富士フイルム、Jet Pressの基幹部品を提供[Samba JPC]
短期間でIJ機開発 〜 高精細プリンタ開発の知見底上げへ
2020年9月30日製品・テクノロジー
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フレキシブルな設計が可能
Samba JPCには、事業や環境に応じて、(1)コンポーネントのみの提供(2)コンポーネントを組み合わせてプリントシステムとして提供する─という2つのモデルがある。
(1)は、高解像度プリンタの開発を検討するプリンタメーカー、インテグレータ、周辺装置メーカーが提案先となり、(2)は、自社設備に独自のインクジェットシステム導入を検討している印刷会社、コンバーター、ブランドオーナーなどがターゲットになる。同社ではマーケティングの結果、現在②の潜在需要に着目し、なかでも現有の生産ラインや設備へのインクジェットエンジンの組み込み(インライン対応)による追刷り用途の事例が多いという。
例えば、ドイツのCadis Engineering社(インテグレーター)とBurda社(出版社)の協業による「雑誌向けインライン(後加工ライン)水性インクジェット追刷りシステム」がある。これは、グラビアで印刷する月間数百万部のフリーペーパーの裏表紙をバリアブル広告として付加価値化する取り組みから生まれたシステム。印字スピードや幅、前後のシステム連携において既存システムでは対応できなかったことからSamba JPCによるカスタマイズプリンタを後加工ラインに組み込み、前後設備との自動連携をはかりながら1万部/時で雑誌にバリアブルで追刷りする専用システムだ。
一方、国内でテスト運用を開始した軟包装の事例「野菜包装向け白グラビア+水性インクジェット追刷りシステム」では、定型デザインや白地はグラビアで印刷し、野菜の生産者の顔写真やレシピなどの一部デザインをインクジェットでバリアブル追刷りする。この事例では、富士フイルムの食品安全対応インクジェットインクやにじみ防止特殊白インキを採用しているのが特徴である。
さらに、まだ企画段階ではあるが、「食品・飲料パッケージ用 狭幅インクジェット追刷りシステム」の検証も進められているという。
これらSamba JPCを活用したカスタマイズインクジェットシステムの特徴としては、まず、「高画質、シャープな文字再現」が挙げられる。とくに、600dpiでは滲んでしまうような4ポイントの文字も高解像度ヘッド「Samba」ならばその再現性の違いは明らかだ。
次に「カスタマイズ性」。プリントバー長、スピード、インク種、色数など、フレキシブルな選択が可能で、とくにインク種については、富士フイルムオリジナル以外にも他社製インクの採用も可能で制約がない。
最後は、やはり「Jet Press開発に基づく信頼性」、いわゆる「Sambaブランド」だ。Jet Press開発メンバーがシステム設計・開発を手掛け、サポートにおいても国内は富士フイルムインクジェット事業部とJetPress開発メンバーが担当。海外でのサポートはFUJIFILM Dimatix社のエンジニアが担当している。
情報提供サイトで開発者支援
富士フイルムでは今年5月、高解像度インクジェット開発を支援する情報サイト「INKJET ACCELERATOR」(https://inkjet-accelerator.fujifilm.com)を立ち上げ、製品情報をはじめ、プリンタ開発のポイントやトラブル事例などのコンテンツを公開している。
赤木氏は、「印字ユニットの開発の道のりは非常に困難を要する。しかし、それがあまり理解されていない現状がある。そんな開発者向けにコンテンツサイトを開設した。プリンタ開発の難しさにおける何らかの気付き、問題にぶち当たったときの解決の糸口を掴んでいただくなど、開発者の補助ツールとして活用いただき、結果としてSambaに興味を持つきっかけ、プロモーションになればと考えている」とし、活用を促している。
また、福井氏は「プリンタ開発には、予想もしなかった問題が多々発生する。その現実を正しく理解してもらうとともに、高品質なシングルパスプリンタ開発の知見の底上げになれば幸い」と話す。
今後は、コンテンツをさらに充実させていくとともに、インテグレーションに関する情報もアップしていく方針だ。
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Samba JPCには、事業や環境に応じて、(1)コンポーネントのみの提供(2)コンポーネントを組み合わせてプリントシステムとして提供する─という2つのモデルがある。
(1)は、高解像度プリンタの開発を検討するプリンタメーカー、インテグレータ、周辺装置メーカーが提案先となり、(2)は、自社設備に独自のインクジェットシステム導入を検討している印刷会社、コンバーター、ブランドオーナーなどがターゲットになる。同社ではマーケティングの結果、現在②の潜在需要に着目し、なかでも現有の生産ラインや設備へのインクジェットエンジンの組み込み(インライン対応)による追刷り用途の事例が多いという。
例えば、ドイツのCadis Engineering社(インテグレーター)とBurda社(出版社)の協業による「雑誌向けインライン(後加工ライン)水性インクジェット追刷りシステム」がある。これは、グラビアで印刷する月間数百万部のフリーペーパーの裏表紙をバリアブル広告として付加価値化する取り組みから生まれたシステム。印字スピードや幅、前後のシステム連携において既存システムでは対応できなかったことからSamba JPCによるカスタマイズプリンタを後加工ラインに組み込み、前後設備との自動連携をはかりながら1万部/時で雑誌にバリアブルで追刷りする専用システムだ。
一方、国内でテスト運用を開始した軟包装の事例「野菜包装向け白グラビア+水性インクジェット追刷りシステム」では、定型デザインや白地はグラビアで印刷し、野菜の生産者の顔写真やレシピなどの一部デザインをインクジェットでバリアブル追刷りする。この事例では、富士フイルムの食品安全対応インクジェットインクやにじみ防止特殊白インキを採用しているのが特徴である。
さらに、まだ企画段階ではあるが、「食品・飲料パッケージ用 狭幅インクジェット追刷りシステム」の検証も進められているという。
これらSamba JPCを活用したカスタマイズインクジェットシステムの特徴としては、まず、「高画質、シャープな文字再現」が挙げられる。とくに、600dpiでは滲んでしまうような4ポイントの文字も高解像度ヘッド「Samba」ならばその再現性の違いは明らかだ。
次に「カスタマイズ性」。プリントバー長、スピード、インク種、色数など、フレキシブルな選択が可能で、とくにインク種については、富士フイルムオリジナル以外にも他社製インクの採用も可能で制約がない。
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情報提供サイトで開発者支援
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赤木氏は、「印字ユニットの開発の道のりは非常に困難を要する。しかし、それがあまり理解されていない現状がある。そんな開発者向けにコンテンツサイトを開設した。プリンタ開発の難しさにおける何らかの気付き、問題にぶち当たったときの解決の糸口を掴んでいただくなど、開発者の補助ツールとして活用いただき、結果としてSambaに興味を持つきっかけ、プロモーションになればと考えている」とし、活用を促している。
また、福井氏は「プリンタ開発には、予想もしなかった問題が多々発生する。その現実を正しく理解してもらうとともに、高品質なシングルパスプリンタ開発の知見の底上げになれば幸い」と話す。
今後は、コンテンツをさらに充実させていくとともに、インテグレーションに関する情報もアップしていく方針だ。
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