富士ゼロックス、特殊色と紙の質感を演出〜新たな価値をもたらす印刷表現
ゴールド・シルバー・ホワイト+ブラックトナーを搭載「DocuColor 7171 P(Model-ST)」
2019年4月2日製品・テクノロジー
国内初の特殊色専用機
そして様々なテスト検証を経て、ついに特殊色専用プロダクションプリンター「DocuColor 7171 P(Model-ST)」が発売に至った。
同機は、100V電源で稼働するエントリーモデル「DocuColor 7171 P」をベースに、通常のCMYトナーに替えて、同社の1パス6色プリントエンジンを採用したハイエンドプロ市場向けプロダクションプリンター「Iridesse Production Press」で高い評価を得ているゴールド、シルバー、ホワイトの特殊トナー3色を搭載。これら特殊トナーとブラックトナーの4色で、高級感・季節感が演出できるアイキャッチ効果の高いデザインや、色紙へホワイトを活用したデザインなど、CMYトナーでは実現できない表情豊かな印刷物が出力可能となる。
なお、既存の機種がベースになっているものの、単純にトナーを入れ替えただけではなく、特殊トナーを出力するにあたっての技術的な最適化が施されている。
特殊トナーを搭載できるデジタル印刷機は市場で稼働しているが、ゴールド、シルバー、ホワイトを一度に出力できるデジタル印刷機は同機だけだ。マーケティングを担当する同社の後藤章一氏(グラフィックコミュニケーションサービス事業本部 マーケティング部 プロダクトマーケティンググループ)は、CMYKでのカラー印刷ができない一方で、特殊色専用機だからこそできる「表現力」があると説明する。
「色紙とデザイン、そして特殊トナーを組み合わせることが、この印刷機を活かす最大のポイントとなる。例えば、赤い紙に濃度を抑えたブラックを印刷することで茶色を表現でき、また、同様にホワイトの濃度を抑えることでピンクを表現することができる。特殊トナーに特化した出力機ということで活用例としてゴールドやシルバー、ホワイトなど、それぞれ単色によるベタ印刷をイメージしがちだが、下地となる紙の色や風合いを活かし、そしてトナーの濃度調整をうまく組み合わせることで表情豊かな表現が可能となる」
新たな視点から「印刷」を再定義
この他にも、紙とトナーの組み合わせによっては、地紋のような表現も可能。たとえば、黒い紙にブラックを印刷することで光沢感を演出でき、また、デザインを工夫することで視覚的にエンボス調のような作品に仕上げることもできる。
つまり、従来からの印刷の概念を脱却し、紙の地色や風合いとの兼ね合わせなど、新たな発想からものづくりに取り組むことで同機の魅力を最大限に引き出すことができる。
鈴木氏も「4色モデルのデジタル印刷機におけるスピードなどの機能性向上だけでなく、この商品には新たな価値創出につながるアイデアへとつながるヒントやポテンシャルがある。導入されたお客様も、既存の仕事をさらに高い品質で提供されることにとどまらず、新たな仕事を創り出していくことに重きを置かれていると思う。そのため、私たち営業もそれぞれのお客様がお持ちの創造力を形にする支援を行っていきたい」と、ユーザーと一体となった新たな価値創出を目指していく考えを示している。
今後の展開として同社では、特殊色のオンデマンド出力に関する認知を拡大するために、印刷会社だけでなく、その工程の上流となるデザイナーや広告代理店などにも積極的にアプローチしていく。そして将来的には、分野を限定せずに様々な業種に向けて特殊トナーがもたらす表現の可能性を訴求していく方針だ。
「価格、設置スペースなど特殊色をより手軽に活用できる商品であり、従来の色分解によるカラー表現とは異なる特殊色ならではの新たな発見・発想を促し、紙メディアによるコミュニケーションに新たな価値をもたらすことを期待している」(後藤氏)
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「色紙とデザイン、そして特殊トナーを組み合わせることが、この印刷機を活かす最大のポイントとなる。例えば、赤い紙に濃度を抑えたブラックを印刷することで茶色を表現でき、また、同様にホワイトの濃度を抑えることでピンクを表現することができる。特殊トナーに特化した出力機ということで活用例としてゴールドやシルバー、ホワイトなど、それぞれ単色によるベタ印刷をイメージしがちだが、下地となる紙の色や風合いを活かし、そしてトナーの濃度調整をうまく組み合わせることで表情豊かな表現が可能となる」
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つまり、従来からの印刷の概念を脱却し、紙の地色や風合いとの兼ね合わせなど、新たな発想からものづくりに取り組むことで同機の魅力を最大限に引き出すことができる。
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今後の展開として同社では、特殊色のオンデマンド出力に関する認知を拡大するために、印刷会社だけでなく、その工程の上流となるデザイナーや広告代理店などにも積極的にアプローチしていく。そして将来的には、分野を限定せずに様々な業種に向けて特殊トナーがもたらす表現の可能性を訴求していく方針だ。
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