キーワードで検索

大阪印刷、同人誌印刷ビジネスで「圧倒的な画質」提供[AccurioJet KM-1e導入事例]

エンボス紙への適正評価〜「KM-1e品質」ブランド化へ

2024年9月20日ケーススタディ

生産機としての信頼性

 KM-1eの本稼働開始は今年4月。「繁忙期の立ち上げだったが、とくに苦労話はない。これもKM-1eの魅力のひとつ」(緒方氏)

 6台のIndigoとの使い分けは、「白が必要」「マットに仕上げたい」「インクの定着が苦手な素材」などをIndigoで、「生産性が必要」「オーソドックスな素材」などをKM-1eで、という基準を設けている。実際、KM-1では6台のIndigoの生産に匹敵する30万枚/月を印刷しているという。

 デジタル印刷の現場を統括する喜多侑里氏は、「印刷方式的に接触/非接触に起因するメンテナンス時間の差がある。KM-1eはジョブ毎のメンテナンスなしで連続印刷ができる。始業・終業時のメンテナンス時間も短く済み、当社では30ジョブ/時を目標にしている。時間外労働が半減しているのも、このKM-1eの生産性が大きく寄与している」と説明。緒方氏も「Indigoは、当社の開発力を支える『創造力を掻き立てるマシン』、KM-1eは生産機としての信頼性に優れたマシン』」と表現している。

 一方、KM-1eは「広範なメディア互換性」もひとつの特徴としているが、同社ではとくにエンボス系の用紙における印刷表現を高く評価している。喜多氏は「エンボス紙でも何ら調整を行う必要がなく、綺麗な印刷ができる。同人誌の表紙用途で使われるケースが増えつつあり、今後はひとつのトレンドにしたい」と語る。

ユニークエンボス - ウェザリング


ユニークエンボス - イシダタミ

 また緒方氏は、「品質に対するクレームはゼロである」と説明。同社が導入したKM-1eは、画像不良を自動的に検知するインラインセンサーを搭載した世界初号機でもある。スジや汚れ、ヘッドのノズル不良などを検査し、不良品の外部流出を未然に防止できる。一方、これとは別に緒方氏は、「1ヵ月に数件程度あった再版時の色再現におけるクレームがなくなった。『色が転ばない』という表現が正しいのかもしれない。刷り見本がない我々のビジネスモデルにおいて、この安定した色再現性は大きな魅力である」と評価する。

 「圧倒的な画質」によって、RGBデータを使用する同人誌との相性の良さも評価する緒方氏。同人誌の分野では「Indigo品質」が広く認知されているが、今後はオフセット印刷を超えるインクジェット印刷機「KM-1e品質」による感動を顧客に提供し、ブランド化を試みる考えだ。

KM-1eの増設を計画

 国内外の展示会にも積極的に足を運び、デジタル印刷分野の情報収集に余念がない緒方氏だが、「今後少なくとも3年間は、KM-1eを超える画質を再現できるマシンは世に出ない」と断言する。以前はインクジェット技術に否定的であった緒方氏をここまで変えた「画質」の信憑性は高まる一方だ。

 そして同社はすでにKM-1eの増設を計画している。「バックアップ機としての機能も必要だと考えるが、生産キャパシティを新たに確保することで、KM-1eの新たな可能性を引き出す商材の開発にも乗り出す」(緒方氏)。同社では、11月に4台のZUND製カッティングマシンを導入するほか、フォトブックの設備を強化するなど、加工を含めた新商材の開発に意欲を示している。

 同社の「積極投資による急成長」という良好なサイクルを生み出している背景のひとつに、粗利率の高さがある。資材の調達コストを限界まで抑えるための量とルートを確保する同社の粗利率は、なんと約70%。この資材調達コストに対する徹底した努力が低価格のサービスを支え、それが評価され、さらに受注増に繋がる。そして、さらに調達量が増加することでコストが下がるという良好なサイクルが同社の飛躍的な成長を支えているわけだ。

 そして今回のKM-1eへの投資は、平均年齢30歳弱という従業員が30年、40年と働ける環境と経営基盤づくりにおいて、「労働生産性の向上」というミッションを担っている。

新着トピックス

swissq2511271_tn.jpg

swissQprint、ビジネスの将来的な成長を促進するワイドフォーマットプリンタ

2025年11月25日ケーススタディ

 swissQprintのユーザーであるMayfield Press社とPip n Chip社(まったく異なる業種)の2社は、swissQprintのマシンが自社のビジネスニーズに合わ...全文を読む

higuchi_jetpress_25_tn-1.jpg

樋口印刷所(大阪)、下請け100%のJet Pressビジネスとは

2025年10月8日ケーススタディ

 「刷り技術集団」として下請けに徹する(有)樋口印刷所(大阪市東住吉区桑津、樋口裕規社長)は、コロナ禍にあった2021年12月、富士フイルムの商業印刷向け枚葉インクジェットデジタルプレ...全文を読む

最新ニュース

tokiwa_jetpress_tn.jpg

トキワ印刷、厚紙仕様のIJデジタルプレス「JetPress750S」導入

2025年12月26日

 パッケージおよび厚紙・特殊紙印刷のトキワ印刷(株)(本社/大阪府東大阪市池島町、渡辺貞城社長)はこのほど、富士フイルムの枚葉インクジェットデジタルプレス「JetPress750S」(...全文を読む

dic_colorguide_ai_new_tn.jpg

DICグラフィックス、色見本帳アプリにAI配色検索機能搭載

2025年12月26日

 DICグラフィックス(株)(甲斐敏幸社長)は、デザイン・印刷・マーケティング業務を支援する色見本帳アプリ「DICデジタルカラーガイド」に、業界初の「AI配色検索機能」を搭載した。  ...全文を読む

kodak_prinergy11_5_tn.jpg

コダック、自動化や統合性を強化したPRINERGY最新バージョン発表

2025年12月26日

 コダックは、PRINERGYソフトウェアの新バージョン11.5を発表した。  PRINERGYプラットフォームは、アナログ印刷とデジタル印刷の両方にわたり、生産を効率化・最適化する統...全文を読む

大阪印刷、同人誌印刷ビジネスで「圧倒的な画質」提供[AccurioJet KM-1e導入事例]

エンボス紙への適正評価〜「KM-1e品質」ブランド化へ

2024年9月20日ケーススタディ

  • twitter
  • facebook
  • line

生産機としての信頼性

 KM-1eの本稼働開始は今年4月。「繁忙期の立ち上げだったが、とくに苦労話はない。これもKM-1eの魅力のひとつ」(緒方氏)

 6台のIndigoとの使い分けは、「白が必要」「マットに仕上げたい」「インクの定着が苦手な素材」などをIndigoで、「生産性が必要」「オーソドックスな素材」などをKM-1eで、という基準を設けている。実際、KM-1では6台のIndigoの生産に匹敵する30万枚/月を印刷しているという。

 デジタル印刷の現場を統括する喜多侑里氏は、「印刷方式的に接触/非接触に起因するメンテナンス時間の差がある。KM-1eはジョブ毎のメンテナンスなしで連続印刷ができる。始業・終業時のメンテナンス時間も短く済み、当社では30ジョブ/時を目標にしている。時間外労働が半減しているのも、このKM-1eの生産性が大きく寄与している」と説明。緒方氏も「Indigoは、当社の開発力を支える『創造力を掻き立てるマシン』、KM-1eは生産機としての信頼性に優れたマシン』」と表現している。

 一方、KM-1eは「広範なメディア互換性」もひとつの特徴としているが、同社ではとくにエンボス系の用紙における印刷表現を高く評価している。喜多氏は「エンボス紙でも何ら調整を行う必要がなく、綺麗な印刷ができる。同人誌の表紙用途で使われるケースが増えつつあり、今後はひとつのトレンドにしたい」と語る。

ユニークエンボス - ウェザリング


ユニークエンボス - イシダタミ

 また緒方氏は、「品質に対するクレームはゼロである」と説明。同社が導入したKM-1eは、画像不良を自動的に検知するインラインセンサーを搭載した世界初号機でもある。スジや汚れ、ヘッドのノズル不良などを検査し、不良品の外部流出を未然に防止できる。一方、これとは別に緒方氏は、「1ヵ月に数件程度あった再版時の色再現におけるクレームがなくなった。『色が転ばない』という表現が正しいのかもしれない。刷り見本がない我々のビジネスモデルにおいて、この安定した色再現性は大きな魅力である」と評価する。

 「圧倒的な画質」によって、RGBデータを使用する同人誌との相性の良さも評価する緒方氏。同人誌の分野では「Indigo品質」が広く認知されているが、今後はオフセット印刷を超えるインクジェット印刷機「KM-1e品質」による感動を顧客に提供し、ブランド化を試みる考えだ。

KM-1eの増設を計画

 国内外の展示会にも積極的に足を運び、デジタル印刷分野の情報収集に余念がない緒方氏だが、「今後少なくとも3年間は、KM-1eを超える画質を再現できるマシンは世に出ない」と断言する。以前はインクジェット技術に否定的であった緒方氏をここまで変えた「画質」の信憑性は高まる一方だ。

 そして同社はすでにKM-1eの増設を計画している。「バックアップ機としての機能も必要だと考えるが、生産キャパシティを新たに確保することで、KM-1eの新たな可能性を引き出す商材の開発にも乗り出す」(緒方氏)。同社では、11月に4台のZUND製カッティングマシンを導入するほか、フォトブックの設備を強化するなど、加工を含めた新商材の開発に意欲を示している。

 同社の「積極投資による急成長」という良好なサイクルを生み出している背景のひとつに、粗利率の高さがある。資材の調達コストを限界まで抑えるための量とルートを確保する同社の粗利率は、なんと約70%。この資材調達コストに対する徹底した努力が低価格のサービスを支え、それが評価され、さらに受注増に繋がる。そして、さらに調達量が増加することでコストが下がるという良好なサイクルが同社の飛躍的な成長を支えているわけだ。

 そして今回のKM-1eへの投資は、平均年齢30歳弱という従業員が30年、40年と働ける環境と経営基盤づくりにおいて、「労働生産性の向上」というミッションを担っている。

新着トピックス

新着ニュース

PAGE TOP