コダック、パッケージ分野におけるPROSPERシステムの可能性
執行役員 エンタープライズインクジェットシステム 本部長 河原 一郎 氏に聞く
2018年11月26日製品・テクノロジーマーケティング
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品質や乾燥工程において技術的なハードルが低いのが紙器・段ボール分野。海外ではグルアーのラインにヘッドを搭載するケースが増えている。いわゆるダイカットされた箱の裏にバリアブル印字するというもの。上質系ならドライヤーも不要で、製函機の加工スピードを損なうことなくバリアブルクーポンやQRコードなどの情報を付加するものだ。その他にも、紙器分野ではビールの6本缶カートンやチョコレート菓子のパッケージ、タバコのロイヤルカスタマープログラムの事例、また段ボール分野では農家の生産者の名前をバリアブル印字するなどの事例が存在する。
一方、紙器向けフルカラーのソリューションとして、板紙包装向けカラーインクジェット輪転機「PROSPER 6000S(片面機)」がある。米国のZumbiel Digital社では、10色のフレキソ印刷機を改造し、CMYK部分をデジタル印刷、あとインライン打抜き機と7基のフレキソユニットで構成するハイブリッド仕様を導入。コーポレートカラーなど、固定のベタ部分をフレキソで印刷し、可変部分をデジタル印刷することでランニングコストを抑えている。
これらの市場は、アプリケーション開発がひとつのポイントで、今後、我々もブランドオーナーへのアプローチが必要だと考えている。
一方、フレキシブルフィルムへのハイブリッド印刷という分野での期待も大きく、グローバルでは実績も出てきた。
例えば、シュリンクラベルにキャンペーン用のQRコードがシールで貼られているものを目にするが、これを直接シュリンクラベルの裏に印字するという発想がある。しかし、グラビア輪転機にインクジェットヘッドを付けようとすると、水性であるためプライマーが必要で、それを乾燥されるユニット、また印字して再度乾燥させるユニット、さらに日本なら検査装置が必要になる。ビジネスモデルは描けるが、コスト、設置場所などさらなるスタディが必要で実現のハードルも高い。逆にベンチャー気質のあるお客様にとっては差別化できるソリューションになり得る。
一方、フレキシブルフィルムへのフルカラー印刷のソリューションとして、軟包装対応高速インクジェットシステム「Uteco Sapphire EVO」がある。先日の「TOKYO PACK 2018」で、(株)金羊社が日本第1号機の納入を検討していることも発表した。
Uteco Sapphire EVOは、イタリアのフレキシブルパッケージング業務用機器メーカーであるUteco社とコダックが共同開発した軟包装向けの水性インクジェットデジタルプレス。コダックの「Streamインクジェットテクノロジー」の搭載により、1時間当たり100メートル以上の印刷スピードで、最大幅650ミリのメディアに最大622ミリまで印刷できる。
同機は、50年の歴史を誇るコダックのインクジェット技術とフレキシブルフィルムに精通したUteco社の搬送技術が融合したもの。とくにUteco社は、テンションコントロールやドライヤー、インライン接続といった部分で優れた技術を持っている。
日本でも4,000メートル以下のロットが増加しており、そのような悩みを持つお客様すべてが対象となる。水性で高速印刷が可能であるため、4,000メートル以上はグラビアで、それ以下のロットはSapphireでカバーするという生産体制も可能である。
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