ショウエイ、クリエイターも満足の高品位出力を実現〜swissQprint「Nyala4」と「Nyala2」活用
幅広い用紙汎用性、厚盛り対応などUV IJの優位性評価
2023年7月25日ケーススタディ
(株)ショウエイ(本社/東京都文京区水道2-5-22、井上亘会長)は大手印刷会社や広告代理店など、品質に「こだわり」をもつクライアントをメインに製版・印刷などの事業を手掛けてきた。その結果、現在はクリエイターの作品を出力する仕事が増えてきており、井上会長は「お客さまに鍛えられながら、自社の品質を高めることができた」と感謝の気持ちを表す。そんな同社の右腕として活躍しているのが、swissQprintの2台のUVインクジェットプリンタ「Nyala4」と「Nyala2」だ。色やメディアによって2機種を使い分け、その特徴を最大限に発揮させている。
同社は1952年8月、製版業を生業として創業したが、現在は製版、製版・印刷、インクジェット、撮影、新規(動画系・CG)などのセグメントに分けて各事業を展開している。この中、インクジェット事業は3割ほどを占めているが、井上会長は「インクジェット事業には今後、さらに注力していきたい。当社は価格ありきではなく品質重視の仕事を中心に置き、生産性も高めていく取り組みに挑戦していきたい」と話す。この姿勢が品質にこだわりの強いクリエイターからも幅広く受け入れられ、今ではインクジェット事業の中核となっている。
同社がインクジェット事業を開始したきっかけは、製版の仕事を受けていた化粧品メーカーから、バックライトフィルムの仕事を受注したことに始まる。後ろから光を当てるため、濃度を出すことが求められ、表裏印刷が必要になる。「表100%、裏50%くらい。手間もかかるし、ロットを考えるとインクジェットが良いのではと考えた。定形だけでなく、イレギュラーなサイズもあるので、オフセット印刷ではコストが合わないと判断し、インクジェット事業を開始することを決定した」(井上会長)
中間色でも色が落ち着きやすい「Nyala2」
そして、同社は2009年11月に初のUVインクジェットプリンタとして、国内メーカーの機種を選択した。当時はまだ、海外メーカーであるswissQprintの存在は知らなかったようだ。それから数年の時が経ち、当時、専務取締役であった井上悟社長がdrupa展に視察に出向いた際、目に止まったのが、swissQprintのUVインクジェットプリンタであった。
「たしかdrupa2014だったと記憶しているが、国内メーカーに勝る品質と生産性を併せ持っているとの情報を持ち帰ってきた。その後の調査で日本にも代理店があることが判明し、2016年にNyala2を導入した」(井上会長)
同社がそれまでに使用していた国内メーカーのインクジェットプリンタは、メディアで搬送するタイプであったため、同じ位置に再びプリントしたいという場合、位置合わせができないという問題もあった。その観点からも「メディアが固定タイプの方がいいねという話もあった」(井上会長)のだという。
実際に、「Nyala2」を操作している同社AP部(ADVANCED PRINTING DEPARTMENT)の瓜生勇人氏は、「グレー系の中間色でも、すぐに色が落ち着く傾向があるようで、色を見たり、色修正が入るものに関しては使い易いという印象がある」としており、発色やメディアによって使い分けることで、それぞれの特長を引き出しているようだ。
環境にやさしい新機種の「Nyala4」
話は前後するが、同社は「Nyala2」を導入後、国内メーカーのUVインクジェットプリンタと2台を使い分けていたが、国内メーカーのUVインクジェットプリンタが2021年の冬に故障してしまった。「メーカーに問い合わせたところ、古い機種のため、もう部品を作っていないということだった。作り直すには費用もかかるし、元のようには戻らない可能性もあった」(井上会長)。そしてこれが、同社が2022年11月に「Nyala4」を導入する契機となった。
「すでにNyala4を導入している同業他社に聞いたところ、非常に高評価であった。LEDのため、消費電力量を削減でき、バキュームの音もかなり静かである。環境にやさしい機種として生まれ変わっていた」(井上会長)
同社はグリーンプリンティングやクリオネマーク、FSC認証を取得するなど、企業として環境に配慮した取り組みを積極的に展開している。このため、同社にとってNyala4の導入は、単に印刷のクオリティを高めただけでなく、環境に配慮する企業としてのレベルアップにもつながったと言えるだろう。
「Nyala4」について瓜生氏は、「Nyala2はメタハラランプのため、メディアによっては伸縮や反りが出てしまうこともあったが、Nyala4はLEDのため収縮がなく、木材などでも反りがなく出力することができる」としている。また、オペレーターとしての立場からも、Nyala4を導入するという話を聞いた際、Nyala2のプリンタとしての信頼、そしてswissQprintという企業をメーカーとしても信頼していたため、違和感なく導入を受け入れることができたようだ。
「メディアや色により、Nyala2が適しているものと、Nyala4が適しているものがある。試行錯誤を繰り返しながら、今後もトライアンドエラーで2機種を上手く使い分けていきたい」(井上会長)
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同社は1952年8月、製版業を生業として創業したが、現在は製版、製版・印刷、インクジェット、撮影、新規(動画系・CG)などのセグメントに分けて各事業を展開している。この中、インクジェット事業は3割ほどを占めているが、井上会長は「インクジェット事業には今後、さらに注力していきたい。当社は価格ありきではなく品質重視の仕事を中心に置き、生産性も高めていく取り組みに挑戦していきたい」と話す。この姿勢が品質にこだわりの強いクリエイターからも幅広く受け入れられ、今ではインクジェット事業の中核となっている。
同社がインクジェット事業を開始したきっかけは、製版の仕事を受けていた化粧品メーカーから、バックライトフィルムの仕事を受注したことに始まる。後ろから光を当てるため、濃度を出すことが求められ、表裏印刷が必要になる。「表100%、裏50%くらい。手間もかかるし、ロットを考えるとインクジェットが良いのではと考えた。定形だけでなく、イレギュラーなサイズもあるので、オフセット印刷ではコストが合わないと判断し、インクジェット事業を開始することを決定した」(井上会長)
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そして、同社は2009年11月に初のUVインクジェットプリンタとして、国内メーカーの機種を選択した。当時はまだ、海外メーカーであるswissQprintの存在は知らなかったようだ。それから数年の時が経ち、当時、専務取締役であった井上悟社長がdrupa展に視察に出向いた際、目に止まったのが、swissQprintのUVインクジェットプリンタであった。
「たしかdrupa2014だったと記憶しているが、国内メーカーに勝る品質と生産性を併せ持っているとの情報を持ち帰ってきた。その後の調査で日本にも代理店があることが判明し、2016年にNyala2を導入した」(井上会長)
同社がそれまでに使用していた国内メーカーのインクジェットプリンタは、メディアで搬送するタイプであったため、同じ位置に再びプリントしたいという場合、位置合わせができないという問題もあった。その観点からも「メディアが固定タイプの方がいいねという話もあった」(井上会長)のだという。
実際に、「Nyala2」を操作している同社AP部(ADVANCED PRINTING DEPARTMENT)の瓜生勇人氏は、「グレー系の中間色でも、すぐに色が落ち着く傾向があるようで、色を見たり、色修正が入るものに関しては使い易いという印象がある」としており、発色やメディアによって使い分けることで、それぞれの特長を引き出しているようだ。
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話は前後するが、同社は「Nyala2」を導入後、国内メーカーのUVインクジェットプリンタと2台を使い分けていたが、国内メーカーのUVインクジェットプリンタが2021年の冬に故障してしまった。「メーカーに問い合わせたところ、古い機種のため、もう部品を作っていないということだった。作り直すには費用もかかるし、元のようには戻らない可能性もあった」(井上会長)。そしてこれが、同社が2022年11月に「Nyala4」を導入する契機となった。
「すでにNyala4を導入している同業他社に聞いたところ、非常に高評価であった。LEDのため、消費電力量を削減でき、バキュームの音もかなり静かである。環境にやさしい機種として生まれ変わっていた」(井上会長)
同社はグリーンプリンティングやクリオネマーク、FSC認証を取得するなど、企業として環境に配慮した取り組みを積極的に展開している。このため、同社にとってNyala4の導入は、単に印刷のクオリティを高めただけでなく、環境に配慮する企業としてのレベルアップにもつながったと言えるだろう。
「Nyala4」について瓜生氏は、「Nyala2はメタハラランプのため、メディアによっては伸縮や反りが出てしまうこともあったが、Nyala4はLEDのため収縮がなく、木材などでも反りがなく出力することができる」としている。また、オペレーターとしての立場からも、Nyala4を導入するという話を聞いた際、Nyala2のプリンタとしての信頼、そしてswissQprintという企業をメーカーとしても信頼していたため、違和感なく導入を受け入れることができたようだ。
「メディアや色により、Nyala2が適しているものと、Nyala4が適しているものがある。試行錯誤を繰り返しながら、今後もトライアンドエラーで2機種を上手く使い分けていきたい」(井上会長)
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