デジタル印刷機の種類・保有台数
印刷方式別の保有社数については、全デジタルと上位Gは前回調査から両者ともにトナー機の比率は10ポイントほど減少している。一方、インクジェット機とハイブリッド印刷がその分、増加している。
月間に数万ページ程度を出力している全デジタルに属する中小印刷業にとって、利用しやすい中速高画質のトナータイプのカラー機が各社から投入されているが、大量印刷を可能にする輪転型の帳票機は高速、高画質のインクジェット機の開発が進み選択肢が増すなど、印刷企業にとってはニーズも合わせた機種選定が容易になってきたことが伺える。
デジタル印刷機の保有台数の合計は、全デジタルの回答からの推計で302台となり、1社平均は2.9台となる。内訳はトナー方式179台(59%)、インクジェット方式116台(39%)、ハイブリッド印刷7台(2%)となる。
上位Gは、それぞれ34社・124台、1社平均は3.6台であり、内訳はトナー方式79台(64%)、インクジェット方式40台(32%)、ハイブリッド印刷5台(4%)となっている。

【参考分析 大判インクジェット方式保有回答】
インクジェット方式のデジタル印刷機は大判(ワイドフォーマット)出力機と輪転方式に大別される。主な用途は、前者は屋外広告や店舗内バナー広告物などの商業印刷分野、後者はデータプリントなどフォーム印刷分野であり、印刷業界においても異なる業態でそれぞれ使用されている。さらにインクジェット方式は、シール・ラベル向けなども開発されているなど、様々な機種が登場している。今回のアンケートでは、設問を簡略化したことから、インクジェット方式を細部まで分けた設問となっていないため詳細な分析ができないことから、参考分析として、全デジタル回答から「インクジェット/大判」に回答した18件について概説している。
それによると大判印刷機以外にも、トナー方式やハイブリッド方式など各種のデジタル印刷機を設備している。印刷業界の企業では、大規模なサイン&ディスプレイ専業者のように数十台のワイドフォーマット機を設備しているところはあっても少数と考えられる。
印刷方式別の月間出力ページ数(A4換算)比較
全デジタルでは、トナー方式の出力ページ数(A4換算)は月間2,082万ページ(回答55)で1社平均37万ページ、インクジェット方式は月間337万ページ(回答26)で1社平均12万ページ、ハイブリッド印刷は651万ページ(回答3)で1社平均217万ページとなる。
上位Gでは、トナー方式の出力ページ数は月間2,026万ページ(回答23)で1社平均65万ページ、インクジェット方式は335万ページ(回答8)で1社平均28万ページ、ハイブリッド印刷は月間651万ページ(回答3)で1社平均217万ページとなる。
全デジタルと上位Gで出力ページ数の差異から推計すると、トナー出力は月間56万ページを32社で分け合っていることになり、1社平均1.75万ページ、インクジェット出力は月間2万ページを18社で分け合い1社平均1,111ページとなる。当然ながら印刷している品目の違いもあるが、デジタル印刷ビジネスを、すでに軌道に乗せている企業と、これからビジネス化していくところの違いは大きい。
印刷方式別のメディア形態
全デジタルは、カット紙の使用が84%に及ぶ(モノクロ37%、カラー47%)が、上位Gは78%(モノクロ37%、カラー41%)でカラーの少ない分の7ポイントがそのまま両者の差異となっている。トナー機においてもモノクロ出力は年々減少しており、カラー出力が増加している。この要因として、トナー機のカラー出力品質の向上が挙げられる。
トナー方式では、紙メディアが通常であるが、ウェットトナー機ではフィルムメディアへの出力も盛んに行われており、フィルムの回答が1割前後あった。
インクジェット方式のデジタル印刷機は高速の連帳機(輪転機)、ワイドフォーマットと呼ばれる大判出力機、厚みのあるパネルなどに印字できるフラットベッド機、シール・ラベル機など多彩な出力機が存在する。最も多い回答がモノクロとカラーのロール紙で合わせると43%で、続いて大判出力機(半裁以上)の25%であった。シール・ラベル用途も増えており、インクジェット方式の可能性が実機となり広がっていることがわかる。
インクジェット方式のメディアは、用紙が7割強、フィルム3割弱で全デジタルも上位Gも大差はない。
ハイブリッド方式では、100%紙メディアで、今後はグラビア印刷などフィルムメディア分野におけるハイブリッド印刷が行われることも予測される。
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デジタル印刷機の種類・保有台数
印刷方式別の保有社数については、全デジタルと上位Gは前回調査から両者ともにトナー機の比率は10ポイントほど減少している。一方、インクジェット機とハイブリッド印刷がその分、増加している。
月間に数万ページ程度を出力している全デジタルに属する中小印刷業にとって、利用しやすい中速高画質のトナータイプのカラー機が各社から投入されているが、大量印刷を可能にする輪転型の帳票機は高速、高画質のインクジェット機の開発が進み選択肢が増すなど、印刷企業にとってはニーズも合わせた機種選定が容易になってきたことが伺える。
デジタル印刷機の保有台数の合計は、全デジタルの回答からの推計で302台となり、1社平均は2.9台となる。内訳はトナー方式179台(59%)、インクジェット方式116台(39%)、ハイブリッド印刷7台(2%)となる。
上位Gは、それぞれ34社・124台、1社平均は3.6台であり、内訳はトナー方式79台(64%)、インクジェット方式40台(32%)、ハイブリッド印刷5台(4%)となっている。

【参考分析 大判インクジェット方式保有回答】
インクジェット方式のデジタル印刷機は大判(ワイドフォーマット)出力機と輪転方式に大別される。主な用途は、前者は屋外広告や店舗内バナー広告物などの商業印刷分野、後者はデータプリントなどフォーム印刷分野であり、印刷業界においても異なる業態でそれぞれ使用されている。さらにインクジェット方式は、シール・ラベル向けなども開発されているなど、様々な機種が登場している。今回のアンケートでは、設問を簡略化したことから、インクジェット方式を細部まで分けた設問となっていないため詳細な分析ができないことから、参考分析として、全デジタル回答から「インクジェット/大判」に回答した18件について概説している。
それによると大判印刷機以外にも、トナー方式やハイブリッド方式など各種のデジタル印刷機を設備している。印刷業界の企業では、大規模なサイン&ディスプレイ専業者のように数十台のワイドフォーマット機を設備しているところはあっても少数と考えられる。
印刷方式別の月間出力ページ数(A4換算)比較
全デジタルでは、トナー方式の出力ページ数(A4換算)は月間2,082万ページ(回答55)で1社平均37万ページ、インクジェット方式は月間337万ページ(回答26)で1社平均12万ページ、ハイブリッド印刷は651万ページ(回答3)で1社平均217万ページとなる。
上位Gでは、トナー方式の出力ページ数は月間2,026万ページ(回答23)で1社平均65万ページ、インクジェット方式は335万ページ(回答8)で1社平均28万ページ、ハイブリッド印刷は月間651万ページ(回答3)で1社平均217万ページとなる。
全デジタルと上位Gで出力ページ数の差異から推計すると、トナー出力は月間56万ページを32社で分け合っていることになり、1社平均1.75万ページ、インクジェット出力は月間2万ページを18社で分け合い1社平均1,111ページとなる。当然ながら印刷している品目の違いもあるが、デジタル印刷ビジネスを、すでに軌道に乗せている企業と、これからビジネス化していくところの違いは大きい。
印刷方式別のメディア形態
全デジタルは、カット紙の使用が84%に及ぶ(モノクロ37%、カラー47%)が、上位Gは78%(モノクロ37%、カラー41%)でカラーの少ない分の7ポイントがそのまま両者の差異となっている。トナー機においてもモノクロ出力は年々減少しており、カラー出力が増加している。この要因として、トナー機のカラー出力品質の向上が挙げられる。
トナー方式では、紙メディアが通常であるが、ウェットトナー機ではフィルムメディアへの出力も盛んに行われており、フィルムの回答が1割前後あった。
インクジェット方式のデジタル印刷機は高速の連帳機(輪転機)、ワイドフォーマットと呼ばれる大判出力機、厚みのあるパネルなどに印字できるフラットベッド機、シール・ラベル機など多彩な出力機が存在する。最も多い回答がモノクロとカラーのロール紙で合わせると43%で、続いて大判出力機(半裁以上)の25%であった。シール・ラベル用途も増えており、インクジェット方式の可能性が実機となり広がっていることがわかる。
インクジェット方式のメディアは、用紙が7割強、フィルム3割弱で全デジタルも上位Gも大差はない。
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