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ザイコンが提案する壁紙印刷ソリューション 〜 新たな市場創出に挑戦

ザイコンジャパン 山部 淳 社長に聞く

2016年3月25日マーケティングスペシャリスト

片面機による壁紙印刷ソリューションを提案

 ハイムテキスタイルでは、片面デジタル印刷機「Xeikon 3500」を出品し、会場で壁紙印刷の実演を披露した。しかし、欧州で壁紙印刷用として導入されているザイコンのデジタル印刷機のほとんどが両面機となっている。
 その理由としては、両面機と片面機のトナー定着方法の違いが挙げられる。両面機は、IRヒーターでトナーを溶解・定着させ、冷却する非接触方式となっている。しかし、片面機は、熱ローラーで直接、トナーを溶解・定着させる接触方式となる。この方式の違いが、印刷物にどのような影響を及ぼすかというと、非接触方式では、マット調の質感のある仕上がりになり、一方、接触方式では、グロス調の光沢感のある仕上がりとなる。壁紙の場合、やはり質感のあるものが好まれることから、現在は両面機が採用されている。
 しかし、非接触の両面機による壁紙印刷では、あまり印刷速度を上げることができない。そこでハイムテキスタイルでは、生産性の高い、片面機による壁紙印刷を提案した。
 会場では、「Xeikon 3500」にインラインでニスコーターを接続し、マットニスを施す実演を披露した。これにより両面機のようなマット調の仕上がりを実現するとともに、生産性も大幅に向上させることが可能となる。
日本からも多くの来場者を集めたザイコンブース
Xeikon 3500に多彩なインラインオプションを接続


IGAS2015を契機に日本での販売展開を加速

 昨年のIGAS2015では、日本限定モデル「Xeikon 3020」を会場で発表することができた。欧州のシール・ラベル業界では、片面機であるXeikon 3000シリーズの導入が進んでいるが、日本では、まだまだ普及していないのが現状である。
 その要因を改めて考えた時、日本市場で使われているフィニッシングラインのほとんどが、10インチ、つまり254ミリ仕様である。そこにザイコンの330ミリ仕様のデジタル印刷機を提案しても、無駄が生じることがある。
 そこで日本市場で主流のフィニッシングラインに合わせ、さらに価格帯を抑えたモデルとして開発されたのが、日本市場限定モデルの「Xeikon 3020」である。この印刷機は、既存の筐体に10インチ仕様の描画装置を搭載することで開発コストを抑え、導入しやすい価格を実現している。
 コスト面については、まだまだユーザーからの要望も多く頂いているが、品質に関しては、高い評価も得ている。このことから今後も、積極的に販売展開を行っていく方針である。
 IGAS2015では、「Xeikon 3500」を実機展示できたことは、大きな成果であった。来場者の中には、ザイコン製のデジタル印刷機を見たことがないという方も多く、そのためIGAS終了後も、有益な商談につなげることができた。

drupa2016では革新的な新技術・新製品を発表

 正式な発表は、これからとなるので、詳細をお伝えすることはできないが、今回のdrupaでは、パッケージやドキュメント印刷をメインとした展示となる。デジタル印刷機では、Xeikon 3000シリーズのほか、新たなトナー技術を採用した次世代デジタル印刷機「Trillium One(トリリアムワン)」を実機展示し、印刷実演を行う。さらに今回のdrupaでは、ザイコンブラントの打抜装置を提案するなど、新製品・新技術を発表していく。ぜひ、期待してもらいたい。
 去年11月よりザイコンは、フリントグループの一員に加わることとなった。M&Aというと日本では、あまり良いイメージがないことから、多くのユーザーに心配をかけたかもしれないが、基本的なスタンスは変わらず、これまで同様に業務を行っていく。
 また、フリントグループ傘下の日本法人とも情報共有を図るなどを実践し、これからも国内ユーザーにとって有益な製品・サービスを提供していく方針だ。

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片面機による壁紙印刷ソリューションを提案

 ハイムテキスタイルでは、片面デジタル印刷機「Xeikon 3500」を出品し、会場で壁紙印刷の実演を披露した。しかし、欧州で壁紙印刷用として導入されているザイコンのデジタル印刷機のほとんどが両面機となっている。
 その理由としては、両面機と片面機のトナー定着方法の違いが挙げられる。両面機は、IRヒーターでトナーを溶解・定着させ、冷却する非接触方式となっている。しかし、片面機は、熱ローラーで直接、トナーを溶解・定着させる接触方式となる。この方式の違いが、印刷物にどのような影響を及ぼすかというと、非接触方式では、マット調の質感のある仕上がりになり、一方、接触方式では、グロス調の光沢感のある仕上がりとなる。壁紙の場合、やはり質感のあるものが好まれることから、現在は両面機が採用されている。
 しかし、非接触の両面機による壁紙印刷では、あまり印刷速度を上げることができない。そこでハイムテキスタイルでは、生産性の高い、片面機による壁紙印刷を提案した。
 会場では、「Xeikon 3500」にインラインでニスコーターを接続し、マットニスを施す実演を披露した。これにより両面機のようなマット調の仕上がりを実現するとともに、生産性も大幅に向上させることが可能となる。
日本からも多くの来場者を集めたザイコンブース
Xeikon 3500に多彩なインラインオプションを接続


IGAS2015を契機に日本での販売展開を加速

 昨年のIGAS2015では、日本限定モデル「Xeikon 3020」を会場で発表することができた。欧州のシール・ラベル業界では、片面機であるXeikon 3000シリーズの導入が進んでいるが、日本では、まだまだ普及していないのが現状である。
 その要因を改めて考えた時、日本市場で使われているフィニッシングラインのほとんどが、10インチ、つまり254ミリ仕様である。そこにザイコンの330ミリ仕様のデジタル印刷機を提案しても、無駄が生じることがある。
 そこで日本市場で主流のフィニッシングラインに合わせ、さらに価格帯を抑えたモデルとして開発されたのが、日本市場限定モデルの「Xeikon 3020」である。この印刷機は、既存の筐体に10インチ仕様の描画装置を搭載することで開発コストを抑え、導入しやすい価格を実現している。
 コスト面については、まだまだユーザーからの要望も多く頂いているが、品質に関しては、高い評価も得ている。このことから今後も、積極的に販売展開を行っていく方針である。
 IGAS2015では、「Xeikon 3500」を実機展示できたことは、大きな成果であった。来場者の中には、ザイコン製のデジタル印刷機を見たことがないという方も多く、そのためIGAS終了後も、有益な商談につなげることができた。

drupa2016では革新的な新技術・新製品を発表

 正式な発表は、これからとなるので、詳細をお伝えすることはできないが、今回のdrupaでは、パッケージやドキュメント印刷をメインとした展示となる。デジタル印刷機では、Xeikon 3000シリーズのほか、新たなトナー技術を採用した次世代デジタル印刷機「Trillium One(トリリアムワン)」を実機展示し、印刷実演を行う。さらに今回のdrupaでは、ザイコンブラントの打抜装置を提案するなど、新製品・新技術を発表していく。ぜひ、期待してもらいたい。
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