富士ゼロックス、1パス6色機「Iridesse Production Press」で新市場創出
従来にない表現力を実現〜ワンランク上の付加価値を演出
2018年3月31日製品・テクノロジースペシャリスト
-
富士ゼロックス(株)(本社/東京都港区、栗原博社長)が昨年11月に発売した、プロダクションカラープリンティングのハイエンドプロ市場向けモデル「Iridesse Production Press(イリデッセ プロダクション プレス)」。ゼログラフィー(乾式電子写真方式)としては、業界初の1パス6色プリントエンジンを採用し、CMYKトナーに加え、ゴールドやシルバー、ホワイト、クリアの中から、最大で2色の特殊トナーを搭載できる同機は、従来のプロダクションプリンターを凌駕する多種多様な印刷表現力で、顧客企業の「新たな市場の創出」を支援していく。
「Iridesse」は、英語の「Iridescence」から造った新たな商品名で、光輝性の高いメタリックカラーをはじめとした、多彩かつ高品質の印刷表現の意味が込められている。その名が示すように「Iridesse Production Press」は、新開発の1パス6色プリントエンジンの採用により、CMYKトナーのほか、ゴールド、シルバー、クリア、ホワイトの特殊トナーから、最大で2色まで同時に搭載することができる。さらに、従来商品「Color 1000i Press」で採用したCMYKトナー層の上に特殊トナー層を重ねる「上刷り方式」に加え、ゼログラフィー方式の1パス6色プリントエンジンとしては業界で初めてCMYKトナー層の下に特殊トナーを置く「下刷り方式」を可能としている。これにより、オフセット印刷ではシルバーインキと調合してメタリックインキを作る必要のあった「メタリックカラー」を1パスで印刷することができる。
用紙は、52g/平米の薄紙から400g/平米までの幅広い用紙坪量に対応。生産性については、厚紙400g/平米でも毎分120ページ(A4ヨコ)のプリントを実現している。
オフセット印刷の課題をデジタル印刷で解決
同社・グラフィックコミュニケーションサービス事業本部開発統括第二商品開発部GPM(General Program Manager)の栗田知一氏は、「これまでもCMYKに加え、ゴールドやシルバー、クリアの特殊トナー1色を追加して出力することはできた。今回の1パス6色のエンジン構成では、ゴールドやシルバーといった単色ではなく、CMYK各色と組み合わせたメタリックカラーとして表現できるので、これまでにない新たなアプリケーションが提供できるようになる」と、同機の優位性について説明する。
同機は、メタリックカラーの色見本である「Pantone+Metallics Coated」「Pantone+Premium Metallics Coated」に対応した色を、色番号を指定することで印刷物上に確実に再現できるようにカラーライブラリーを標準で搭載。これにより色番号を指定してデザインすることで、手軽にPantone社のメタリックカラーに近い色を印刷物上で再現することができる。
また、オフセット印刷が苦手とする領域をデジタル印刷技術でサポートすることも同機の特徴といえる。
「オフセット印刷で小ロットのメタリックカラーの仕事を手がけるお客様からよく聞くのは、『小ロットでもメタリックカラーを使うことは可能だが、現実問題として十分な収益を確保できる価格で受注することは非常に難しい』、ということ。しかし、Iridesseでは、メタリックカラー印刷のためのインキ調合などの工程上の作業負荷が大幅に軽減され、また小ロットでも問題なく対応できることから、これまでなら実現し得なかったようなメタリックカラー印刷のジョブも受注できる」(栗田氏)重要なのはメタリックカラーを活かすデザイン
同社では、これらメタリックカラーによる多彩な印刷表現を実際のデザインの中で活用したサンプルブックを作成している。このサンプルブックは、表ページに様々なデザインで出力したメタリックカラー印刷を施し、裏ページは、そのトナー構成を解説する内容となっている。
このサンプルブックの狙いについて同社・グラフィックコミュニケーションサービス事業本部マーケティング部プロダクトマーケティンググループ チーム長の燕博也氏は「実際の印刷サンプルを見てもらうことで、その表現力を確認してもらうこと。もう1つは、メタリックの重ね方によって、多様な表現が実現できることを知ってもらうこと。例えば、下刷りしたシルバーの濃度によっても、見せ方を変えることができる。この『見せ方テクニック』こそが、Iridesseの機能を最大限に活用する上でのポイントになってくる」と説明する。
実際に、このサンプルブックを見たユーザーからは、メタリックカラーが生きるデザインを教えてほしい、との要望が多く寄せられているという。そのため同社では、メタリックカラーを使用したデザインワークに関するガイドブックを作成し、デザインとメタリックカラーを融合することよって実現する高付加価値表現をサポートする活動も開始している。
「デザインをより魅力的にするメタリックカラー、メタリックカラーを活かすデザイン。この2つが交わることで相乗効果が生まれ、結果として、これまでにない新しい印刷表現が生まれるはず」(燕氏)
新着トピックス
奥村印刷、新たな価値を紙に付加〜「折り紙食器 beak」でIPA2024に入賞
2024年11月20日企業・経営
奥村印刷(株)(本社/東京都北区、奥村文泰社長)は、2024年度の「Innovation Print Awards(以下、IPA)」において、「サステナビリティ部門」第1位を獲得した...全文を読む
富士フイルム、TOKYO PACKでブランドオーナーにデジタル印刷活用促す
2024年11月15日マーケティング
「もっと自由にパッケージ・オンデマンド」─富士フイルムグループは、10月23日から開催された「TOKYO PACK 2024(東京国際包装展)」において、富士フイルムが独自開発した幅...全文を読む
最新ニュース
日本HP、KADOKAWA「出版製造流通DXプロジェクト」を支援
2025年1月21日
(株)日本HP(本社/東京都港区、岡戸伸樹社長)は1月16日、(株)KADOKAWA(本社/東京都千代田区、夏野剛社長・CEO)の運営する埼玉県所沢市の大型文化複合施設「ところざわサ...全文を読む
2025年1月20日
ローランド ディー.ジー.(株)は、大判インクジェットプリンターTrueVISシリーズ「LG-640/540/300」と、DGXPRESSシリーズの「UG-642」で使用できる拡張テ...全文を読む
swissQprint、第5世代フラットベッド新モデル-生産性23%向上
2025年1月14日
swissQprintは、プラットフォームを全面的に刷新し、生産性、精度、アプリケーションの多用途性を新たなレベルへと引き上げたフラットベッド新世代モデルを発表した。新モデルは従来機...全文を読む
富士ゼロックス、1パス6色機「Iridesse Production Press」で新市場創出
従来にない表現力を実現〜ワンランク上の付加価値を演出
2018年3月31日製品・テクノロジースペシャリスト
富士ゼロックス(株)(本社/東京都港区、栗原博社長)が昨年11月に発売した、プロダクションカラープリンティングのハイエンドプロ市場向けモデル「Iridesse Production Press(イリデッセ プロダクション プレス)」。ゼログラフィー(乾式電子写真方式)としては、業界初の1パス6色プリントエンジンを採用し、CMYKトナーに加え、ゴールドやシルバー、ホワイト、クリアの中から、最大で2色の特殊トナーを搭載できる同機は、従来のプロダクションプリンターを凌駕する多種多様な印刷表現力で、顧客企業の「新たな市場の創出」を支援していく。
「Iridesse」は、英語の「Iridescence」から造った新たな商品名で、光輝性の高いメタリックカラーをはじめとした、多彩かつ高品質の印刷表現の意味が込められている。その名が示すように「Iridesse Production Press」は、新開発の1パス6色プリントエンジンの採用により、CMYKトナーのほか、ゴールド、シルバー、クリア、ホワイトの特殊トナーから、最大で2色まで同時に搭載することができる。さらに、従来商品「Color 1000i Press」で採用したCMYKトナー層の上に特殊トナー層を重ねる「上刷り方式」に加え、ゼログラフィー方式の1パス6色プリントエンジンとしては業界で初めてCMYKトナー層の下に特殊トナーを置く「下刷り方式」を可能としている。これにより、オフセット印刷ではシルバーインキと調合してメタリックインキを作る必要のあった「メタリックカラー」を1パスで印刷することができる。
用紙は、52g/平米の薄紙から400g/平米までの幅広い用紙坪量に対応。生産性については、厚紙400g/平米でも毎分120ページ(A4ヨコ)のプリントを実現している。
オフセット印刷の課題をデジタル印刷で解決
同社・グラフィックコミュニケーションサービス事業本部開発統括第二商品開発部GPM(General Program Manager)の栗田知一氏は、「これまでもCMYKに加え、ゴールドやシルバー、クリアの特殊トナー1色を追加して出力することはできた。今回の1パス6色のエンジン構成では、ゴールドやシルバーといった単色ではなく、CMYK各色と組み合わせたメタリックカラーとして表現できるので、これまでにない新たなアプリケーションが提供できるようになる」と、同機の優位性について説明する。
同機は、メタリックカラーの色見本である「Pantone+Metallics Coated」「Pantone+Premium Metallics Coated」に対応した色を、色番号を指定することで印刷物上に確実に再現できるようにカラーライブラリーを標準で搭載。これにより色番号を指定してデザインすることで、手軽にPantone社のメタリックカラーに近い色を印刷物上で再現することができる。
また、オフセット印刷が苦手とする領域をデジタル印刷技術でサポートすることも同機の特徴といえる。
「オフセット印刷で小ロットのメタリックカラーの仕事を手がけるお客様からよく聞くのは、『小ロットでもメタリックカラーを使うことは可能だが、現実問題として十分な収益を確保できる価格で受注することは非常に難しい』、ということ。しかし、Iridesseでは、メタリックカラー印刷のためのインキ調合などの工程上の作業負荷が大幅に軽減され、また小ロットでも問題なく対応できることから、これまでなら実現し得なかったようなメタリックカラー印刷のジョブも受注できる」(栗田氏)
重要なのはメタリックカラーを活かすデザイン
同社では、これらメタリックカラーによる多彩な印刷表現を実際のデザインの中で活用したサンプルブックを作成している。このサンプルブックは、表ページに様々なデザインで出力したメタリックカラー印刷を施し、裏ページは、そのトナー構成を解説する内容となっている。
このサンプルブックの狙いについて同社・グラフィックコミュニケーションサービス事業本部マーケティング部プロダクトマーケティンググループ チーム長の燕博也氏は「実際の印刷サンプルを見てもらうことで、その表現力を確認してもらうこと。もう1つは、メタリックの重ね方によって、多様な表現が実現できることを知ってもらうこと。例えば、下刷りしたシルバーの濃度によっても、見せ方を変えることができる。この『見せ方テクニック』こそが、Iridesseの機能を最大限に活用する上でのポイントになってくる」と説明する。
実際に、このサンプルブックを見たユーザーからは、メタリックカラーが生きるデザインを教えてほしい、との要望が多く寄せられているという。そのため同社では、メタリックカラーを使用したデザインワークに関するガイドブックを作成し、デザインとメタリックカラーを融合することよって実現する高付加価値表現をサポートする活動も開始している。
「デザインをより魅力的にするメタリックカラー、メタリックカラーを活かすデザイン。この2つが交わることで相乗効果が生まれ、結果として、これまでにない新しい印刷表現が生まれるはず」(燕氏)
新着トピックス
-
FFGS、潜在ニーズ発見と技術検証の場として機能[Solution Design Lab.]
2024年12月23日 企業・経営
-
竹田印刷、多様な個性をかたちに〜アール・ブリュット作品を世界に発信
2024年12月6日 企業・経営
-
奥村印刷、新たな価値を紙に付加〜「折り紙食器 beak」でIPA2024に入賞
2024年11月20日 企業・経営
-
富士フイルム、TOKYO PACKでブランドオーナーにデジタル印刷活用促す
2024年11月15日 マーケティング
-
価値協創で新たな潮流|エイエイピー、Jet Press 750Sが新たなステージへ
2024年11月13日 企業・経営
新着ニュース
SNSランキング
- 41sharesローランドDG、UVプリンターが紙器パッケージ製作に対応
- 39sharesSCREEN、Hunkeler Innovationdaysでインクジェットと後加工機の連携披露
- 39sharesミマキ、印刷脱色技術実用化でタペストリーのアップサイクル実現
- 38sharesKOMORI、241名が来場した新春特別内覧会のデモ動画(Impremia IS29s」公開
- 36sharesエプソン、使いやすさと安定稼働を両立したエプソン初のDTF専用プリンター発売
- 33sharesFFGS、潜在ニーズ発見と技術検証の場として機能[Solution Design Lab.]
- 29sharesKOMORI、インクジェット印刷機とデジタル加飾機の連携披露
- 25shares富士フイルムBI、デジタル印刷作品のコンテスト「IPA」の作品募集開始
- 25sharesSCREEN GA、高速連帳IJの次世代モデル「Truepress JET 520NX AD」発売
- 25shares富士フイルムBI、1パス5色印刷を可能にしたミドルレンジモデルを発売