同人誌印刷ビジネスで急成長を遂げる大阪印刷(株)(大阪市西淀川区御幣島5-5-23、根田貴裕社長)は今年4月、コニカミノルタの29インチ枚葉UVインクジェット印刷機「AccurioJet(アキュリオ ジェット)KM-1e」(以下「KM-1e」)を導入。その高い生産性を活かした労働生産性向上に着手するとともに、「圧倒的な画質」によって同人誌印刷分野における「KM-1e品質」のブランド化に乗り出している。
カスタマイズ商材で大幅増収
同社は、もともと同人誌専門の「マンガ喫茶」というユニークな事業形態で2012年に創業。2年後の2014年には、そこに派生する同人誌印刷ビジネスに新規参入し、印刷業へと一気に業態変革をはかった新鋭企業だ。当初は店舗型のサービスだったが、およそ8年前に印刷通販サイト「OTACLUB」(https://otaclub.jp)を立ち上げ、ネット受注型のビジネスモデルへと舵を切ることで大きく売上を伸ばした。そして印刷事業開始から10年。現在、同社の従業員数は110名、今期の売上は約22億円を見込んでいる。昨年11月には延床面積で旧社屋の3倍(約3,700平米)におよぶ新社屋に移転し、この新工場では、Indigo7000シリーズ6台が一列に整然と並んで稼働している。
ここ最近の大幅増収を支えてきたのは、同人誌事業におけるカスタマイズ商材のラインアップ強化だ。同社の共同経営者で製造部門を統括する緒方人志氏は、「同人誌印刷の分野では、『とにかく安く簡単に』と、『他にない自分だけのオリジナル性が欲しい』というユーザーで二極化している。そこで当社は、後者をターゲットに、トナー転写の箔を使ったものやアルミ蒸着に白の遮蔽効果を施したものなど、様々なカスタマイズ要素を提供することで、新規顧客獲得と顧客単価引き上げを試みた結果、大幅な増収を達成した」と説明。売上比率もコロナ前は「グッズ6」:「本4」だったが、現在は逆転しており、参入障壁が低いグッズビジネスからカスタマイズ要素を加えた付加価値の高い同人誌ビジネスに改めて軸足を移すことで潜在的な売上を顕在化させることに成功している。今回の主題となるKM-1eも、その戦略機のひとつとして位置付けられる。
深刻な人手不足が背景に
Indigo7000シリーズ6台という積極投資の背景について緒方氏は、「常に目の前にある需要が逼迫する状態の中で、パンクを回避するための『守りの投資』を続けてきた結果」と説明しているが、今回のKM-1e導入の背景には「労働人口減少にともなう慢性的な人手不足がある」としており、これまでとは少し様子が違うようだ。
「とくに中小企業における人手不足は深刻で、今後はさらに『如何に少人数で、如何に効果的に売上を確保するか』が問われる。その準備として、以前から高品質な大型高速機への投資の必要性を感じていた」(緒方氏)
Indigoは、オペレータ自らがある程度の機械メンテができることで「ダウンタイムが少ない」というメリットがある。しかし、これを逆に捉えると1.5台に1名の機付人員が必要ということ。緒方氏は「6台で4〜5名必要になることから、売上に対する利益率に限界が見えていた」と語る。また一方で、「新たな設備投資では、顧客に感動を提供できるものを選びたい」という想いもあった。そこで注目したのが、ある意味でオフセット品質を超えたKM-1eの画質だった。
KM-1eは、1,200dpiで毎時3,000枚の生産性を誇るUVインクジェット印刷機。HD(High Definition)モードを搭載することで、より滑らかな高画質出力を実現し、肌の滑らかさと色調、ソリッド背景の均一性、素材の質感、光沢感がさらに向上している。緒方氏は、これを「圧倒的な画質」と評価。「オフセット品質というより、高精細印刷の品質に匹敵すると思う」(緒方氏)
新着トピックス
-
ケーススタディ リンクス、スキルレスで人材確保、育成期間短縮[JetPress750S導入事例]
-
製品・テクノロジー コニカミノルタジャパン、AccurioDays2025で新たなフラッグシップモデルを公開
大村印刷、特殊トナーと用紙対応力で小ロット・高付加価値ニーズに対応
2025年5月8日ケーススタディ
山口県を拠点に、印刷を中心とした情報ソリューション事業を展開する大村印刷(株)(本社/山口県防府市西仁井令1-21-55、河内和明社長)は2022年2月、富士フイルムのプロダクション...全文を読む
ディーエムソリューションズ、最高毎時4万5,000通を達成[KODAK PROSPER S5導入事例]
2025年3月25日ケーススタディ
ディーエムソリューションズ(株)(本社/東京都武蔵野市御殿山1-1-3 クリスタルパークビル2F、花矢卓司社長)は、KODAK PROSPER S5インプリンティングシステムを導入後...全文を読む
最新ニュース
パラシュート、スマホで偽造品識別が可能なデジタル暗号化技術サービスの提供開始
2025年7月1日
パラシュート(株)(東京都世田谷区、兵藤伊織社長)は2025年7月1日から、SaaSプラットフォームをベースとしたデジタル暗号化技術サービス(DET Service)の提供を開始した...全文を読む
PODi、「Labelexpo Europe 2025」視察ツアーの参加者募集開始
2025年6月25日
(一社)PODi(荒井純一代表理事)は、ラベル・パッケージ業界の世界最大級の展示会「Labelexpo Europe 2025」視察ツアーの参加者募集を開始した。 LABELEXP...全文を読む
コニカミノルタジャパン、機能強化モデル「AccurioPress C7100 ENHANCED」発売
2025年6月25日
コニカミノルタジャパン(株)(本社/東京都港区、一條啓介社長)は、高画質及び多彩な用紙への対応力と、自動品質最適化ユニットで評価を得ているデジタル印刷システム「AccurioPres...全文を読む
大阪印刷、同人誌印刷ビジネスで「圧倒的な画質」提供[AccurioJet KM-1e導入事例]
エンボス紙への適正評価〜「KM-1e品質」ブランド化へ
2024年9月20日ケーススタディ
同人誌印刷ビジネスで急成長を遂げる大阪印刷(株)(大阪市西淀川区御幣島5-5-23、根田貴裕社長)は今年4月、コニカミノルタの29インチ枚葉UVインクジェット印刷機「AccurioJet(アキュリオ ジェット)KM-1e」(以下「KM-1e」)を導入。その高い生産性を活かした労働生産性向上に着手するとともに、「圧倒的な画質」によって同人誌印刷分野における「KM-1e品質」のブランド化に乗り出している。
カスタマイズ商材で大幅増収
同社は、もともと同人誌専門の「マンガ喫茶」というユニークな事業形態で2012年に創業。2年後の2014年には、そこに派生する同人誌印刷ビジネスに新規参入し、印刷業へと一気に業態変革をはかった新鋭企業だ。当初は店舗型のサービスだったが、およそ8年前に印刷通販サイト「OTACLUB」(https://otaclub.jp)を立ち上げ、ネット受注型のビジネスモデルへと舵を切ることで大きく売上を伸ばした。そして印刷事業開始から10年。現在、同社の従業員数は110名、今期の売上は約22億円を見込んでいる。昨年11月には延床面積で旧社屋の3倍(約3,700平米)におよぶ新社屋に移転し、この新工場では、Indigo7000シリーズ6台が一列に整然と並んで稼働している。
ここ最近の大幅増収を支えてきたのは、同人誌事業におけるカスタマイズ商材のラインアップ強化だ。同社の共同経営者で製造部門を統括する緒方人志氏は、「同人誌印刷の分野では、『とにかく安く簡単に』と、『他にない自分だけのオリジナル性が欲しい』というユーザーで二極化している。そこで当社は、後者をターゲットに、トナー転写の箔を使ったものやアルミ蒸着に白の遮蔽効果を施したものなど、様々なカスタマイズ要素を提供することで、新規顧客獲得と顧客単価引き上げを試みた結果、大幅な増収を達成した」と説明。売上比率もコロナ前は「グッズ6」:「本4」だったが、現在は逆転しており、参入障壁が低いグッズビジネスからカスタマイズ要素を加えた付加価値の高い同人誌ビジネスに改めて軸足を移すことで潜在的な売上を顕在化させることに成功している。今回の主題となるKM-1eも、その戦略機のひとつとして位置付けられる。
深刻な人手不足が背景に
Indigo7000シリーズ6台という積極投資の背景について緒方氏は、「常に目の前にある需要が逼迫する状態の中で、パンクを回避するための『守りの投資』を続けてきた結果」と説明しているが、今回のKM-1e導入の背景には「労働人口減少にともなう慢性的な人手不足がある」としており、これまでとは少し様子が違うようだ。
「とくに中小企業における人手不足は深刻で、今後はさらに『如何に少人数で、如何に効果的に売上を確保するか』が問われる。その準備として、以前から高品質な大型高速機への投資の必要性を感じていた」(緒方氏)
Indigoは、オペレータ自らがある程度の機械メンテができることで「ダウンタイムが少ない」というメリットがある。しかし、これを逆に捉えると1.5台に1名の機付人員が必要ということ。緒方氏は「6台で4〜5名必要になることから、売上に対する利益率に限界が見えていた」と語る。また一方で、「新たな設備投資では、顧客に感動を提供できるものを選びたい」という想いもあった。そこで注目したのが、ある意味でオフセット品質を超えたKM-1eの画質だった。
KM-1eは、1,200dpiで毎時3,000枚の生産性を誇るUVインクジェット印刷機。HD(High Definition)モードを搭載することで、より滑らかな高画質出力を実現し、肌の滑らかさと色調、ソリッド背景の均一性、素材の質感、光沢感がさらに向上している。緒方氏は、これを「圧倒的な画質」と評価。「オフセット品質というより、高精細印刷の品質に匹敵すると思う」(緒方氏)
新着トピックス
-
リンクス、スキルレスで人材確保、育成期間短縮[JetPress750S導入事例]
2025年6月27日 ケーススタディ
-
コニカミノルタジャパン、AccurioDays2025で新たなフラッグシップモデルを公開
2025年6月4日 製品・テクノロジー
-
大村印刷、特殊トナーと用紙対応力で小ロット・高付加価値ニーズに対応
2025年5月8日 ケーススタディ
-
ディーエムソリューションズ、最高毎時4万5,000通を達成[KODAK PROSPER S5導入事例]
2025年3月25日 ケーススタディ
-
FFGS、新Revoria Press登場で、柔軟な「最適生産」可能に
2025年3月25日 スペシャリスト
新着ニュース
-
パラシュート、スマホで偽造品識別が可能なデジタル暗号化技術サービスの提供開始
2025年7月1日 ニュース
-
PODi、「Labelexpo Europe 2025」視察ツアーの参加者募集開始
2025年6月25日 ニュース
-
コニカミノルタジャパン、機能強化モデル「AccurioPress C7100 ENHANCED」発売
2025年6月25日 ニュース
-
エプソン、立体物への直接印刷を可能にする「Direct to Shape Printing System」発表
2025年6月25日 ニュース
-
パラシュート、次世代型MIS「PNS」にメーカーワークフローソフトウェア連携機能を追加
2025年6月11日 ニュース
SNSランキング
- 63sharesミマキ、330シリーズとエコ溶剤インクが3M MCS保証認定
- 43sharesパラシュート、スマホで偽造品識別が可能なデジタル暗号化技術サービスの提供開始
- 41sharesローランドDG、UVプリンターが紙器パッケージ製作に対応
- 39sharesSCREEN、Hunkeler Innovationdaysでインクジェットと後加工機の連携披露
- 38sharesKOMORI、241名が来場した新春特別内覧会のデモ動画(Impremia IS29s」公開
- 36sharesエプソン、使いやすさと安定稼働を両立したエプソン初のDTF専用プリンター発売
- 29sharesKOMORI、インクジェット印刷機とデジタル加飾機の連携披露
- 27shares日印機工とプリデジ協、IGAS2027の日程決定-2027年8月に東京ビッグサイトで開催
- 27sharesリコー、企業内・商用印刷の幅広いニーズに対応するカラー機の新機種発売
- 26sharesエプソン、立体物への直接印刷を可能にする「Direct to Shape Printing System」発表
おすすめコンテンツ
竹田印刷、多様な個性をかたちに〜アール・ブリュット作品を世界に発信
奥村印刷、新たな価値を紙に付加〜「折り紙食器 beak」でIPA2024に入賞
富士フイルム、TOKYO PACKでブランドオーナーにデジタル印刷活用促す