DM制作で「RICOH BUSINESS BOOSTER」を展開
(株)リコーでは、社内外からイノベーターを募り、リコーグループのリソースを活用した新たな価値創造につなげるリコーアクセラレータープログラム「TRIBUS」を展開している。リコージャパンからの依頼は、そのプログラムで正式採用された(株)クリエ・ジャパンが提供するパーソナライズド動画生成ソリューション「PRISM」の製品紹介セミナーの集客と事前に「PRISM」を体感できる仕組みをDMに付加するものだった。
「PRISM」は、MA連携によるあらゆるデータを活用し、個々の視聴者ごとに最適化した専用動画を自動で合成・生成する日本初のパーソナライズド動画生成エンジン。
リコージャパン(株)旧PP事業部CIPマーケティング推進室CX推進グループリーダーの畠中竜吾氏は「クリエ・ジャパンが提供する1to1の動画サービスと当社が提供する1to1のQRコードは、親和性が高いと感じた。もし実現できれば、当社が提唱している共創による課題解決型提案活動『RICOH BUSINESS BOOSTER』のビジネスモデルになると考えた」と今回のDMにかけた強い想いを説明する。
RICOH BUSINESS BOOSTERとは、印刷事業者やビジネスパートナーとの共創活動の総称で、印刷事業者のビジネス拡大に向けて「仕事を創る」「仕事を回す」「仕事が見える」の3つの軸で課題解決に取り組むもの。具体的には、顧客である印刷事業者の課題ごとにリコーのプロダクションプリンターや各種ソフトウエア、サービスと、ビジネスパートナー各社の機器、ソフトウエア、サービスを組み合わせたソリューションを3つの軸で最適化して提供していく取り組み。今回のDMでは、クイックス、リコージャパン、クリエ・ジャパンの3社の共創プロジェクトによって制作されている。
デザインは「手帳」を採用
DM制作が決定したことを受け、加藤氏はすぐにデザインプランを作成。しかし、最初の提案は、不採用という厳しい結果であった。
「コンセプトなどをしっかりと理解していない中での制作であったため、最初のデザインは、単に高級感を演出しただけの普通のA4サイズのDMであった」(加藤氏)
畠中氏は「予算や納期など非常に厳しい状況での依頼であったが、全日本DM大賞で入賞するには、開いた時の驚きを与えることが必要となる。そのため最初の提案内容では、だめだと正直に伝えた。その上で改めて今回のDMにかける想いを伝え、再提案をお願いした」と、当時を振り返る。
畠中氏の想いを受け、加藤氏と太田氏は、再提案するためのデザインについて検討を重ねていった。ただ時間だけが過ぎていく両氏の協議が暗礁に乗り上げているとき、クイックス・稲垣秀利執行役員から「A5サイズのDMを検討してみては」と、自身の手帳を見せながらアドバイスをしてくれたという。改めてその手帳を見るとA5サイズで、開いて使うという行動は、圧着DMの開封と同じ動作だ。すぐに加藤氏はデザイナーに連絡し、改めてデザイン制作を依頼。そしてA5サイズの手帳をモチーフとした圧着DM案が完成した。
太田氏は当初、型抜きなどの後加工を施し、視覚的な効果をもったDMも候補として検討していたことを明らかにした上で「しかしコストと納期を考慮すると現実的ではなかった。そうなると今回のDMのターゲットである経営者層に受け入れられるデザインで、かつ開封率を高める仕組みを持たせなければならない。手帳のデザインであれば、開くというアクションにつながっていく」と、手帳をモチーフとした圧着DMに込めた想いを説明する。
開けさせるためのストーリーも重視
完成した圧着DMは、経営者層の手帳をイメージし、「離席中にリコージャパンの担当営業からセミナーの案内があり、付箋のメモを見た経営者がスケジュールに参加予定を書き込む」というストーリーを仕立て、受け取った顧客が取るべき行動へ自然に誘導する仕組みとなっている。
表面は、A5サイズの手帳を再現するために、情報量を絞り、手帳を開く感覚で開封へと導くように手帳を再現した絵柄と担当営業の名前をバリアブルで印刷したシンプルなデザインを採用。そして中面には、担当営業の顔写真を入れることで、安心感と親近感を演出している。加えて中面には、今回のDMの中核となる、読み込むことでパーソナルド動画を視聴できる二次元コードを印刷し、事前に「PRISM」を体験できるようにして、改めてセミナーへの参加意欲を掻き立てるような工夫を凝らしている。
発送対象は、リコージャパンのポータルサイトにおいてバリアブル系コンテンツを閲覧、または過去に関連セミナーを受講した印刷会社の経営者層をターゲットとして抽出。また、DM発送後にはメルマガも配信し、セミナー申込のWebサイトを重ねて案内することで、申込率向上につなげている。
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(株)リコーでは、社内外からイノベーターを募り、リコーグループのリソースを活用した新たな価値創造につなげるリコーアクセラレータープログラム「TRIBUS」を展開している。リコージャパンからの依頼は、そのプログラムで正式採用された(株)クリエ・ジャパンが提供するパーソナライズド動画生成ソリューション「PRISM」の製品紹介セミナーの集客と事前に「PRISM」を体感できる仕組みをDMに付加するものだった。
「PRISM」は、MA連携によるあらゆるデータを活用し、個々の視聴者ごとに最適化した専用動画を自動で合成・生成する日本初のパーソナライズド動画生成エンジン。
リコージャパン(株)旧PP事業部CIPマーケティング推進室CX推進グループリーダーの畠中竜吾氏は「クリエ・ジャパンが提供する1to1の動画サービスと当社が提供する1to1のQRコードは、親和性が高いと感じた。もし実現できれば、当社が提唱している共創による課題解決型提案活動『RICOH BUSINESS BOOSTER』のビジネスモデルになると考えた」と今回のDMにかけた強い想いを説明する。
RICOH BUSINESS BOOSTERとは、印刷事業者やビジネスパートナーとの共創活動の総称で、印刷事業者のビジネス拡大に向けて「仕事を創る」「仕事を回す」「仕事が見える」の3つの軸で課題解決に取り組むもの。具体的には、顧客である印刷事業者の課題ごとにリコーのプロダクションプリンターや各種ソフトウエア、サービスと、ビジネスパートナー各社の機器、ソフトウエア、サービスを組み合わせたソリューションを3つの軸で最適化して提供していく取り組み。今回のDMでは、クイックス、リコージャパン、クリエ・ジャパンの3社の共創プロジェクトによって制作されている。
デザインは「手帳」を採用
DM制作が決定したことを受け、加藤氏はすぐにデザインプランを作成。しかし、最初の提案は、不採用という厳しい結果であった。
「コンセプトなどをしっかりと理解していない中での制作であったため、最初のデザインは、単に高級感を演出しただけの普通のA4サイズのDMであった」(加藤氏)
畠中氏は「予算や納期など非常に厳しい状況での依頼であったが、全日本DM大賞で入賞するには、開いた時の驚きを与えることが必要となる。そのため最初の提案内容では、だめだと正直に伝えた。その上で改めて今回のDMにかける想いを伝え、再提案をお願いした」と、当時を振り返る。
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太田氏は当初、型抜きなどの後加工を施し、視覚的な効果をもったDMも候補として検討していたことを明らかにした上で「しかしコストと納期を考慮すると現実的ではなかった。そうなると今回のDMのターゲットである経営者層に受け入れられるデザインで、かつ開封率を高める仕組みを持たせなければならない。手帳のデザインであれば、開くというアクションにつながっていく」と、手帳をモチーフとした圧着DMに込めた想いを説明する。
開けさせるためのストーリーも重視
完成した圧着DMは、経営者層の手帳をイメージし、「離席中にリコージャパンの担当営業からセミナーの案内があり、付箋のメモを見た経営者がスケジュールに参加予定を書き込む」というストーリーを仕立て、受け取った顧客が取るべき行動へ自然に誘導する仕組みとなっている。
表面は、A5サイズの手帳を再現するために、情報量を絞り、手帳を開く感覚で開封へと導くように手帳を再現した絵柄と担当営業の名前をバリアブルで印刷したシンプルなデザインを採用。そして中面には、担当営業の顔写真を入れることで、安心感と親近感を演出している。加えて中面には、今回のDMの中核となる、読み込むことでパーソナルド動画を視聴できる二次元コードを印刷し、事前に「PRISM」を体験できるようにして、改めてセミナーへの参加意欲を掻き立てるような工夫を凝らしている。
発送対象は、リコージャパンのポータルサイトにおいてバリアブル系コンテンツを閲覧、または過去に関連セミナーを受講した印刷会社の経営者層をターゲットとして抽出。また、DM発送後にはメルマガも配信し、セミナー申込のWebサイトを重ねて案内することで、申込率向上につなげている。
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