適切なアプリケーションミックス
プロダクションインクジェットを成功させるには、それに合ったアプリケーションが必要。InfoTrendsは毎年デジタル印刷でどのアプリケーションが成長していくかを予測している。全体では2020年までに米国のデジタルプリントボリュームは毎年4%成長していくだろう。だが、それより速く成長していくアプリケーションもある。一番成長が高いのが書籍だ。その他にDM、雑誌、カタログ、ブロシュアなどの成長も著しい。これらの印刷物をすでに取り扱っているとしたら、インクジェットに切り替えるべき時期がきているといえよう。

Liturgical Pubulication社が提供しているアプリケーションがインクジェット活用のピッタリな候補だといえるだろう。同社は、カトリック教会にニュースレターや会報などの印刷を提供している。ウィスコンシン州のNew Berlinに本社を置き、Cleveland、Denver、Hartford、そしてOrlando生産拠点があり、全国の従業員数は400人以上だ。長年、4,100箇所のカトリック教会に従来の手法で毎週2,800万ページの日曜教会の会報を印刷してきた。
Liturgical社は、2014年10月に最初のインクジェットプレスを導入する前に1年半かけて入念な調査を行ったという。今は、インジェットプレスは5台となり、生産量100%がデジタルとなっている。ひとつの工場では、7台のオフセット機を2台のインクジェットに切り替え、キャパはまだ余裕があるという。1人のオペレータが2台のデジタルプレスを動かせるので、人員削減にもつながった。週末が近づくと逼迫していた生産もかなり軽減されるようになり、ヤレも減少、お客様は印刷品質に満足しているという。
付加価値サービス:データを中核に添えて全面にだす
インクジェットが本領を発揮するには、従来の印刷技術ができないアプリケーションに取り組まなくてはならない。例えば、付加価値の高いパーソナライゼーション、ショートラン、バージョニングなどを安価に提供することである。印刷会社がこれらのビジネスを取り込むにはデータにまつわるノウハウが必要だ。顧客の分析と知見がカスタマーエンゲージメントの起点となり、関連性の高い、パーソナライズされた、データ主導のコンテンツの構成に繋がっていく。印刷会社は、印刷だけでなくデジタルコミュニケーションなど複数のチャネルを通じてコンテンツを提供する体制を整えないといけないだろう。顧客のレスポンスを測定したものを企業のデータベースにフィードバックし、カスタマージャーニーにおけるコミュニケーションサイクルの次のインタラクションを行う一助としなくてはならない。
DMを提供するInnovairre Communications社の社長兼最高成長責任者(CGO)Don McKenzie氏は、新たなフロンティアに進むべき時がきたという。「インクジェット技術が成熟した今、注目すべきことはデータの高度な活用とマルチチャネルへの対応だろう。弊社では、パートナー企業と組んで、機械学習モデルや予想・処方的分析が、コミュニケーション、パーソナライゼーション、ターゲティング、そして最終的にはどのような影響や結果をもたらすかテストしている。これらのソリューションを展開するには、インクジェット技術が必要である」
揺ぎないビジネスモデル
プロダクションインクジェットは導入すれば商売につながるというものではない。堅実なビジネス計画がその背後にないといけないからだ。成功しているユーザーは、慎重にビジネスチャンスを検討し、投資に見合うボリュームがあるかを確認してからインクジェットプリンタを購入している。想定されるビジネスチャンスは以下の通り。
・オフセット輪転で印刷していたショートランジョブの切り替え
・刷り置き台紙とモノクロ追い刷りの置き換え
・カットシートのモノクロ・カラープリンタへの滲みだし
・カットシートで行っていた大ロットのバリアブルデータのインクジェット化
・ロール給紙のモノクロトナープリンタからの切り替え
・新しいアプリケーション
保育園の試験問題
選挙投票用紙
非営利団体のDMキャンペーン
請求書や明細書に関連した新たなサービス
設備投資を検討するときに考慮すべき項目のひとつとしてコスト削減があるとInnovairre社の McKenzie社長は言う。同社は、デジタル化することによるワークフローの白紙化により、以下のメリットを享受できたという。
・白紙化により刷り置き台紙とトナー印刷のツーステップをワンステップ化
・版替えがなくなった
・労務費の削減
・刷り置き台紙の印刷と保管がなくなる
・ヤレの削減
・カード、レター、ラベルなど幅広い材質に対応
・郵便番号仕訳による郵便料金削減
・ワークフローの完全デジタル化
インクジェットプレスを購入する前の最後の段階で、実際印刷されたアプリケーションを顧客に見せて、受け入れられるか聞くことも重要だろう。 顧客が問題なく受け入れれば、安心して設備に投資できる。
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インクジェットで儲かるようになるには
2018年8月16日企業・経営スペシャリスト

一般社団法人PODi
1996年に米国で誕生した世界最大のデジタル印刷推進団体。印刷会社800社、ベンダー50社以上が参加し、デジタル印刷を活用した成功事例をはじめ、多くの情報を会員向けに公開している。また、WhatTheyThinkをはじめDMAなどの海外の団体と提携し、その主要なニュースを日本語版で配信している。
適切なアプリケーションミックス
プロダクションインクジェットを成功させるには、それに合ったアプリケーションが必要。InfoTrendsは毎年デジタル印刷でどのアプリケーションが成長していくかを予測している。全体では2020年までに米国のデジタルプリントボリュームは毎年4%成長していくだろう。だが、それより速く成長していくアプリケーションもある。一番成長が高いのが書籍だ。その他にDM、雑誌、カタログ、ブロシュアなどの成長も著しい。これらの印刷物をすでに取り扱っているとしたら、インクジェットに切り替えるべき時期がきているといえよう。

Liturgical Pubulication社が提供しているアプリケーションがインクジェット活用のピッタリな候補だといえるだろう。同社は、カトリック教会にニュースレターや会報などの印刷を提供している。ウィスコンシン州のNew Berlinに本社を置き、Cleveland、Denver、Hartford、そしてOrlando生産拠点があり、全国の従業員数は400人以上だ。長年、4,100箇所のカトリック教会に従来の手法で毎週2,800万ページの日曜教会の会報を印刷してきた。
Liturgical社は、2014年10月に最初のインクジェットプレスを導入する前に1年半かけて入念な調査を行ったという。今は、インジェットプレスは5台となり、生産量100%がデジタルとなっている。ひとつの工場では、7台のオフセット機を2台のインクジェットに切り替え、キャパはまだ余裕があるという。1人のオペレータが2台のデジタルプレスを動かせるので、人員削減にもつながった。週末が近づくと逼迫していた生産もかなり軽減されるようになり、ヤレも減少、お客様は印刷品質に満足しているという。
付加価値サービス:データを中核に添えて全面にだす
インクジェットが本領を発揮するには、従来の印刷技術ができないアプリケーションに取り組まなくてはならない。例えば、付加価値の高いパーソナライゼーション、ショートラン、バージョニングなどを安価に提供することである。印刷会社がこれらのビジネスを取り込むにはデータにまつわるノウハウが必要だ。顧客の分析と知見がカスタマーエンゲージメントの起点となり、関連性の高い、パーソナライズされた、データ主導のコンテンツの構成に繋がっていく。印刷会社は、印刷だけでなくデジタルコミュニケーションなど複数のチャネルを通じてコンテンツを提供する体制を整えないといけないだろう。顧客のレスポンスを測定したものを企業のデータベースにフィードバックし、カスタマージャーニーにおけるコミュニケーションサイクルの次のインタラクションを行う一助としなくてはならない。
DMを提供するInnovairre Communications社の社長兼最高成長責任者(CGO)Don McKenzie氏は、新たなフロンティアに進むべき時がきたという。「インクジェット技術が成熟した今、注目すべきことはデータの高度な活用とマルチチャネルへの対応だろう。弊社では、パートナー企業と組んで、機械学習モデルや予想・処方的分析が、コミュニケーション、パーソナライゼーション、ターゲティング、そして最終的にはどのような影響や結果をもたらすかテストしている。これらのソリューションを展開するには、インクジェット技術が必要である」
揺ぎないビジネスモデル
プロダクションインクジェットは導入すれば商売につながるというものではない。堅実なビジネス計画がその背後にないといけないからだ。成功しているユーザーは、慎重にビジネスチャンスを検討し、投資に見合うボリュームがあるかを確認してからインクジェットプリンタを購入している。想定されるビジネスチャンスは以下の通り。
・オフセット輪転で印刷していたショートランジョブの切り替え
・刷り置き台紙とモノクロ追い刷りの置き換え
・カットシートのモノクロ・カラープリンタへの滲みだし
・カットシートで行っていた大ロットのバリアブルデータのインクジェット化
・ロール給紙のモノクロトナープリンタからの切り替え
・新しいアプリケーション
保育園の試験問題
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設備投資を検討するときに考慮すべき項目のひとつとしてコスト削減があるとInnovairre社の McKenzie社長は言う。同社は、デジタル化することによるワークフローの白紙化により、以下のメリットを享受できたという。
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・ヤレの削減
・カード、レター、ラベルなど幅広い材質に対応
・郵便番号仕訳による郵便料金削減
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