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ミマキ、新たなイノベーション創出へ|小型UVフラット機関連3製品発表

2021年10月4日製品・テクノロジー

画質の向上と自動化[UJF-3042MkIIe / UJF-6042MkIIe]

 ハイエンドクラスの「UJF-7151 plusII」に対し、同2機種はエントリーからミッドレンジクラスの小型LED UVフラット機。「MFD2」による画質向上と、MDLコマンドによる自動化をコンセプトとし、「画質と安定性の向上と高い生産性、自動化省力化を推進する上でのエントリーモデル」(近藤氏)として位置付けている。

「UJF-3042MkII e」(左)と「UJF-6042MkII e」

 印刷領域の異なる2機種は、「UJF-3042MkIIe」が幅300×奥行420ミリ、「UJF-6042MkIIe」が幅610×奥行420ミリ。画質向上を図るため、ドットの配置位置をコントロールする「MFD2」処理に対応し、粒状感を低減した美しい画質を実現。また、ヘッド構成はスタガ配列を採用し、カラーと特色の2層同時印刷で高い生産性を維持する。

 安定した高画質プリントを可能にする同社独自のNCU、NRS、MAPS4(Mimaki Advanced Pass System4)などの機能を継承。さらに「MDLコマンド」に対応したことで、ワーク搬送などプリント工程の自動化や省力化も可能になった。

 このほか、RIPソフトウェア「RasterLink7」が標準添付されており、差し込み印刷が新しく機能追加され、ナンバーリングやカード印刷など、バリアブル印刷にも対応。新規追加オプションとして「脱臭機」も用意されている。

 UVインクの密着性を向上させるインクジェットプライマー「PR-200」を含め、UVインクのバリエーションを豊富に取り揃え、アクリルなどの樹脂、皮革、木材に加えて金属、ガラスなど多様なメディアへのプリントが可能。これにより、手帳カバー、カバンなどの柔らかいメディアや、室内サイン、トロフィー、文具、アクリルキーホルダーといった硬いメディアにもプリントできる。厚さは153ミリまでの立体メディアにダイレクトプリントが可能である。

 発売は2021年冬を予定。価格(税込)は「UJF-3042MkIIe」が261万8,000円、「UJF-6042MkIIe」が451万円。

デジタルでコーティング[DCF-605PU スプレーコートセット]

 アクリルキーホルダーやスマートフォンケースなどの樹脂製品や金属製品の表面コーティングを行うデジタルコーティングマシン「DCF-605PU スプレーコートセット」モデル。10月から販売を開始する。

「DCF-605PU スプレーコートセット」モデル

 同製品は、グループ会社で、半導体実装装置の開発・製造・販売を手掛けるアルファーデザイン(株)(本社/長野県東御市、森澤修二郎社長)が培った塗布制御技術と、カッティングプロッタをベースに同社が保有する独自のXYZ軸制御技術を応用した精密な位置決め機能のコラボレーションにより高精度なコーティングを可能にしたもの。独自開発のアプリケーションソフト技術、生産には同社の量産技術を投入することで、使いやすさと低価格を両立。「デジタルコーティングマシン」というオンデマンド型コーティングマシンの新たな市場創出がコンセプトとなっている。

 スプレー方式による薄膜塗布が最大の特長で、コーティングには必要最低限の液体量のみを使用するためコスト効率に優れ、手作業による刷毛塗りやスプレー塗布に比べて、気泡のない均一な薄膜でのコーティングが可能だ。

 また、スプレー方式による非接触でのコーティングであることから、高さの変化や凹凸のある被対象物にも表面保護および退色防止の機能を付加できる。その処理速度はA4サイズで59秒、A3サイズで1分32秒と高速塗布が可能で高生産性も兼ね備えている。

 樹脂や金属素材を用いた製品は、割れや傷、退色やインク剥がれの予防が必要な場合、製品表面にコーティングを施すトップコート加工が求められる。しかしながら、これまでインクジェット方式では、トップコート剤など高粘度な液体の安定吐出は難しいとされてきた。

 同製品は、こうした環境温度とともに粘度が変化する液体を常時一定のコーティング量にコントロールする自動塗布量調整機能を備えたバルブ・ノズルを搭載することで、被対象物に非接触での安定した液体塗布を実現した。

 また、独自開発した無色透明のトップコート剤「TCU-100」を使用。無溶剤型のため溶剤の揮発時間を待つことなく、塗布後すぐにUV硬化処理が可能となる。また、鉛筆硬度4Hの耐擦過性に加え、耐溶剤性に優れたコーティングを膜厚約10μmの超極薄で実現できるため、液剤の消費量を大幅に抑え、低ランニングコストを実現する。

 前後に同社のUVプリンタ(前工程)やUV硬化装置(後工程)を導入することで、印刷からコーティングまで生産工程の全自動化にも対応する。ターゲットは、アクリルキーホルダーやスマホケース、金属銘板など。表面保護、退色防止など、UV印刷による成果物に新たな付加価値を提供する。価格(税込)は385万円。

 オンラインによる新製品説明では、具体的な用途利用を想定した実機デモの要望が多く寄せられ、関心の高さがうかがえた。同社では今後、処理サイズの拡張やロール対応製品の開発も進めていく考え。

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 ハイエンドクラスの「UJF-7151 plusII」に対し、同2機種はエントリーからミッドレンジクラスの小型LED UVフラット機。「MFD2」による画質向上と、MDLコマンドによる自動化をコンセプトとし、「画質と安定性の向上と高い生産性、自動化省力化を推進する上でのエントリーモデル」(近藤氏)として位置付けている。

「UJF-3042MkII e」(左)と「UJF-6042MkII e」

 印刷領域の異なる2機種は、「UJF-3042MkIIe」が幅300×奥行420ミリ、「UJF-6042MkIIe」が幅610×奥行420ミリ。画質向上を図るため、ドットの配置位置をコントロールする「MFD2」処理に対応し、粒状感を低減した美しい画質を実現。また、ヘッド構成はスタガ配列を採用し、カラーと特色の2層同時印刷で高い生産性を維持する。

 安定した高画質プリントを可能にする同社独自のNCU、NRS、MAPS4(Mimaki Advanced Pass System4)などの機能を継承。さらに「MDLコマンド」に対応したことで、ワーク搬送などプリント工程の自動化や省力化も可能になった。

 このほか、RIPソフトウェア「RasterLink7」が標準添付されており、差し込み印刷が新しく機能追加され、ナンバーリングやカード印刷など、バリアブル印刷にも対応。新規追加オプションとして「脱臭機」も用意されている。

 UVインクの密着性を向上させるインクジェットプライマー「PR-200」を含め、UVインクのバリエーションを豊富に取り揃え、アクリルなどの樹脂、皮革、木材に加えて金属、ガラスなど多様なメディアへのプリントが可能。これにより、手帳カバー、カバンなどの柔らかいメディアや、室内サイン、トロフィー、文具、アクリルキーホルダーといった硬いメディアにもプリントできる。厚さは153ミリまでの立体メディアにダイレクトプリントが可能である。

 発売は2021年冬を予定。価格(税込)は「UJF-3042MkIIe」が261万8,000円、「UJF-6042MkIIe」が451万円。

デジタルでコーティング[DCF-605PU スプレーコートセット]

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「DCF-605PU スプレーコートセット」モデル

 同製品は、グループ会社で、半導体実装装置の開発・製造・販売を手掛けるアルファーデザイン(株)(本社/長野県東御市、森澤修二郎社長)が培った塗布制御技術と、カッティングプロッタをベースに同社が保有する独自のXYZ軸制御技術を応用した精密な位置決め機能のコラボレーションにより高精度なコーティングを可能にしたもの。独自開発のアプリケーションソフト技術、生産には同社の量産技術を投入することで、使いやすさと低価格を両立。「デジタルコーティングマシン」というオンデマンド型コーティングマシンの新たな市場創出がコンセプトとなっている。

 スプレー方式による薄膜塗布が最大の特長で、コーティングには必要最低限の液体量のみを使用するためコスト効率に優れ、手作業による刷毛塗りやスプレー塗布に比べて、気泡のない均一な薄膜でのコーティングが可能だ。

 また、スプレー方式による非接触でのコーティングであることから、高さの変化や凹凸のある被対象物にも表面保護および退色防止の機能を付加できる。その処理速度はA4サイズで59秒、A3サイズで1分32秒と高速塗布が可能で高生産性も兼ね備えている。

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 また、独自開発した無色透明のトップコート剤「TCU-100」を使用。無溶剤型のため溶剤の揮発時間を待つことなく、塗布後すぐにUV硬化処理が可能となる。また、鉛筆硬度4Hの耐擦過性に加え、耐溶剤性に優れたコーティングを膜厚約10μmの超極薄で実現できるため、液剤の消費量を大幅に抑え、低ランニングコストを実現する。

 前後に同社のUVプリンタ(前工程)やUV硬化装置(後工程)を導入することで、印刷からコーティングまで生産工程の全自動化にも対応する。ターゲットは、アクリルキーホルダーやスマホケース、金属銘板など。表面保護、退色防止など、UV印刷による成果物に新たな付加価値を提供する。価格(税込)は385万円。

 オンラインによる新製品説明では、具体的な用途利用を想定した実機デモの要望が多く寄せられ、関心の高さがうかがえた。同社では今後、処理サイズの拡張やロール対応製品の開発も進めていく考え。

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