インクジェットの技術革新は日進月歩。印刷会社が検討すべきことは「投資すべきか否か」ではなく「いつ投資すべきか」であろう。当記事は、インクジェットを導入したユーザーに焦点を当てている。儲かるようになるための欠かせない戦略とは何かについて聞いた。
・InfoTrendsは、2020年にデジタルカラーの生産インプレッション数が8,950億になると予想している。その内60%がインクジェットになるだろう。
・インクジェットプレスをただ導入しただけでは儲からない。持続的に成長する事業を築くには、戦略的計画を立てる必要があろう。
・インクジェットが本領を発揮するには、付加価値の高いパーソナライゼーション、ショートラン、バージョニングを安価に提供するなど、従来の印刷技術ができないアプリケーションを狙わなくてはならない。
枚葉もロール給紙もインクジェットの技術革新は日進月歩だ。新しいインク、紙、さらには一連のアプリケーションが、あらゆる規模の印刷会社の注目を集めている。技術がこれほど進化すると、検討すべきことは「投資すべきか否か」ではなく「いつ投資すべきか」であろう。印刷会社は、投資の見返りを最大限引き出すための戦略を探っている。最近、私はインクジェット技術を導入したユーザー数社をインタビューし、儲かるまでのスピードを加速させるのに欠かせない戦略は何かを聞く機会があった。
その内容は、インクジェットの現状と展望、市場にどのような影響を与えそうなのか、会社にどのように利益をもたらしているかなどである。ユーザーのほとんどが、高速インクジェットがカラー印刷に変革をもたらしていると実感しているようだ。インクジェットは、デジタル印刷が得意とするパーソナライゼーション、電子丁合、ジャストインタイム製造、ワークフローオートメーション、高速かつ高生産性などに加え、大量のショートラン、パーソナルアプリケーションなど、すべてを安価に提供する。プロセス、インク、ヘッド、コーティング、紙の革新により、色の安定性、信頼性、生産性、品質などが改善されつつあり、DM、販促資料、書籍、出版物など新たなビジネスチャンスを限りなく創りだしているのだ。
インクジェットによる印刷はますます増えていく
InfoTrendsは、毎年デジタルプリンタの生産インプレッション数を予測している。2015年のデジタルプリンタによる生産ボリュームは全世界で約4,540億インプレッションであった。それが、2020年になると8,950億インプレッションに迫ると見込んでいる。その内60%がインクジェットとなろう。トナー系のカットシートデジタルカラーも順調に伸びていくが、インクジェットが急成長していく理由は、ロール給紙技術の継続的進展、カットシートインクジェット技術の開発、新しいアプリケーションの創出、カスタムコミュニケーションの利用拡大、さらには、高速化、用紙、品質、コストの改善によるオフセット印刷からデジタルカラー印刷への移行が貢献しているからだ。
インクジェットビジネスで成功するには
インクジェットの生産量は急速に増えていくだろうが、単純にプレスを購入すれば良いというわけではない。持続的に成長していくプリントビジネスを創り出すには戦略的計画が必要だ。インクジェットで成功しているユーザーには、いくつかの共通点がある。
新着トピックス
-
ケーススタディ リンクス、スキルレスで人材確保、育成期間短縮[JetPress750S導入事例]
-
製品・テクノロジー コニカミノルタジャパン、AccurioDays2025で新たなフラッグシップモデルを公開
大村印刷、特殊トナーと用紙対応力で小ロット・高付加価値ニーズに対応
2025年5月8日ケーススタディ
山口県を拠点に、印刷を中心とした情報ソリューション事業を展開する大村印刷(株)(本社/山口県防府市西仁井令1-21-55、河内和明社長)は2022年2月、富士フイルムのプロダクション...全文を読む
ディーエムソリューションズ、最高毎時4万5,000通を達成[KODAK PROSPER S5導入事例]
2025年3月25日ケーススタディ
ディーエムソリューションズ(株)(本社/東京都武蔵野市御殿山1-1-3 クリスタルパークビル2F、花矢卓司社長)は、KODAK PROSPER S5インプリンティングシステムを導入後...全文を読む
最新ニュース
パラシュート、スマホで偽造品識別が可能なデジタル暗号化技術サービスの提供開始
2025年7月1日
パラシュート(株)(東京都世田谷区、兵藤伊織社長)は2025年7月1日から、SaaSプラットフォームをベースとしたデジタル暗号化技術サービス(DET Service)の提供を開始した...全文を読む
PODi、「Labelexpo Europe 2025」視察ツアーの参加者募集開始
2025年6月25日
(一社)PODi(荒井純一代表理事)は、ラベル・パッケージ業界の世界最大級の展示会「Labelexpo Europe 2025」視察ツアーの参加者募集を開始した。 LABELEXP...全文を読む
コニカミノルタジャパン、機能強化モデル「AccurioPress C7100 ENHANCED」発売
2025年6月25日
コニカミノルタジャパン(株)(本社/東京都港区、一條啓介社長)は、高画質及び多彩な用紙への対応力と、自動品質最適化ユニットで評価を得ているデジタル印刷システム「AccurioPres...全文を読む
インクジェットで儲かるようになるには
2018年8月16日企業・経営スペシャリスト

一般社団法人PODi
1996年に米国で誕生した世界最大のデジタル印刷推進団体。印刷会社800社、ベンダー50社以上が参加し、デジタル印刷を活用した成功事例をはじめ、多くの情報を会員向けに公開している。また、WhatTheyThinkをはじめDMAなどの海外の団体と提携し、その主要なニュースを日本語版で配信している。
インクジェットの技術革新は日進月歩。印刷会社が検討すべきことは「投資すべきか否か」ではなく「いつ投資すべきか」であろう。当記事は、インクジェットを導入したユーザーに焦点を当てている。儲かるようになるための欠かせない戦略とは何かについて聞いた。
・InfoTrendsは、2020年にデジタルカラーの生産インプレッション数が8,950億になると予想している。その内60%がインクジェットになるだろう。
・インクジェットプレスをただ導入しただけでは儲からない。持続的に成長する事業を築くには、戦略的計画を立てる必要があろう。
・インクジェットが本領を発揮するには、付加価値の高いパーソナライゼーション、ショートラン、バージョニングを安価に提供するなど、従来の印刷技術ができないアプリケーションを狙わなくてはならない。
枚葉もロール給紙もインクジェットの技術革新は日進月歩だ。新しいインク、紙、さらには一連のアプリケーションが、あらゆる規模の印刷会社の注目を集めている。技術がこれほど進化すると、検討すべきことは「投資すべきか否か」ではなく「いつ投資すべきか」であろう。印刷会社は、投資の見返りを最大限引き出すための戦略を探っている。最近、私はインクジェット技術を導入したユーザー数社をインタビューし、儲かるまでのスピードを加速させるのに欠かせない戦略は何かを聞く機会があった。
その内容は、インクジェットの現状と展望、市場にどのような影響を与えそうなのか、会社にどのように利益をもたらしているかなどである。ユーザーのほとんどが、高速インクジェットがカラー印刷に変革をもたらしていると実感しているようだ。インクジェットは、デジタル印刷が得意とするパーソナライゼーション、電子丁合、ジャストインタイム製造、ワークフローオートメーション、高速かつ高生産性などに加え、大量のショートラン、パーソナルアプリケーションなど、すべてを安価に提供する。プロセス、インク、ヘッド、コーティング、紙の革新により、色の安定性、信頼性、生産性、品質などが改善されつつあり、DM、販促資料、書籍、出版物など新たなビジネスチャンスを限りなく創りだしているのだ。
インクジェットによる印刷はますます増えていく
InfoTrendsは、毎年デジタルプリンタの生産インプレッション数を予測している。2015年のデジタルプリンタによる生産ボリュームは全世界で約4,540億インプレッションであった。それが、2020年になると8,950億インプレッションに迫ると見込んでいる。その内60%がインクジェットとなろう。トナー系のカットシートデジタルカラーも順調に伸びていくが、インクジェットが急成長していく理由は、ロール給紙技術の継続的進展、カットシートインクジェット技術の開発、新しいアプリケーションの創出、カスタムコミュニケーションの利用拡大、さらには、高速化、用紙、品質、コストの改善によるオフセット印刷からデジタルカラー印刷への移行が貢献しているからだ。
インクジェットビジネスで成功するには
インクジェットの生産量は急速に増えていくだろうが、単純にプレスを購入すれば良いというわけではない。持続的に成長していくプリントビジネスを創り出すには戦略的計画が必要だ。インクジェットで成功しているユーザーには、いくつかの共通点がある。
新着トピックス
-
リンクス、スキルレスで人材確保、育成期間短縮[JetPress750S導入事例]
2025年6月27日 ケーススタディ
-
コニカミノルタジャパン、AccurioDays2025で新たなフラッグシップモデルを公開
2025年6月4日 製品・テクノロジー
-
大村印刷、特殊トナーと用紙対応力で小ロット・高付加価値ニーズに対応
2025年5月8日 ケーススタディ
-
ディーエムソリューションズ、最高毎時4万5,000通を達成[KODAK PROSPER S5導入事例]
2025年3月25日 ケーススタディ
-
FFGS、新Revoria Press登場で、柔軟な「最適生産」可能に
2025年3月25日 スペシャリスト
新着ニュース
-
パラシュート、スマホで偽造品識別が可能なデジタル暗号化技術サービスの提供開始
2025年7月1日 ニュース
-
PODi、「Labelexpo Europe 2025」視察ツアーの参加者募集開始
2025年6月25日 ニュース
-
コニカミノルタジャパン、機能強化モデル「AccurioPress C7100 ENHANCED」発売
2025年6月25日 ニュース
-
エプソン、立体物への直接印刷を可能にする「Direct to Shape Printing System」発表
2025年6月25日 ニュース
-
パラシュート、次世代型MIS「PNS」にメーカーワークフローソフトウェア連携機能を追加
2025年6月11日 ニュース
SNSランキング
- 63sharesミマキ、330シリーズとエコ溶剤インクが3M MCS保証認定
- 43sharesパラシュート、スマホで偽造品識別が可能なデジタル暗号化技術サービスの提供開始
- 41sharesローランドDG、UVプリンターが紙器パッケージ製作に対応
- 39sharesSCREEN、Hunkeler Innovationdaysでインクジェットと後加工機の連携披露
- 38sharesKOMORI、241名が来場した新春特別内覧会のデモ動画(Impremia IS29s」公開
- 36sharesエプソン、使いやすさと安定稼働を両立したエプソン初のDTF専用プリンター発売
- 29sharesKOMORI、インクジェット印刷機とデジタル加飾機の連携披露
- 27shares日印機工とプリデジ協、IGAS2027の日程決定-2027年8月に東京ビッグサイトで開催
- 27sharesリコー、企業内・商用印刷の幅広いニーズに対応するカラー機の新機種発売
- 26sharesエプソン、立体物への直接印刷を可能にする「Direct to Shape Printing System」発表
おすすめコンテンツ
竹田印刷、多様な個性をかたちに〜アール・ブリュット作品を世界に発信
奥村印刷、新たな価値を紙に付加〜「折り紙食器 beak」でIPA2024に入賞
富士フイルム、TOKYO PACKでブランドオーナーにデジタル印刷活用促す