中川紙宗(京都)、老舗企業の新たな挑戦 〜 自社製品開発で新ブランディング
フラットベッドUV-LED IJプリンタ「UJF-7151 plus II」導入事例
2022年9月30日ケーススタディ
小型UVフラット機のハイパフォーマンスモデル
「UJF-7151 plus II」は、カラーグロス機能による新たな表現、1,800dpiの高精細プリント、「MFD2(Mimaki Fine Diffusion 2)」による粒状感のない品質、「MDL(Mimaki Device Language)コマンド」によるワーク搬送の自動化機能などを備えた、小型UVフラット機のハイパフォーマンスモデル。ヘッド構成を従来モデルの6ヘッドから8ヘッドに拡張したことで、4色カラー構成では速度重視の4色ダブル(4色×2)や、LcとLmが含まれた6色カラー構成ではより繊細な色表現が用意された。今回、中川紙宗が導入したのは、CMYK+Lc+Lm+白+プライマーの仕様だ。

使用インクの関係で同社では活用していないが、おもしろい機能としてカラーインクのみでグロス調を表現する「カラーグロス機能」がある。UVプリンタの場合、インクをヘッドから吐出した瞬間に硬化させるため、インク被膜が平滑化されず、マットな表現になってしまう。そこでカラーグロス機能は、インクを瞬間的に硬化させず、インクが滲まない程度に平滑化されるまで時間を掛けながら硬化させていくUV照射技術。クリアインクでのグロス調とは違う風合いとディテールを実現する。
一方、画質向上を図るため、ドットの着弾位置をコントロールする「MFD2」に対応するとともに、1,800dpiの印刷モードを新たに搭載したことで、より粒状感や色ムラの少ない、高精細なクオリティーを実感できるのも大きな特長である。
また、新技術の「MFD2」は、ハーフトーニング処理において、誤差拡散とディザパターンの両方の処理方法を組み合わせた技術。1,800dpiとこの機能により細線の再現性が飛躍的に向上しているという。
アートパネルで高い品質評価
同社にとって今回の設備投資の目的は「事業変革への挑戦」にあるため、当然、「仕事ありき」の投資ではないことから、企画部門では様々な形状への印刷適性やインク密着性などのテストを繰り返しているという。
「UJF-7151 plus II」は15.3センチ厚までのメディアに印刷できるため、完成した箱やパッケージ、紙袋などへのダイレクト印刷も可能だ。また現在、マーケットプレイス「Creema」(https://www.creema.jp/creator/4641675)で缶バッチやマグネットなど小さな商材を販売しているが、「あくまで個人ユースに留まっている」(中川社長)とし、今後の事業展開においてはBtoBの市場を開拓していく考えを示している。

その足掛かりとして、ネットショップ作成サービス「minne」上で、アートパネルの販売(https://minne.com/@e-kamiso)を開始している。前述の通り、「UJF-7151 plus II」は、1,800dpiの高精細プリント、「MFD2」による粒状感のない品質が特長で、その画質はアートパネル、複製画などの分野で評価が高い。中川社長は、「UJF-7151 plus IIの品質および機能面は、期待値を大きく上回っており、スタッフの創作意欲を掻き立て、果敢に挑戦できるプリンタであると言える」と評価した上で、「今後の課題は後加工のノウハウだと思う」と語っている。

今後は、BtoBビジネスへのアプローチとして、積極的に様々な展示会へ出展することで、印刷ビジネスとは少し異なる新たな販売ルートの開拓に乗り出し、「紙だけではない印刷会社」としてのブランディングを進めていく考えだ。
「印刷会社が見て、『これ、どうやって作ったの?』と驚かれるようなものを作りたい。その出力機としてUJF-7151 plus IIに大きな期待を寄せている」(中川社長)
新着トピックス
2025年10月1日製品・テクノロジー
産業⽤インクジェットプリンタ、カッティングプロッタ、3Dプリンタを手掛ける(株)ミマキエンジニアリング(本社/長野県東御市、池田和明社長)は今年4月、同社初のUV-DTF(UV硬化式...全文を読む
2025年9月30日製品・テクノロジースペシャリスト
最速900メートル/分の超高速印刷が可能なPROSPERヘッドは、日本でもDM市場を中心に数百台が稼働しているが、コダックジャパン・プリント事業部デジタルプリンティング営業本部の河原...全文を読む
最新ニュース
SCREEN、京都芸大・月桂冠と産学連携 - 学生デザインラベルの日本酒商品化
2025年10月8日
京都市立芸術大学(以下「京都芸大」)、月桂冠(株)、(株)SCREENグラフィックソリューションズ(以下「SCREEN」)の3者は、産学連携による共同プロジェクトを実施し、京都芸大・...全文を読む
ミマキ、OGBS2025で昇華転写用IJプリンタ「TS200」を国内初披露
2025年10月2日
(株)ミマキエンジニアリング(本社/長野県東御市、池田和明社長)は、9月30日と10月1日に東京・池袋のサンシャインシティにおいて開催されたオーダーグッズビジネスショー(OGBS)2...全文を読む
swissQprint Japan、VIPオープンハウスウィーク-10月28日〜31日
2025年10月1日
swissQprint Japan(株)(本社/横浜市港北区新横浜3-2-6、アドリアーノ・グット社長)は、顧客の要望に応え、最新世代のフラットベッドプリンタを紹介するオープンハウス...全文を読む
中川紙宗(京都)、老舗企業の新たな挑戦 〜 自社製品開発で新ブランディング
フラットベッドUV-LED IJプリンタ「UJF-7151 plus II」導入事例
2022年9月30日ケーススタディ
小型UVフラット機のハイパフォーマンスモデル
「UJF-7151 plus II」は、カラーグロス機能による新たな表現、1,800dpiの高精細プリント、「MFD2(Mimaki Fine Diffusion 2)」による粒状感のない品質、「MDL(Mimaki Device Language)コマンド」によるワーク搬送の自動化機能などを備えた、小型UVフラット機のハイパフォーマンスモデル。ヘッド構成を従来モデルの6ヘッドから8ヘッドに拡張したことで、4色カラー構成では速度重視の4色ダブル(4色×2)や、LcとLmが含まれた6色カラー構成ではより繊細な色表現が用意された。今回、中川紙宗が導入したのは、CMYK+Lc+Lm+白+プライマーの仕様だ。

使用インクの関係で同社では活用していないが、おもしろい機能としてカラーインクのみでグロス調を表現する「カラーグロス機能」がある。UVプリンタの場合、インクをヘッドから吐出した瞬間に硬化させるため、インク被膜が平滑化されず、マットな表現になってしまう。そこでカラーグロス機能は、インクを瞬間的に硬化させず、インクが滲まない程度に平滑化されるまで時間を掛けながら硬化させていくUV照射技術。クリアインクでのグロス調とは違う風合いとディテールを実現する。
一方、画質向上を図るため、ドットの着弾位置をコントロールする「MFD2」に対応するとともに、1,800dpiの印刷モードを新たに搭載したことで、より粒状感や色ムラの少ない、高精細なクオリティーを実感できるのも大きな特長である。
また、新技術の「MFD2」は、ハーフトーニング処理において、誤差拡散とディザパターンの両方の処理方法を組み合わせた技術。1,800dpiとこの機能により細線の再現性が飛躍的に向上しているという。
アートパネルで高い品質評価
同社にとって今回の設備投資の目的は「事業変革への挑戦」にあるため、当然、「仕事ありき」の投資ではないことから、企画部門では様々な形状への印刷適性やインク密着性などのテストを繰り返しているという。
「UJF-7151 plus II」は15.3センチ厚までのメディアに印刷できるため、完成した箱やパッケージ、紙袋などへのダイレクト印刷も可能だ。また現在、マーケットプレイス「Creema」(https://www.creema.jp/creator/4641675)で缶バッチやマグネットなど小さな商材を販売しているが、「あくまで個人ユースに留まっている」(中川社長)とし、今後の事業展開においてはBtoBの市場を開拓していく考えを示している。

その足掛かりとして、ネットショップ作成サービス「minne」上で、アートパネルの販売(https://minne.com/@e-kamiso)を開始している。前述の通り、「UJF-7151 plus II」は、1,800dpiの高精細プリント、「MFD2」による粒状感のない品質が特長で、その画質はアートパネル、複製画などの分野で評価が高い。中川社長は、「UJF-7151 plus IIの品質および機能面は、期待値を大きく上回っており、スタッフの創作意欲を掻き立て、果敢に挑戦できるプリンタであると言える」と評価した上で、「今後の課題は後加工のノウハウだと思う」と語っている。

今後は、BtoBビジネスへのアプローチとして、積極的に様々な展示会へ出展することで、印刷ビジネスとは少し異なる新たな販売ルートの開拓に乗り出し、「紙だけではない印刷会社」としてのブランディングを進めていく考えだ。
「印刷会社が見て、『これ、どうやって作ったの?』と驚かれるようなものを作りたい。その出力機としてUJF-7151 plus IIに大きな期待を寄せている」(中川社長)
新着トピックス
-
樋口印刷所(大阪)、下請け100%のJet Pressビジネスとは
2025年10月8日 ケーススタディ
-
ダイコウラベル、新市場への進出に貢献〜デジタルの強みで顧客メリットを創出
2025年10月7日 ケーススタディ
-
ミマキ、UV-DTF市場に参入〜プリント形状の課題を解決
2025年10月1日 製品・テクノロジー
-
コダック、パッケージ分野で新アプリケーション開拓へ
2025年9月30日 製品・テクノロジースペシャリスト
-
青森県コロニー協会、多様性のある職場環境の構築を支援 [インプレミアIS29s導入事例]
2025年9月30日 ケーススタディ
新着ニュース
SNSランキング
- 63shares講談社、フルデジタル書籍生産システムが新たな領域に
- 44shares富士フイルムBI、デジタル印刷ワークフローソフトウェアが「IDEA」ファイナリストに
- 40shares樋口印刷所(大阪)、下請け100%のJet Pressビジネスとは
- 38shares門那シーリング印刷(大阪)、除電機能で作業効率向上[Revoria Press PC1120導入事例]
- 37sharesSCREEN GAとSCREEN GPJ、「パッケージに彩りを」テーマに「JAPAN PACK 2025」に出展
- 35sharesSCREEN、インクジェット技術を核とした未来のオープンイノベーション拠点開設
- 30sharesコニカミノルタジャパン、機能強化モデル「AccurioPress C7100 ENHANCED」発売
- 28sharesパラシュート、Webプラットフォームをベースとした販促資材管理サービスの提供開始
- 26shares富士フイルムBI、国内外のデジタル印刷作品を評価するコンテストで日本から過去最多の7作品が入賞
- 24shares尾崎スクリーン、熱転写の新たな領域へ[HP Indigo 7K デジタル印刷機導入事例]










