(一社)日本印刷産業連合会のデジタルプレス推進協議会(相馬謙一座長)は、2010年から毎年実施している「印刷業界におけるデジタル印刷に関するアンケート調査 2015」の調査結果をこのほど発表した。今回の調査では、回答企業の約7割(108社)でデジタル印刷機を保有しているなど、前回調査よりも全般的に保有率が向上していることが判明した。
今回の調査では、印刷設備を主力な生産設備としている印刷業界の8団体(印刷工業会、全日本印刷工業組合連合会、日本フォーム印刷工業連合会、日本グラフィックコミュニケーションズ工業組合連合会、日本グラフィックサービス工業会、全日本シール印刷協同組合連合会、全国グラビア協同組合連合会、全日本スクリーン・デジタル印刷協同組合連合会)から抽出した558社にアンケート用紙を郵送し、135社が回答している。
それによると回答企業の80%(108社)で推計300台以上のデジタル印刷機を保有、1社平均2.8台となり最も台数の多い回答はトナー機9台、インクジェット機9台であった。
デジタル印刷機保有率については、全国グラビア(27%)を除くと各団体からの回答企業の7割以上はデジタル印刷機を保有している。とくにJFLP(ラベル)、全国グラビア、JSPDA(スクリーン)の保有率が向上しており、これらの業界でもデジタル印刷の普及期に入ってきたと言える。
また、デジタル印刷機の生産機としての利用率も高まっており、月間印刷ページ数(A4判面積当たり)が5万ページを超える回答が34件あり、デジタル印刷機保有社数(108社)の32%に当たる。業界別では、軟包装フィルムが多い全国グラビアが75%、業務用モノクロ物が多いジャグラは58%、大判出力が多いGCJは40%、印刷工業会と全印工連は各々30%など。今回のアンケートは大手のデータプリント企業の回答が少なく、前回調査では出力ページ数で筆頭であったフォーム工連で月間5万ページ以上を出力している回答は27%に留まっている。
また今回の調査では、デジタル印刷機保有企業の分析は保有企業全体を「全デジタル」(108社)と、上位グループ(デジタル印刷月間5万ページ/A4面積当たりの回答34社)を「上位G」と略して比較検討している。
まず、保有しているデジタル印刷機の方式(トナー、インクジェット、ハイブリッド)については、全体集計と上位Gとの比較では、全デジタルと上位Gは前回調査から、ともにトナー機の比率が約10ポイント減少し、インクジェット機とハイブリッド機がその分、増加している。
次にデジタル印刷機の保有台数の合計では、全デジタルの回答からの推計で302台となり、1社平均は2.9台。内訳はトナー方式179台(59%)、インクジェット方式116台(39%)、ハイブリッド印刷7台(2%)となる。
月間出力ページ数(A4換算)では、全デジタルのトナー方式による出力ページは、月間2,082万ページ(回答数55)で1社平均37万ページ、インクジェット方式は月間337万ページ(回答数26)で1社平均14万ページ、ハイブリッド印刷は651万ページ(回答数3)で1社平均217万ページとなる。
印刷方式別のメディア形態や種類についての設問では、全デジタルのトナー方式でカット紙が85%に及び91%は紙メディアを使用している。
インクジェット方式のデジタル印刷機は、高速の連帳機(輪転型)、ワイドフォーマットなどが存在し、最も多い回答がモノクロとカラーのロール紙で合わせると43%、メディアは用紙が7割、フィルムが3割となる。
ハイブリッド方式はカット紙が6割、ロール紙が3割、シール・ラベルが14%あり、メディアについては100%用紙であった。
また、今回はデジタル印刷ビジネスの大きさを有版印刷売上に占めるデジタル印刷売上の比率から類推。それによるとデジタル印刷売上が有版印刷売上を超えている(101%以上)という回答が全デジタルで回答社数の6%、上位Gには5%存在する。一方で未だに5%未満という微々たるビジネス展開に留まっているところが、全デジタルでは回答社数の47%、上位Gでは57%にも及ぶ結果となった。
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