竹田印刷、IPAに2年連続入賞〜印刷を通じて誰もが輝ける社会の創造へ
アール・ブリュットとSDGsを融合
2023年4月24日企業・経営
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アール・ブリュットの魅力を広く社会に発信
今回、デザイナーとして作品制作に参加した安井氏が、本格的にアール・ブリュット作品、つまり障がい者作家のアート作品を手掛けるようになったのは約2年前のこと。ある展示会に出展する企業からの「出展ブースにアール・ブリュットを使った展示をしたい」という依頼がきっかけだったという。
「アール・ブリュット」とは、「生の芸術」を意味するフランス語で、「正規の美術教育を受けていない人の芸術」など、その解釈は様々だが、日本では「障がい者の表現」として知られている。
その企業は当初、多くの障がい者作家のアート作品をプロダクト化して提供している団体に依頼をしたが、予算面で折り合いが合わず断念したという。
学生時代からアール・ブリュットに高い関心を寄せていた安井氏は、「コストを理由に素晴らしいアート作品が、世に出る機会を失っていることが非常に残念」との想いから、自身でアート作品を提供できるルートを開拓しようと活動を開始。そして学生時代の友人から、ある福祉施設を紹介された。以後、安井氏は福祉施設への訪問を重ねると同時に真摯に自身の想いを伝えた結果、アート作品提供の協力を得ることができた。
安井氏は、そのアート作品を使用したデザインほか、数点の展示ブースデザイン を出展企業に提案し、最終的に採用されたのは障がい者作家のアート作品であった。そして、そのデザインこそが今回のIPA2022において、ダイレクトメール部門第1位の作品に採用されているアール・ブリュット作品だ。
「初めてアール・ブリュットを実際のビジネスに活用するきっかけとなった作品でIPAに入賞できたことは、非常に感慨深い」(安井氏)第1位獲得の吉報は、作家とその両親にも伝えられ、喜びと感謝のことばを述べていたという。また、今回は、作家にも同様に表彰状が贈られている。
アート作品を生かす印刷
今回の入賞作品は、アール・ブリュットの採用のほか、用紙にエシカルペーパーを使用したSDGsに貢献するダイレクトメールとして制作されていることも大きな特徴の1つだ。
印刷に使用した富士フイルムBIの1パス6色エンジン搭載のプロダクションプリンターは、その優れた用紙対応力をもって、表面に凹凸感のあるエシカルペーパーに対しても問題なく高品質に印刷することができた。
エシカルペーパーへの対応については、とくに問題視していなかった坂下氏が一番懸念していたのは、「アート作品を生かす印刷」だという。
「デザインと用紙の色が似ているときなど、ホワイトトナーを下刷りしてCMYKの上刷りし、鮮明な印刷を行っていた。しかし、実際に印刷してみると思っていたイメージと違う。そこでホワイトトナーを使用せず、CMYKだけで印刷をしてみたらデザインと用紙の風合いを活かした印刷ができた。このように試行錯誤を繰り返しながら作業を続けてきた」(坂下氏)
飯塚氏も「エシカルペーパーなどは、印刷をしてみて初めてそのデザインとマッチングした表現力が確認できる。色紙だからホワイトトナーを下刷りする、といった従来の概念を払拭し、さまざまな表現方法を試していく。その工程がワクワクする」と、様々な視点から印刷表現の可能性を模索することで新たな価値が生まれてくると説明する。
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「アール・ブリュット」とは、「生の芸術」を意味するフランス語で、「正規の美術教育を受けていない人の芸術」など、その解釈は様々だが、日本では「障がい者の表現」として知られている。
その企業は当初、多くの障がい者作家のアート作品をプロダクト化して提供している団体に依頼をしたが、予算面で折り合いが合わず断念したという。
学生時代からアール・ブリュットに高い関心を寄せていた安井氏は、「コストを理由に素晴らしいアート作品が、世に出る機会を失っていることが非常に残念」との想いから、自身でアート作品を提供できるルートを開拓しようと活動を開始。そして学生時代の友人から、ある福祉施設を紹介された。以後、安井氏は福祉施設への訪問を重ねると同時に真摯に自身の想いを伝えた結果、アート作品提供の協力を得ることができた。
安井氏は、そのアート作品を使用したデザインほか、数点の展示ブースデザイン を出展企業に提案し、最終的に採用されたのは障がい者作家のアート作品であった。そして、そのデザインこそが今回のIPA2022において、ダイレクトメール部門第1位の作品に採用されているアール・ブリュット作品だ。
「初めてアール・ブリュットを実際のビジネスに活用するきっかけとなった作品でIPAに入賞できたことは、非常に感慨深い」(安井氏)
第1位獲得の吉報は、作家とその両親にも伝えられ、喜びと感謝のことばを述べていたという。また、今回は、作家にも同様に表彰状が贈られている。
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印刷に使用した富士フイルムBIの1パス6色エンジン搭載のプロダクションプリンターは、その優れた用紙対応力をもって、表面に凹凸感のあるエシカルペーパーに対しても問題なく高品質に印刷することができた。
エシカルペーパーへの対応については、とくに問題視していなかった坂下氏が一番懸念していたのは、「アート作品を生かす印刷」だという。
「デザインと用紙の色が似ているときなど、ホワイトトナーを下刷りしてCMYKの上刷りし、鮮明な印刷を行っていた。しかし、実際に印刷してみると思っていたイメージと違う。そこでホワイトトナーを使用せず、CMYKだけで印刷をしてみたらデザインと用紙の風合いを活かした印刷ができた。このように試行錯誤を繰り返しながら作業を続けてきた」(坂下氏)
飯塚氏も「エシカルペーパーなどは、印刷をしてみて初めてそのデザインとマッチングした表現力が確認できる。色紙だからホワイトトナーを下刷りする、といった従来の概念を払拭し、さまざまな表現方法を試していく。その工程がワクワクする」と、様々な視点から印刷表現の可能性を模索することで新たな価値が生まれてくると説明する。
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