ヤマゼンコミュニケイションズ(株)(本社/栃木県宇都宮市、山本堅嗣宣社長)は、「コミュニケイションをデザインして、クライアントとユーザーをつなぐ」をコンセプトに地元・栃木県内の企業、自治体、店舗、人をつなぐプラットフォーマーとして展開している。新型コロナウイルス感染拡大による経済への影響が深刻化する中、同社は印刷物をはじめとする様々なメディアを通じて、地域経済の発展に寄与している。その同社の印刷事業を牽引しているのが富士ゼロックス製のプロダクションプリンター「Iridesse Production Press(以下、Iridesse)」だ。
同社は、1950年に(有)山善印刷所として設立。1984年には、ヤマゼン印刷(株)に社名を変更。そして創立50周年を迎えた2000年に現在の「ヤマゼンコミュニケイションズ」と名称を新たにしている。社名から「印刷」という文字を取った背景には、ある想いが込められていると山本社長は説明する。
「これからはコミュニケイションを大切にしていく時代。社名に『印刷』と表記することで印刷屋さん、つまり印刷しか頼めない会社とイメージされてしまう。そこで、あえて社名から『印刷』という文字を外すことで、印刷以外の様々な事業を展開していくという気持ちを込めている」
その想いを具現化する事業として同社は2000年4月、地元である栃木県民と店舗・企業とのコミュニケイションを仲介し、地域経済活性化に貢献することを目的にクチコミタウン情報サイト「栃ナビ!」を開設、印刷・デザイン制作会社からメディアカンパニーとして再スタートを切っている。
「栃ナビ!」は、「栃木をもっと好きになる」をコンセプトにグルメ、ショッピング、レジャー、病院やイベント情報など、栃木の生活に役立つ情報を発信。開設当初、掲載店舗約200件でスタートした同サイトは、20周年を迎えた2020年には1万3000件を超えるお店やスポット情報、48万3000件以上のクチコミを掲載する栃木県最大級のタウン情報サイトに成長している。
「栃ナビ!」開設の狙いについて山本社長は、「循環型経済圏の構築」と説明する。
「東京などの首都圏で仕事を受注して事業を発展させていくことも経営手段の1つだと思う。しかし、その手段では自分たちの地域、当社でいえば栃木の経済が循環しない。そこで地域の企業が地域の中で経済を循環できるような仕組みが必要だと考えた」
デジタル印刷機でBtoCに活路
同社は2005年に富士ゼロックス製のデジタル印刷機を導入し、生産機としての運用を開始。そして2009年にはデジタル印刷機を活用したオリジナルフォトブック制作サービス「nocoso(ノコソ)」を立ち上げている。極小ロットの代表的な印刷物であるフォトブックはその当時、多くの印刷会社が敬遠するようなビジネスであった。しかし、同社は、あえてそのビジネスに活路を求めていった。
「それまでの印刷会社の商取引はBtoBが原則で、BtoC、つまりコンシューマーを自社のビジネスの対象として見ていなかった。当社も単純に印刷だけをビジネスと考えていたら、コンシューマーに目を向けることはなかった。しかし、『栃ナビ!』を展開していく中で、やり方によってBtoCには、大きなビジネスチャンスが存在していることがわかった。そのBtoCのビジネスをかたちにできるのが、デジタル印刷機であり、その事業としてフォトブックに着目した」
nocosoは、撮影した写真をWebでオリジナル写真集の制作・発注ができるサービス。表紙、タイトル、文章なども自由にアレンジできるので世界に一冊の写真集を作ることができる。2012年には「iGen4」を導入し生産機能を強化。そして2018年には、Iridesseを導入。CMYKトナーに加えて最大2色の特殊トナーを使用することができる1パス6色エンジンを搭載したIridesseの特長を活かし、新たな付加価値創造に取り組んでいる。nocosoでの取り扱いアイテムを拡充し、フォトブック以外にもフォトパネル、カレンダー、トランプ、缶バッジなどを追加。現在では約8万人の会員数を誇っている。
「iGenでは出来ない様々なマテリアルと特殊トナー各色を融合することで、新たな価値創造が実現できると確信し、Iridesseを導入した」
実際に同社では、富士ゼロックスの技術的サポートを受けた上で、フィルム系の素材をはじめ、多彩なマテリアルを使用した印刷にチャレンジしている。変わった事例では、水にぬらして絵柄を転写されるシール「水転写シール」なども、CMYK+ゴールドの配色で作成している。
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