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樋口印刷所(大阪)、発注者の「妥協」を払拭[Jet Press導入事例]

「特色」運用と小ロット対応に効果〜新市場開拓でオフとの相乗効果へ

2022年4月11日企業・経営

 (有)樋口印刷所(大阪市東住吉区桑津、樋口裕規社長)は昨年12月、「SDGsへの貢献」を旗印に、富士フイルムの商業印刷向け枚葉インクジェットデジタルプレス「Jet Press 750S」を導入。見積もり段階で取りこぼしていた小ロット案件をカバーするとともに、色再現の安定性を活かした「特色」の効率運用、高価な「特殊原反」の損紙削減、さらにはRGB表現における広色域を武器とした新市場開拓など、数多くの導入効果を弾き出している。

樋口社長(左)と鉛口氏

SDGs=デジタル印刷投資

 樋口印刷所の創業は昭和45年。職人気質だった先代・樋口義一氏がハイデルベルグ社製印刷機「KORD」1台から起業した、下請けを専門とする商業印刷会社だ。現在、オフセット印刷機はすべて菊半サイズの油性機で、「スピードマスターXL75」(4色機)をはじめ、「スピードマスターCX75」(4色機)、「スピードマスターSX74」(2色機)、「スピードマスターPM74」(両面兼用2色機)、これら計4台すべてがハイデルベルグ社製で統一されている。

 とくに「特色」を得意としてきた同社では、倍径圧胴を備える「スピードマスターXL75」の導入を契機に受注の守備範囲を拡げ、結果、パッケージをはじめタック紙、ユポ、ホイル紙、アルミ、和紙、不織布といった薄紙から厚紙までの様々な特殊原反への印刷需要が急増。創業当初からシビアな品質要求、しかも短納期といった「他社では嫌がられる仕事」を数多くこなすことで企業価値を高めてきた同社だが、およそ8年前からは「特殊原反」へのオフセット印刷においても「駆け込み寺」的存在として、その技術力は高い評価を得ている。

 そんな同社が、自社の将来に向けた新たな成長エンジンとして着目したのがデジタル印刷技術だ。「自社の成長戦略として、水なし印刷やUV印刷という選択肢もあったが、マーケットを広げるという意味では、デジタル印刷が最有力候補だった」と樋口社長は振り返る。その選択を決定付けたのがSDGsへの関心の高まりだ。

 「顧客からのグリーンプリンティングに対する要求が高まる中、『損紙ゼロ=インキの無駄を削減』『プレートレス=廃液ゼロ』といったデジタル印刷技術の環境対応適正によって、当社のような町工場でもSDGsにわずかながらでも貢献できるのではないかと考えた」(樋口社長)

 デジタル印刷への投資は、コロナ禍で加速する小ロット化の流れに対し、見積もり段階で取りこぼしていたこれら小ロットの仕事をカバーする狙いが根底にあった。さらに、人材確保という面からも、その効果に期待を寄せている。「今後、熟練を要するオフセット印刷のオペレータを確保することが難しくなる。育成という面でもデジタル印刷は有利だし、デジタル投資によるブランディングという側面からも投資効果が期待できる」と説明する。

 機種選択については、ほぼ「Jet Press一択」だったようだ。デジタルプレス事業部の鉛口茂雄氏は、「ハイデルベルグユーザーということもあり、デジタルプレス分野でその協業関係にあった富士フイルムのインクジェットヘッド『SAMBA』には以前から注目していた。その先進性と実績を知り、ほぼ一択だったと言える。搬送部を含め、オフセットライクな機械構造にも親しみを感じた」と説明する。

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樋口社長(左)と鉛口氏

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 樋口印刷所の創業は昭和45年。職人気質だった先代・樋口義一氏がハイデルベルグ社製印刷機「KORD」1台から起業した、下請けを専門とする商業印刷会社だ。現在、オフセット印刷機はすべて菊半サイズの油性機で、「スピードマスターXL75」(4色機)をはじめ、「スピードマスターCX75」(4色機)、「スピードマスターSX74」(2色機)、「スピードマスターPM74」(両面兼用2色機)、これら計4台すべてがハイデルベルグ社製で統一されている。

 とくに「特色」を得意としてきた同社では、倍径圧胴を備える「スピードマスターXL75」の導入を契機に受注の守備範囲を拡げ、結果、パッケージをはじめタック紙、ユポ、ホイル紙、アルミ、和紙、不織布といった薄紙から厚紙までの様々な特殊原反への印刷需要が急増。創業当初からシビアな品質要求、しかも短納期といった「他社では嫌がられる仕事」を数多くこなすことで企業価値を高めてきた同社だが、およそ8年前からは「特殊原反」へのオフセット印刷においても「駆け込み寺」的存在として、その技術力は高い評価を得ている。

 そんな同社が、自社の将来に向けた新たな成長エンジンとして着目したのがデジタル印刷技術だ。「自社の成長戦略として、水なし印刷やUV印刷という選択肢もあったが、マーケットを広げるという意味では、デジタル印刷が最有力候補だった」と樋口社長は振り返る。その選択を決定付けたのがSDGsへの関心の高まりだ。

 「顧客からのグリーンプリンティングに対する要求が高まる中、『損紙ゼロ=インキの無駄を削減』『プレートレス=廃液ゼロ』といったデジタル印刷技術の環境対応適正によって、当社のような町工場でもSDGsにわずかながらでも貢献できるのではないかと考えた」(樋口社長)

 デジタル印刷への投資は、コロナ禍で加速する小ロット化の流れに対し、見積もり段階で取りこぼしていたこれら小ロットの仕事をカバーする狙いが根底にあった。さらに、人材確保という面からも、その効果に期待を寄せている。「今後、熟練を要するオフセット印刷のオペレータを確保することが難しくなる。育成という面でもデジタル印刷は有利だし、デジタル投資によるブランディングという側面からも投資効果が期待できる」と説明する。

 機種選択については、ほぼ「Jet Press一択」だったようだ。デジタルプレス事業部の鉛口茂雄氏は、「ハイデルベルグユーザーということもあり、デジタルプレス分野でその協業関係にあった富士フイルムのインクジェットヘッド『SAMBA』には以前から注目していた。その先進性と実績を知り、ほぼ一択だったと言える。搬送部を含め、オフセットライクな機械構造にも親しみを感じた」と説明する。

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