「スマートファクトリー」の実現に向けて協業
日本人の品質へのこだわりは、時に海外から「品質クレイジー」と揶揄されることもあると聞いたことがある。印刷物に何らかの「後加工」を加えることが大半である昨今、クライアントが印刷会社に求めるのは「印刷」の品質だけではない。「最終成果物」の品質が重要であり、そこに1つでも不良があると全数検品となることも珍しくはない時代になってきた。
そんな中、(株)ホリゾン(京都市南区、堀英二郎社長)と、ダックエンジニアリング(株)(京都市南区、氷上好孝社長)は、デジタル印刷機からインラインでつながれたホリゾンの後加工ラインに、ダックエンジニアリングの全面フルカラーバリアブル印刷検査装置を搭載し、可能な限り「最終成果物」に近い工程で検査するシステムを構築。昨年10月の「Horizon Smart Factory(HSF) 2021」、今年2月の「page2022」で発表して注目を集めた。
そこで今回、ダックエンジニアリングの氷上社長、ホリゾンのコーポレートデザイン部 ソリューション課 課長の大津英明氏に取材し、ポストプレス視点から見た検査システムの重要性や、「スマートファクトリーの実現」という共通の目的に向かって進む両社の構想を語ってもらった。
全面フルカラーバリアブル印刷検査装置の開発が協業のきっかけに
両社はともに、京都市南区に本社を構える企業。お互いの存在は古くから知っていた。氷上社長としては、ホリゾンの後加工機に自社の検査装置を搭載して欲しいとの思いはかなり前から持っていたようである。「かれこれ10年以上前からアプローチしていたと思う」(氷上社長)
それでも、協業したいという思いはなかなか実現しなかったが、そんな両社の直接的な出会いとなったのが、ホリゾンがスマートファクトリーを体感できるイベントとして、京都の「みやこめっせ」で2019年11月に開催した「Think Smart Factory 2019 IN KYOTO」であった。
「業界関係者の方の紹介で出展させてもらうことになった。ただ、このときは協業ではなく単独出展であった」(氷上社長)。しかし、その後に同社は「全面フルカラーバリアブル検査装置」の開発に成功。これが、両社の関係を急接近させるきっかけになった。昨年10月にホリゾンびわ湖工場で開催された「HSF2021」において、ホリゾンの製本システムにこのバリアブル印刷検査装置を搭載し、パートナー企業として出展することになったのである。
これについてホリゾンの大津氏は、「当社ではかねてより、印刷から後加工までの自動化を業界に提案してきたが、省力化・省人化の先には、検査をどうするのかという課題が常に付きまとっていた。バリアブル印刷の検査については、半ば諦めの気持ちもあったのだが、この検査装置により、当社としても、より省力化・省人化を提案しやすくなった」と話す。
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そこで今回、ダックエンジニアリングの氷上社長、ホリゾンのコーポレートデザイン部 ソリューション課 課長の大津英明氏に取材し、ポストプレス視点から見た検査システムの重要性や、「スマートファクトリーの実現」という共通の目的に向かって進む両社の構想を語ってもらった。
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