グラフィックデザインの開拓者
2018年11月28日スペシャリスト
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以前、「Pioneers of German Graphic Design(グラフィックデザインの開拓者)」という新刊本の書評をする機会があった。現代グラフィックデザインが100年以上前にドイツで形成されたことを知っていただろうか?私は知らなかった。この本はとても興味深く、すばらしい魅力を持っている。その内容を少しここで語るが、是非自分でも1冊手にとって読んでほしい。
印刷産業でジャーナリストになるひとつの利点は 、刊行前の未知の傑作の書評用献本をときたま受け取ることだ。最近ではドイツグラフィックデザインの歴史についての素晴らしい本が当てはまる。「Pioneers of German Graphic Design」では、君主制末期から第二次世界大戦後の経済の奇跡までのドイツのグラフィックデザインの道筋が詳細に描かれている。著者ジェンス・ミュラーは、専門的能力の発展だけでなく国際的な影響にも光を当てながら、ドイツグラフィックデザインの草分けを務めた人々の革新的な初期の創造力と、国自体の危うい政治との相関関係とを調査している。
そして文中には1927年以降のこのような素晴らしい表現を取り入れている。
ドイツでのグーテンベルグ活字が印刷産業の始まりだと考えられているが、誰が現代グラフィックデザインさえもそこから来たものだと知っていただろうか。
当書が参考にした調査によれば、現代デザインの発達において最も重要な時代は20世紀初期であり、それは同時に新たな視覚言語の誕生の時でもあった。同時に、今日の企業イメージのデザイン、グラフィックデザインの原点でもあった。一例として、ドイツの電機メーカーAGEで芸術部門のコンサルタントを勤めるピーター・ベーレンス氏は、印刷物だけでなく建物や製品を含む企業のすべてのコンセプトデザインを考案した。今日では当然のものだが、これが世界初の企業アイデンティティーの創設であった。本文によれば、現代的な企業ロゴもまた、ヴィルヘルム・デフケとカール・シュルピグによってドイツで考案されたという。本書は読者にこれらの革新すべての大元である政治経済の環境が整備されていった1800年代を思い起こさせ、デザイン革新の原動力について論じている。
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グラフィックデザインの開拓者
2018年11月28日スペシャリスト

一般社団法人PODi
1996年に米国で誕生した世界最大のデジタル印刷推進団体。印刷会社800社、ベンダー50社以上が参加し、デジタル印刷を活用した成功事例をはじめ、多くの情報を会員向けに公開している。また、WhatTheyThinkをはじめDMAなどの海外の団体と提携し、その主要なニュースを日本語版で配信している。
以前、「Pioneers of German Graphic Design(グラフィックデザインの開拓者)」という新刊本の書評をする機会があった。現代グラフィックデザインが100年以上前にドイツで形成されたことを知っていただろうか?私は知らなかった。この本はとても興味深く、すばらしい魅力を持っている。その内容を少しここで語るが、是非自分でも1冊手にとって読んでほしい。
印刷産業でジャーナリストになるひとつの利点は 、刊行前の未知の傑作の書評用献本をときたま受け取ることだ。最近ではドイツグラフィックデザインの歴史についての素晴らしい本が当てはまる。「Pioneers of German Graphic Design」では、君主制末期から第二次世界大戦後の経済の奇跡までのドイツのグラフィックデザインの道筋が詳細に描かれている。著者ジェンス・ミュラーは、専門的能力の発展だけでなく国際的な影響にも光を当てながら、ドイツグラフィックデザインの草分けを務めた人々の革新的な初期の創造力と、国自体の危うい政治との相関関係とを調査している。
そして文中には1927年以降のこのような素晴らしい表現を取り入れている。
ドイツでのグーテンベルグ活字が印刷産業の始まりだと考えられているが、誰が現代グラフィックデザインさえもそこから来たものだと知っていただろうか。
当書が参考にした調査によれば、現代デザインの発達において最も重要な時代は20世紀初期であり、それは同時に新たな視覚言語の誕生の時でもあった。同時に、今日の企業イメージのデザイン、グラフィックデザインの原点でもあった。一例として、ドイツの電機メーカーAGEで芸術部門のコンサルタントを勤めるピーター・ベーレンス氏は、印刷物だけでなく建物や製品を含む企業のすべてのコンセプトデザインを考案した。今日では当然のものだが、これが世界初の企業アイデンティティーの創設であった。本文によれば、現代的な企業ロゴもまた、ヴィルヘルム・デフケとカール・シュルピグによってドイツで考案されたという。本書は読者にこれらの革新すべての大元である政治経済の環境が整備されていった1800年代を思い起こさせ、デザイン革新の原動力について論じている。
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