千葉印刷、特殊紙+特色による多彩な提案で受注拡大
[Iridesse Production Press導入事例]期待超える+αの提案〜社員のモチベーションアップに
2020年6月22日ケーススタディ
特色を駆使した「プラスアルファの提案」が可能に
「店頭でのコミュニケーション」という営業スタイルと「豊富な用紙ラインアップ」という従来からの強みに、「Iridesseによる特色対応」という武器が加わったことは、千葉印刷にとって大きな差別化要素になっている。同社はこれを「より幅広い提案」につなげるため、日頃からさまざまな用紙・カラーの出力検証を行っている。
「この紙はIridesseに通せるのか、色がきちんと乗るのか、といったことを空いた時間でテストしている。その中で、たとえば『この紙は両面出力しないと反ってしまう』ということもわかってくる。こうしたトライアルの繰り返しでノウハウを蓄積している」(柳川社長)
クライアントとのやり取りの中でも、要望通りに仕上げるだけでなく、それにアレンジを加えたバリエーションも積極的に提案している。
「お客様の目的をより高い次元で実現するため、こちらからのアイデアを併せて提案するようにしている。4色の仕事でも、内容に応じて金・銀・メタリックカラーを使ったものも一緒に提案する。用紙についても2種類以上お出しすることが多い。するとほぼ例外なく『面白いね』と興味を示していただけ、予算が合えば『今回これで行こう』、あるいは『次回使ってみよう』となることもある。たとえ採用されなくても、当社としては提案した分の経験を積むことができるので、決して無駄にはならず、財産になっていく」(柳川社長)
クライアントの期待を超える、この「プラスアルファの提案」も、千葉印刷が厚い信頼を得ている理由のひとつだ。また、同社では営業部門の全員がこうした多彩な付加価値提案を行えるよう、情報の共有を徹底している。
「営業は私を含めて5名いるが、成功例も失敗例もリアルタイムで共有している。どんな仕事でどういう表現をした結果、喜んでもらえたのか、上手くいかなかったのか。クオリティ、コスト、紙の種類、手間や時間などを詳細に共有することで、会社としての提案力アップを図っている」(柳川社長)
「答えをすぐに出せる」ことが高い満足度に
一方、Iridesseの導入による社内的メリットについて柳川社長は「待ち時間が減ったことが大きい」と語る。
「RIP処理が速くなったおかげで出力待ちが劇的に減った。生産効率が上がり、残業時間も削減できている。また、文字化けなどのトラブルで再出力することもほとんどなくなった」
特殊紙の使用が多い同社において、出し直しの削減(=ヤレ紙の削減)は、大幅なコストダウンに直結する重要な要素だ。また、トラブルの削減や生産効率の向上は、「時間が読みやすい」というメリットにつながっている。
「営業がお客様からスケジュールを聞かれたときに、その場で即答できる。これはお客様にとっても嬉しいこと。いま、世の中のスピード感がどんどん変わり、情報を素早くキャッチできることがあたりまえになっているから、印刷会社もやり取りのスピードを上げていかなければいけない」(柳川社長)
さらに、社内でこなせる仕事の幅が広がったことで内製化率も向上。また、以前はパンフレットなどの単品の発注だったクライアントから、メニューやポスターなど、他のアイテムもまとめて受注するケースも増えてきた。
「1階受付の目の前にあるIridesseを使い、打ち合わせの間にテスト出力して現物を提示する、相談に対する答えをすぐに出すという店頭での対応も含めてお客様に評価していただき、それが次の受注につながっているのではないか。お客様に喜んでいただけることが増えたことで、社員のモチベーションもさらに高まっている」(柳川社長)
クライアントの反応をダイレクトに感じることができるのは、店頭でIridesseを運用する同社ならではのメリットだろう。
最後に、今後の活用戦略について伺うと、柳川社長は「メタリックカラーを使ったシールなどにも挑戦してみたい」と意欲を見せた。
「PODでメタリックカラーのシールというのは、まだほとんど事例がないのではないか。しかし、急ぎで少部数のシールをつくりたいというニーズは確かにある。金・銀・メタリックカラーを使い、さらにPP加工までできれば、より面白いものができる」
また、クライアントから好評を博している金・銀のサンプルチャートも、用紙などのバリエーションを充実させ、「Iridesseによる特色表現」の認知をさらに広めていく考えだ。
「まずはPODでこういう表現ができるということをより多くの皆さんに知っていただきたい。同時に、私たちもいろいろな可能性を探りながら、もっと新しい経験を積み、知識を身につけ、お客様に喜んでいただける提案をしていかなければと思っている。そして『千葉印刷に頼めば何とかしてくれる』と言われる存在であり続けたい」(柳川社長)
新着トピックス
-
ケーススタディ 門那シーリング印刷(大阪)、除電機能で作業効率向上[Revoria Press PC1120導入事例]
-
ケーススタディ 尾崎スクリーン、熱転写の新たな領域へ[HP Indigo 7K デジタル印刷機導入事例]
リンクス、スキルレスで人材確保、育成期間短縮[JetPress750S導入事例]
2025年6月27日ケーススタディ
「アイデア什器」の(株)リンクス(本社/岐阜県関市倉知2639-1、吉田哲也社長)は昨年11月、富士フイルムの枚葉インクジェットデジタルプレス「JetPress750S」(厚紙仕様)...全文を読む
コニカミノルタジャパン、AccurioDays2025で新たなフラッグシップモデルを公開
2025年6月4日製品・テクノロジー
コニカミノルタジャパン(株)は、デジタルカラー印刷システムの最上位機種「AccurioPress(アキュリオプレス) C14010シリーズ」の発売を記念して4月23・24日の2日間、...全文を読む
最新ニュース
エプソン、世界最少の小型軽量デジタルプリンター「EP-101」が「機械遺産」に選定
2025年8月7日
セイコーエプソン(株)がエプソンミュージアム諏訪(長野県諏訪市)に所蔵している、1968年より発売した世界最小(同社調べ(当時))の小型軽量デジタルプリンター「EP-101」が、(一...全文を読む
リコー、広幅対応DTFプリンター「RICOH Pro D1600」を松井色素化学工業所に供給開始
2025年8月7日
(株)リコー(大山晃社長)は、産業用テキスタイル印刷市場向けに、高生産性を実現する広幅対応Direct To Film(DTF)プリンター「RICOH Pro D1600」について、...全文を読む
コニカミノルタ、反応染料用インライン前処理インク「O'ROBE」の提供開始
2025年7月29日
コニカミノルタ(株)(本社/東京都千代田区、大幸利充社長、以下、コニカミノルタ)は、インクジェットテキスタイルプリンター「Nassenger(ナッセンジャー)」シリーズ用インクとして...全文を読む
千葉印刷、特殊紙+特色による多彩な提案で受注拡大
[Iridesse Production Press導入事例]期待超える+αの提案〜社員のモチベーションアップに
2020年6月22日ケーススタディ
特色を駆使した「プラスアルファの提案」が可能に
「店頭でのコミュニケーション」という営業スタイルと「豊富な用紙ラインアップ」という従来からの強みに、「Iridesseによる特色対応」という武器が加わったことは、千葉印刷にとって大きな差別化要素になっている。同社はこれを「より幅広い提案」につなげるため、日頃からさまざまな用紙・カラーの出力検証を行っている。
「この紙はIridesseに通せるのか、色がきちんと乗るのか、といったことを空いた時間でテストしている。その中で、たとえば『この紙は両面出力しないと反ってしまう』ということもわかってくる。こうしたトライアルの繰り返しでノウハウを蓄積している」(柳川社長)
クライアントとのやり取りの中でも、要望通りに仕上げるだけでなく、それにアレンジを加えたバリエーションも積極的に提案している。
「お客様の目的をより高い次元で実現するため、こちらからのアイデアを併せて提案するようにしている。4色の仕事でも、内容に応じて金・銀・メタリックカラーを使ったものも一緒に提案する。用紙についても2種類以上お出しすることが多い。するとほぼ例外なく『面白いね』と興味を示していただけ、予算が合えば『今回これで行こう』、あるいは『次回使ってみよう』となることもある。たとえ採用されなくても、当社としては提案した分の経験を積むことができるので、決して無駄にはならず、財産になっていく」(柳川社長)
クライアントの期待を超える、この「プラスアルファの提案」も、千葉印刷が厚い信頼を得ている理由のひとつだ。また、同社では営業部門の全員がこうした多彩な付加価値提案を行えるよう、情報の共有を徹底している。
「営業は私を含めて5名いるが、成功例も失敗例もリアルタイムで共有している。どんな仕事でどういう表現をした結果、喜んでもらえたのか、上手くいかなかったのか。クオリティ、コスト、紙の種類、手間や時間などを詳細に共有することで、会社としての提案力アップを図っている」(柳川社長)
「答えをすぐに出せる」ことが高い満足度に
一方、Iridesseの導入による社内的メリットについて柳川社長は「待ち時間が減ったことが大きい」と語る。
「RIP処理が速くなったおかげで出力待ちが劇的に減った。生産効率が上がり、残業時間も削減できている。また、文字化けなどのトラブルで再出力することもほとんどなくなった」
特殊紙の使用が多い同社において、出し直しの削減(=ヤレ紙の削減)は、大幅なコストダウンに直結する重要な要素だ。また、トラブルの削減や生産効率の向上は、「時間が読みやすい」というメリットにつながっている。
「営業がお客様からスケジュールを聞かれたときに、その場で即答できる。これはお客様にとっても嬉しいこと。いま、世の中のスピード感がどんどん変わり、情報を素早くキャッチできることがあたりまえになっているから、印刷会社もやり取りのスピードを上げていかなければいけない」(柳川社長)
さらに、社内でこなせる仕事の幅が広がったことで内製化率も向上。また、以前はパンフレットなどの単品の発注だったクライアントから、メニューやポスターなど、他のアイテムもまとめて受注するケースも増えてきた。
「1階受付の目の前にあるIridesseを使い、打ち合わせの間にテスト出力して現物を提示する、相談に対する答えをすぐに出すという店頭での対応も含めてお客様に評価していただき、それが次の受注につながっているのではないか。お客様に喜んでいただけることが増えたことで、社員のモチベーションもさらに高まっている」(柳川社長)
クライアントの反応をダイレクトに感じることができるのは、店頭でIridesseを運用する同社ならではのメリットだろう。
最後に、今後の活用戦略について伺うと、柳川社長は「メタリックカラーを使ったシールなどにも挑戦してみたい」と意欲を見せた。
「PODでメタリックカラーのシールというのは、まだほとんど事例がないのではないか。しかし、急ぎで少部数のシールをつくりたいというニーズは確かにある。金・銀・メタリックカラーを使い、さらにPP加工までできれば、より面白いものができる」
また、クライアントから好評を博している金・銀のサンプルチャートも、用紙などのバリエーションを充実させ、「Iridesseによる特色表現」の認知をさらに広めていく考えだ。
「まずはPODでこういう表現ができるということをより多くの皆さんに知っていただきたい。同時に、私たちもいろいろな可能性を探りながら、もっと新しい経験を積み、知識を身につけ、お客様に喜んでいただける提案をしていかなければと思っている。そして『千葉印刷に頼めば何とかしてくれる』と言われる存在であり続けたい」(柳川社長)
新着トピックス
-
門那シーリング印刷(大阪)、除電機能で作業効率向上[Revoria Press PC1120導入事例]
2025年8月8日 ケーススタディ
-
尾崎スクリーン、熱転写の新たな領域へ[HP Indigo 7K デジタル印刷機導入事例]
2025年8月4日 ケーススタディ
-
リンクス、スキルレスで人材確保、育成期間短縮[JetPress750S導入事例]
2025年6月27日 ケーススタディ
-
コニカミノルタジャパン、AccurioDays2025で新たなフラッグシップモデルを公開
2025年6月4日 製品・テクノロジー
-
大村印刷、特殊トナーと用紙対応力で小ロット・高付加価値ニーズに対応
2025年5月8日 ケーススタディ
新着ニュース
SNSランキング
- 63sharesミマキ、330シリーズとエコ溶剤インクが3M MCS保証認定
- 43sharesパラシュート、スマホで偽造品識別が可能なデジタル暗号化技術サービスの提供開始
- 39sharesエプソン、立体物への直接印刷を可能にする「Direct to Shape Printing System」発表
- 38sharesKOMORI、241名が来場した新春特別内覧会のデモ動画(Impremia IS29s」公開
- 29sharesKOMORI、インクジェット印刷機とデジタル加飾機の連携披露
- 27shares日印機工とプリデジ協、IGAS2027の日程決定-2027年8月に東京ビッグサイトで開催
- 27sharesリコー、企業内・商用印刷の幅広いニーズに対応するカラー機の新機種発売
- 26sharesミヤコシ、軟包装向け水性インクジェット「MJP ADVANCED 45X for FILM」発表
- 25shares富士フイルムBI、デジタル印刷作品のコンテスト「IPA」の作品募集開始
- 23sharesリコー、広幅対応DTFプリンター「RICOH Pro D1600」を松井色素化学工業所に供給開始
おすすめコンテンツ
尾崎スクリーン、熱転写の新たな領域へ[HP Indigo 7K デジタル印刷機導入事例]
竹田印刷、多様な個性をかたちに〜アール・ブリュット作品を世界に発信
奥村印刷、新たな価値を紙に付加〜「折り紙食器 beak」でIPA2024に入賞