キーワードで検索

いこい、ビビッドインクによるRGB色域の再現性で受注拡大[HP Indigo 7900導入事例]

同人誌に写真クオリティ - メディア対応力で新たな可能性も

2020年11月2日ケーススタディ

ダウンタイムは最大の敵

 Indigoで生産する受注ロットは30〜50部程度。多い時には2台で月間5,000ジョブを3交代制でこなし、200時間の連続稼働も珍しくない。この状況に対し、繁忙期の瞬発力と機械の堅牢性にも緒方氏はIndigoに高い評価を示している。

 「我々にとってダウンタイムは最大の敵。Indigoは、その堅牢性はもちろん、メーカーのメンテナンスサービスに依存せず、トレーニングによって資格を得た従業員が自らブランケットやドラムのフィルムの交換ができる。結果、オペレータの急な残業も発生せず、労務的にもメリットがある」(緒方氏)

 今年5月に開催予定だったコミックマーケット98が新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて中止されたことで、経営に多少の影響を受けた同社だが、10月には前年並みの受注を見込むまでに市場が回復。すでに2台のIndigoはキャパいっぱいの状況にあるというから驚きだ。

 一方、様々な用紙や素材に印刷できるというメディア対応力も高く評価する緒方氏。クリアファイルやキャンバス地、パール系など、HPのワールドワイドでの認証メディアからおもしろいものがあれば積極的に取り寄せて採用し、同人誌はもちろん、グッズやノベルティの展開の可能性を常に追求している。

 「トナー機が『サービス』であるのに対し、Indigoは『製造』。よって、そのオペレータも生産機として真剣に向き合える人材が必要になる」と訴える緒方氏。人材育成にも注力する一方、HPのビジネスパートナーとしての対応も高く評価している。

 「サービス、提案、要望への対応など、HPは機械の納入後も、我々と一緒になって市場やビジネスをともに作っていこうという姿勢がある。単なる納入業者ではなく、ビジネスパートナーとして大きな期待を寄せている」(緒方氏)

BtoBを次の成長エンジンに

 今後同社では、生産機であるIndigoを核とした自動化を進めていく方針を打ち出し、入稿後のプリフライトチェックおよびPDF化を自動化するとともに、ホットフォルダー運用による印刷指示の自動化にも着手する考えだ。

 その背景について緒方氏は「当社は、まだまだ若い会社。企業の成長をさらに高めるためには、1人あたりの労働生産性を最大化する必要があると考えている。結果、そこで生じた余剰労力をクリエイティブや企画の分野に適正配置することで、次の時代の成長エンジンにしたい」と将来の方向性を明確に語っている。これは、現在、営業部隊を持たず、受注は100%オンラインである同社にとって、法人営業の可能性を示唆するもので、さらなる事業拡大に向けて、BtoB事業への備えでもあるようだ。

 「ある調査機関によると、同人誌の市場規模は、小売金額ベースで820億円程度(2019年)とされているが、我々の印刷ビジネスに当てはめると150〜200億円程度だろう。現在、当社の売上はおよそ6億円だが、現状の印刷通販によるBtoCの同人誌印刷事業でも10億円の売上は可能だと考えている。その先の成長を考えると、やはりBtoBに着手する必要がある。そこでも生産手段として中核を担うであろうHP Indigoに、今後も期待している」(緒方氏)

新着トピックス

kyodoinsatsukougyou_pc1120_tn.jpg

共同印刷工業(京都)、安定性の高さが決め手[Revoria Press PC1120導入事例]

2024年10月9日ケーススタディ

 京都を拠点に出版印刷を手がける共同印刷工業(株)(本社/京都市右京区西院清水町156-1、江戸孝典社長)は2024年3月、富士フイルムのプロダクションカラープリンター「Revoria...全文を読む

mimaki_ij24_ts330-1600_tn.jpg

ミマキ、捺染方式を刷新 - 簡便性と汎用性の「TRAPIS」

2024年9月28日製品・テクノロジー

 (株)ミマキエンジニアリング(本社/長野県東御市、池田和明社長)は、2023年6月に開催されたITMAで技術出展した「捺染顔料転写プリントシステム」を製品化し、環境と人に優しい次世代...全文を読む

最新ニュース

swissQprint、SuperGraphics社に2,000台目のプリンタ納入

2024年11月28日

 swissQprintは、シアトルに本社を置くSuperGraphics社に2,000台目となるワイドフォーマットプリンタを導入した。これはswissQprintにとってのマイルスト...全文を読む

dp_motiduki_variable_studio_20241127_tn.jpg

望月印刷、クラウド型バリアブルソフトを導入し属人化脱却と品質向上を実現

2024年11月28日

 望月印刷(株)(東京都台東区)は、このほどコニカミノルタジャパン(株)が提供するクラウド型の可変印刷ツール「Variable Studio」を導入し、属人化脱却と品質向上を実現した。...全文を読む

dp_truepress_jet_520hd_20241118_tn.jpg

SCREEN、令和6年度近畿地方発明表彰「日本弁理士会会長賞」を受賞

2024年11月18日

(株)SCREENホールディングスは、(公社)発明協会が主催する「令和6年度 近畿地方発明表彰」において「用紙蛇行に対応する印刷装置(特許第6438718号)」で「日本弁理士会会長賞」...全文を読む

いこい、ビビッドインクによるRGB色域の再現性で受注拡大[HP Indigo 7900導入事例]

同人誌に写真クオリティ - メディア対応力で新たな可能性も

2020年11月2日ケーススタディ

  • twitter
  • facebook
  • line

ダウンタイムは最大の敵

 Indigoで生産する受注ロットは30〜50部程度。多い時には2台で月間5,000ジョブを3交代制でこなし、200時間の連続稼働も珍しくない。この状況に対し、繁忙期の瞬発力と機械の堅牢性にも緒方氏はIndigoに高い評価を示している。

 「我々にとってダウンタイムは最大の敵。Indigoは、その堅牢性はもちろん、メーカーのメンテナンスサービスに依存せず、トレーニングによって資格を得た従業員が自らブランケットやドラムのフィルムの交換ができる。結果、オペレータの急な残業も発生せず、労務的にもメリットがある」(緒方氏)

 今年5月に開催予定だったコミックマーケット98が新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて中止されたことで、経営に多少の影響を受けた同社だが、10月には前年並みの受注を見込むまでに市場が回復。すでに2台のIndigoはキャパいっぱいの状況にあるというから驚きだ。

 一方、様々な用紙や素材に印刷できるというメディア対応力も高く評価する緒方氏。クリアファイルやキャンバス地、パール系など、HPのワールドワイドでの認証メディアからおもしろいものがあれば積極的に取り寄せて採用し、同人誌はもちろん、グッズやノベルティの展開の可能性を常に追求している。

 「トナー機が『サービス』であるのに対し、Indigoは『製造』。よって、そのオペレータも生産機として真剣に向き合える人材が必要になる」と訴える緒方氏。人材育成にも注力する一方、HPのビジネスパートナーとしての対応も高く評価している。

 「サービス、提案、要望への対応など、HPは機械の納入後も、我々と一緒になって市場やビジネスをともに作っていこうという姿勢がある。単なる納入業者ではなく、ビジネスパートナーとして大きな期待を寄せている」(緒方氏)

BtoBを次の成長エンジンに

 今後同社では、生産機であるIndigoを核とした自動化を進めていく方針を打ち出し、入稿後のプリフライトチェックおよびPDF化を自動化するとともに、ホットフォルダー運用による印刷指示の自動化にも着手する考えだ。

 その背景について緒方氏は「当社は、まだまだ若い会社。企業の成長をさらに高めるためには、1人あたりの労働生産性を最大化する必要があると考えている。結果、そこで生じた余剰労力をクリエイティブや企画の分野に適正配置することで、次の時代の成長エンジンにしたい」と将来の方向性を明確に語っている。これは、現在、営業部隊を持たず、受注は100%オンラインである同社にとって、法人営業の可能性を示唆するもので、さらなる事業拡大に向けて、BtoB事業への備えでもあるようだ。

 「ある調査機関によると、同人誌の市場規模は、小売金額ベースで820億円程度(2019年)とされているが、我々の印刷ビジネスに当てはめると150〜200億円程度だろう。現在、当社の売上はおよそ6億円だが、現状の印刷通販によるBtoCの同人誌印刷事業でも10億円の売上は可能だと考えている。その先の成長を考えると、やはりBtoBに着手する必要がある。そこでも生産手段として中核を担うであろうHP Indigoに、今後も期待している」(緒方氏)

新着トピックス

新着ニュース

PAGE TOP