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富士ゼロックス、1パス6色機「Iridesse Production Press」で新市場創出

従来にない表現力を実現〜ワンランク上の付加価値を演出

2018年3月31日製品・テクノロジースペシャリスト

こだわったのは角度によって変化するメタリックカラー表現

 デバイスだけの提供では、新たな価値を創造することはできない。つまりメタリックカラーという機能を有していても、それを活かすデザインがなければ、真の価値を提供することはできない。そのため同社では、印刷の前段階、つまりデザインという上流からの支援を行うことで、顧客をサポートしていく方針だ。
 「従来は、メーカー視点に立った、自社の技術をアピールするためのサンプル作成を行っていたが、今回のIridesseでは、社内デザイナーにサンプル作成のメンバーに入ってもらっている。開発担当者とデザイナーが緊密に意見交換を行いながらサンプル作成を行うことで、これまでにないアイディアが生まれる」(燕氏)
 このサンプル作成には、最終的にユーザーにも加わってもらい、用紙選定やデザインや印刷表現のブラッシュアップを行っている。企画段階からデザイナーや顧客の様々な意見を汲み取り、開発を行う。ここに同機による「新たな市場の創出」への想いが込められている。
 また、同社がメタリックカラー表現としてこだわったのが、これまでにない「キラキラ感」だ。
 4色印刷物は、上、あるいは正面から見るのが普通だが、メタリックカラーなどは、角度を変え、斜めから見て、光の反射、などによって変化する見え方を確認する。これが「キラキラ感」であり、同機では、この表現による画像形成できる技術を搭載している。また、特殊トナーだけでなく、CMYKトナーについても世界最小クラスを誇るSuper EA Ecoトナーを新たに採用。高生産性と高画質、用紙汎用性を保ちながら、6層のトナーを用紙に定着させることを実現し、さらに光輝性を向上させたゴールド、シルバーなど、種類の異なるトナーを低温定着可能にしたことで、全色ムラのない高精細な出力が可能となる。

新たにホワイトトナーが搭載可能に

 今年1月、同機に搭載できる新たな特殊トナーとして、ホワイトトナーをラインアップに追加。これにより、濃色紙などの特徴ある用紙に映える白色度の高いホワイトを印刷できるほか、ホワイトトナーの下刷りによって、用紙の色に左右されないCMYKの発色を引き出すことが可能となる。
 「今回、発売を開始したホワイトトナーを下刷りし、その上からカラー印刷を行うことができるので、濃色系の用紙に対しても、高精細なカラー印刷を行うことが可能となる。もちろんホワイトトナー単体でも印刷できるので、白をアピールしたいデザインにも活用できる」(栗田氏)
 さらにホワイトトナーを2回刷ることで、ホワイト200%という、より迫力のある濃厚な「白」を演出する印刷表現も可能。これも1パス6色エンジンならではの強みと言える。
 また、これら特殊トナーは、これまで同社のエンジニアによる交換が行われていたが、同機では、導入したユーザー自身が短時間で交換を行うための技術指導サービスを開始している。これにより、ユーザーは、印刷仕様に応じて自由に特殊トナーを選択・搭載することができる。
 また、ホワイトトナーが搭載可能となったことで同社では、フィルム系基材への印刷対応も現在、検討している。
「今後は、さらなる技術検証を行い、多種多様なメディアに対応できるようにしていく」(燕氏)
ホワイトトナーを下刷りした熊(左)と4色印刷の熊
ホワイト+クリアで出力

印刷ビジネス拡大へのさらなる貢献を

 今年3月には、長尺プリント機能をオプションとして正式に発売を開始。これにより長さ488mmを超える長尺用紙への対応が可能となり、ポスターやブックカバーなど新たなアプリケーションやビジネスの可能性が広がることとなる。
「Iridesseは、お客様とともに創り上げていくことを念頭に置いて開発を進めてきた。長尺プリント機能についても、POPやパッケージといった従来から想定されている用途にとどまることなく、新たなアプリケーションの開発にこれからも、お客様とともに取り組んでいく。メディア汎用性や特殊トナー種の拡大に関して、継続してお客様との研究を進めていく」(栗田氏)
 「お客様と対話をしながら創造する」、上流から下流まで、顧客のビジネスを一貫して支援していくことを使命とする同社では、今後もIridesseを通じて、多種多様な表現の可能性を広げ、印刷コミュニケーションの高付加価値化と新たな市場の創出によるビジネス拡大へのさらなる貢献を目指していく。
 今後もデジタルPOD機の可能性をさらに広げ、業界を盛り上げて行くことを期待したい。

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こだわったのは角度によって変化するメタリックカラー表現

 デバイスだけの提供では、新たな価値を創造することはできない。つまりメタリックカラーという機能を有していても、それを活かすデザインがなければ、真の価値を提供することはできない。そのため同社では、印刷の前段階、つまりデザインという上流からの支援を行うことで、顧客をサポートしていく方針だ。
 「従来は、メーカー視点に立った、自社の技術をアピールするためのサンプル作成を行っていたが、今回のIridesseでは、社内デザイナーにサンプル作成のメンバーに入ってもらっている。開発担当者とデザイナーが緊密に意見交換を行いながらサンプル作成を行うことで、これまでにないアイディアが生まれる」(燕氏)
 このサンプル作成には、最終的にユーザーにも加わってもらい、用紙選定やデザインや印刷表現のブラッシュアップを行っている。企画段階からデザイナーや顧客の様々な意見を汲み取り、開発を行う。ここに同機による「新たな市場の創出」への想いが込められている。
 また、同社がメタリックカラー表現としてこだわったのが、これまでにない「キラキラ感」だ。
 4色印刷物は、上、あるいは正面から見るのが普通だが、メタリックカラーなどは、角度を変え、斜めから見て、光の反射、などによって変化する見え方を確認する。これが「キラキラ感」であり、同機では、この表現による画像形成できる技術を搭載している。また、特殊トナーだけでなく、CMYKトナーについても世界最小クラスを誇るSuper EA Ecoトナーを新たに採用。高生産性と高画質、用紙汎用性を保ちながら、6層のトナーを用紙に定着させることを実現し、さらに光輝性を向上させたゴールド、シルバーなど、種類の異なるトナーを低温定着可能にしたことで、全色ムラのない高精細な出力が可能となる。

新たにホワイトトナーが搭載可能に

 今年1月、同機に搭載できる新たな特殊トナーとして、ホワイトトナーをラインアップに追加。これにより、濃色紙などの特徴ある用紙に映える白色度の高いホワイトを印刷できるほか、ホワイトトナーの下刷りによって、用紙の色に左右されないCMYKの発色を引き出すことが可能となる。
 「今回、発売を開始したホワイトトナーを下刷りし、その上からカラー印刷を行うことができるので、濃色系の用紙に対しても、高精細なカラー印刷を行うことが可能となる。もちろんホワイトトナー単体でも印刷できるので、白をアピールしたいデザインにも活用できる」(栗田氏)
 さらにホワイトトナーを2回刷ることで、ホワイト200%という、より迫力のある濃厚な「白」を演出する印刷表現も可能。これも1パス6色エンジンならではの強みと言える。
 また、これら特殊トナーは、これまで同社のエンジニアによる交換が行われていたが、同機では、導入したユーザー自身が短時間で交換を行うための技術指導サービスを開始している。これにより、ユーザーは、印刷仕様に応じて自由に特殊トナーを選択・搭載することができる。
 また、ホワイトトナーが搭載可能となったことで同社では、フィルム系基材への印刷対応も現在、検討している。
「今後は、さらなる技術検証を行い、多種多様なメディアに対応できるようにしていく」(燕氏)
ホワイトトナーを下刷りした熊(左)と4色印刷の熊
ホワイト+クリアで出力

印刷ビジネス拡大へのさらなる貢献を

 今年3月には、長尺プリント機能をオプションとして正式に発売を開始。これにより長さ488mmを超える長尺用紙への対応が可能となり、ポスターやブックカバーなど新たなアプリケーションやビジネスの可能性が広がることとなる。
「Iridesseは、お客様とともに創り上げていくことを念頭に置いて開発を進めてきた。長尺プリント機能についても、POPやパッケージといった従来から想定されている用途にとどまることなく、新たなアプリケーションの開発にこれからも、お客様とともに取り組んでいく。メディア汎用性や特殊トナー種の拡大に関して、継続してお客様との研究を進めていく」(栗田氏)
 「お客様と対話をしながら創造する」、上流から下流まで、顧客のビジネスを一貫して支援していくことを使命とする同社では、今後もIridesseを通じて、多種多様な表現の可能性を広げ、印刷コミュニケーションの高付加価値化と新たな市場の創出によるビジネス拡大へのさらなる貢献を目指していく。
 今後もデジタルPOD機の可能性をさらに広げ、業界を盛り上げて行くことを期待したい。

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