価値をもたらす生産機として注目を集めている。今回、この新機種をはじめ、同社が提供する最新インクジェット技術について紹介していく。
drupa 2024に出展されたJet Press 1160CFG

コート紙対応を可能としたロール給紙IJ機発売

 ドライトナー方式のデジタル印刷機のイメージが強い同社であるが、インクジェット方式の高速ロール紙カラーインクジェットプリンター事業への取り組みは2011年より始まっている。今回、発売された「Jet Press 1160CFG」は、その5世代モデルとなる。

 同機は、最大160m/分(A4カット紙換算で毎分2,096ページ)の印刷スピードと、最大1,200×1,200dpiの解像度により、高生産かつ高精細な印刷を可能とする。その最大の特長は、コート紙への印刷に対応したことで、ダイレクトメールやパンフレットをはじめとする商業印刷の領域に用途を大きく拡げている点だ。

 同社・三浦和彦氏(グラフィックコミュニケーション事業本部デジタルプリンティング事業部DP第二統括部 部長)は、コート紙への印刷を可能したのが新開発の「ペーパースタビライザー」だと説明する。
三浦氏(左)と中西氏
 「オフセット印刷では、グロスコート紙などが一般的に使用されている。しかしインクジェット印刷機の場合、表面加工が施されているグロスコート紙への印刷に対し、水性顔料インクが乾きにくく品質に影響を及ぼしていた。ペーパースタビライザーは、この問題を克服するために開発された」(三浦氏)

コート紙への印刷を可能とした「ペーパースタビライザー」

 新開発の事前乾燥ユニット「ペーパースタビライザー」は、印刷前に用紙を乾燥させ、用紙が含む水分量を一定に制御することで厚紙でのインク定着性の向上や薄紙の波打ちを抑制。印刷前の用紙は、季節や保管場所の気温、湿度で状態が異なるため印刷品質が変動するリスクがあるが、ペーパースタビライザーを使用することで用紙全体を乾燥させ、用紙の水分含有量を一定に保つことによって印刷品質の安定化をもたらす。また、同機では自社独自の水性顔料インクを採用。インクが浸透しにくいオフセットコート紙に対しても、インクの定着を向上させるプライマーの塗布が不要で高画質な印刷を実現する。

 同機は、drupa 2024にも出展され、高い関心を集めていた。会場では、イタリアのTecnau社製シートカッターをインライン接続し、ワンストップでブックブロックまでを作成する後加工連携のデモを披露した。

 「今回のdrupaでは、枚葉タイプのJet Pressだけでなく、ロール給紙タイプのJet Pressを、富士フイルムグループとして全世界に向けて披露することができた」(三浦氏)

「Jet Press 1160CF」の新インク開発

 また、同社は「Jet Press 1160CFG」と同じ筐体モデルで、トランザクション分野などで高いシェアを誇る「Jet Press 1160CF」についても、マットコート紙への印刷を可能とする新インクを開発し、2024年8月から提供を開始した。
新インクの登場で活用用途が広がったJet Press 1160CF
 同社・中西一成氏(グラフィックコミュニケーション事業本部デジタルプリンティング事業部DP第二統括グループ マネージャー)は、「これまで上質紙への圧倒的な印刷品質を武器にトランザクション分野や書籍・出版印刷分野を得意としていたJet Press 1160CFだが、新インクを搭載することでマットコート紙への対応が可能となる。これによりDMやポスター、チラシなど印刷できる用途が広がる」と、新インクがもたらす可能性について説明する。

 加えて中西氏は、上質紙から新たにマットコート紙までをカバーできることで、ユーザーの新たなビジネス領域への進出を後押しできると断言する。

 「トランザクションからトランスプロモ、DMなどに拡張し、さらにそのプロモーションに関連する冊子や商業印刷物までの販促ツール制作を一括提案・生産して提供することが可能となり、印刷会社の新たな受注獲得に貢献できるはず」(中西氏)

 この新インクについては、将来的に「Jet Press 1160CFG」での運用も視野に入れているという。

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drupa 2024に出展されたJet Press 1160CFG

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 同機は、最大160m/分(A4カット紙換算で毎分2,096ページ)の印刷スピードと、最大1,200×1,200dpiの解像度により、高生産かつ高精細な印刷を可能とする。その最大の特長は、コート紙への印刷に対応したことで、ダイレクトメールやパンフレットをはじめとする商業印刷の領域に用途を大きく拡げている点だ。

 同社・三浦和彦氏(グラフィックコミュニケーション事業本部デジタルプリンティング事業部DP第二統括部 部長)は、コート紙への印刷を可能したのが新開発の「ペーパースタビライザー」だと説明する。
三浦氏(左)と中西氏
 「オフセット印刷では、グロスコート紙などが一般的に使用されている。しかしインクジェット印刷機の場合、表面加工が施されているグロスコート紙への印刷に対し、水性顔料インクが乾きにくく品質に影響を及ぼしていた。ペーパースタビライザーは、この問題を克服するために開発された」(三浦氏)

コート紙への印刷を可能とした「ペーパースタビライザー」

 新開発の事前乾燥ユニット「ペーパースタビライザー」は、印刷前に用紙を乾燥させ、用紙が含む水分量を一定に制御することで厚紙でのインク定着性の向上や薄紙の波打ちを抑制。印刷前の用紙は、季節や保管場所の気温、湿度で状態が異なるため印刷品質が変動するリスクがあるが、ペーパースタビライザーを使用することで用紙全体を乾燥させ、用紙の水分含有量を一定に保つことによって印刷品質の安定化をもたらす。また、同機では自社独自の水性顔料インクを採用。インクが浸透しにくいオフセットコート紙に対しても、インクの定着を向上させるプライマーの塗布が不要で高画質な印刷を実現する。

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 「今回のdrupaでは、枚葉タイプのJet Pressだけでなく、ロール給紙タイプのJet Pressを、富士フイルムグループとして全世界に向けて披露することができた」(三浦氏)

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 加えて中西氏は、上質紙から新たにマットコート紙までをカバーできることで、ユーザーの新たなビジネス領域への進出を後押しできると断言する。

 「トランザクションからトランスプロモ、DMなどに拡張し、さらにそのプロモーションに関連する冊子や商業印刷物までの販促ツール制作を一括提案・生産して提供することが可能となり、印刷会社の新たな受注獲得に貢献できるはず」(中西氏)

 この新インクについては、将来的に「Jet Press 1160CFG」での運用も視野に入れているという。

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