分析結果に「やっぱりそうか...」「そんなに...」の声
一方、経営面から考えると投資回収という視点もある。デジタル化によって生産性や時間当たりの付加価値は上がる。では、その投資回収の期間はどうなのか。オフセット印刷機は、仕様にもよるが「Revoria Press」の5倍程度の投資回収期間が必要だ。前述のように15年以上使用されているオフセット印刷機が全体の6割を占める現状において、その投資リスクは「高い」と言わざるを得ない。「2年後、5年後どうなるか分からない」という現状では、デジタル機への投資は比較的容易になる。あるいはオフセット印刷機への投資の意思決定を留保、または遅らせることもできるだろう。
「最適生産ソリューション」は、デジタルソリューション営業部の専任部隊が対応にあたっており、約100社のジョブ分析を行ったうち、すでにその半数にあたる約50社のサポートを行っている。
これらジョブ分析の結果を知った印刷会社の経営者は、「やっぱりそうか...」と想定が実証されるケース、あるいは「そんなに...」という想定外の結果が出るケースなど様々だ。
その中で、最近多いのが損紙における金額的なインパクトで経営者がショックを受けるケースだ。また、「最適生産ソリューション」の特徴的な考え方として、「ひとつのジョブをどれくらいの時間をかけて処理しているか」という視点があるが、我々の分析から3,000枚のジョブでは印刷機が回っているのは10分~15分程度で、これに対して30〜40分の準備時間をかけていることが分かっている。こういったことが実際現場で起こっていることにショックを受ける経営者も少なくない。
最近あったケースでは、ジョブ当たり3,000枚以下の仕事が全体の7〜8割ぐらい。ところがその仕事の通し枚数は、全体の1割強しかない。残り9割弱は2〜3割の足の長い仕事だった。つまり全体の7〜8割にあたる3,000枚以下の仕事に多くの時間を費やし、そこでは当然ながら相当数の損紙も出ている。こういった通し枚数とジョブ数の関係で、非効率な現状に驚かれるケースも結構多い。
富士フイルムだからできること
およそ2年半にわたる「最適生産ソリューション」の展開は、我々にとって貴重な知見とノウハウとなり、様々な世代で構成されているスタッフの人材レベルも相当上がっている。お客様との対話のなかでデータに基づく分析、その結果を表現して解決策を提示する。工数はかかるが、これら一連のサイクルの中で人材の厚みが増してきた。
しかし一方で、2万社以上の印刷会社が日本に存在する中で、100社のジョブ分析はまだまだ少ない。本当の意味でお客様の持続的成長を支援する活動として、もっと多くのジョブ分析が必要ではないかと思っている。
この「最適生産ソリューション」は、FFGSが持つ印刷リテラシーおよび顧客基盤と、富士フイルムBIが持つデジタル印刷分野での技術基盤および知見を掛け合わせることで、印刷業界のDX化を支援、推進していくという大きなうねりを生んでいる。また、このソリューションの有用性を裏付ける背景には、「Revoria Press」をはじめとした富士フイルムのデジタル機における抜きん出た品質、生産機としての堅牢性、その保守体制の確立がある。これら一連のソリューションは富士フイルムだからできることであり、そこに大きな意味がある。
我々は基本的に「ジョブ分析しませんか」というアプローチはあまりしない。印刷会社には、事業課題、経営課題、生産課題といった様々な課題がある。我々がジョブ分析の先に見ているオフセットとデジタルの最適生産が、「何か御社の課題解決の一助になりますか」というスタンスである。あくまで印刷会社の経営課題の解決に資するものである。
「DX」は、外部との連携を含めた大きな領域になる。その手前の土台となる「デジタライゼーション」の環境を整えるのが「最適生産ソリューション」であることを重ねて強調しておきたい。
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一方、経営面から考えると投資回収という視点もある。デジタル化によって生産性や時間当たりの付加価値は上がる。では、その投資回収の期間はどうなのか。オフセット印刷機は、仕様にもよるが「Revoria Press」の5倍程度の投資回収期間が必要だ。前述のように15年以上使用されているオフセット印刷機が全体の6割を占める現状において、その投資リスクは「高い」と言わざるを得ない。「2年後、5年後どうなるか分からない」という現状では、デジタル機への投資は比較的容易になる。あるいはオフセット印刷機への投資の意思決定を留保、または遅らせることもできるだろう。
「最適生産ソリューション」は、デジタルソリューション営業部の専任部隊が対応にあたっており、約100社のジョブ分析を行ったうち、すでにその半数にあたる約50社のサポートを行っている。
これらジョブ分析の結果を知った印刷会社の経営者は、「やっぱりそうか...」と想定が実証されるケース、あるいは「そんなに...」という想定外の結果が出るケースなど様々だ。
その中で、最近多いのが損紙における金額的なインパクトで経営者がショックを受けるケースだ。また、「最適生産ソリューション」の特徴的な考え方として、「ひとつのジョブをどれくらいの時間をかけて処理しているか」という視点があるが、我々の分析から3,000枚のジョブでは印刷機が回っているのは10分~15分程度で、これに対して30〜40分の準備時間をかけていることが分かっている。こういったことが実際現場で起こっていることにショックを受ける経営者も少なくない。
最近あったケースでは、ジョブ当たり3,000枚以下の仕事が全体の7〜8割ぐらい。ところがその仕事の通し枚数は、全体の1割強しかない。残り9割弱は2〜3割の足の長い仕事だった。つまり全体の7〜8割にあたる3,000枚以下の仕事に多くの時間を費やし、そこでは当然ながら相当数の損紙も出ている。こういった通し枚数とジョブ数の関係で、非効率な現状に驚かれるケースも結構多い。
富士フイルムだからできること
およそ2年半にわたる「最適生産ソリューション」の展開は、我々にとって貴重な知見とノウハウとなり、様々な世代で構成されているスタッフの人材レベルも相当上がっている。お客様との対話のなかでデータに基づく分析、その結果を表現して解決策を提示する。工数はかかるが、これら一連のサイクルの中で人材の厚みが増してきた。
しかし一方で、2万社以上の印刷会社が日本に存在する中で、100社のジョブ分析はまだまだ少ない。本当の意味でお客様の持続的成長を支援する活動として、もっと多くのジョブ分析が必要ではないかと思っている。
この「最適生産ソリューション」は、FFGSが持つ印刷リテラシーおよび顧客基盤と、富士フイルムBIが持つデジタル印刷分野での技術基盤および知見を掛け合わせることで、印刷業界のDX化を支援、推進していくという大きなうねりを生んでいる。また、このソリューションの有用性を裏付ける背景には、「Revoria Press」をはじめとした富士フイルムのデジタル機における抜きん出た品質、生産機としての堅牢性、その保守体制の確立がある。これら一連のソリューションは富士フイルムだからできることであり、そこに大きな意味がある。
我々は基本的に「ジョブ分析しませんか」というアプローチはあまりしない。印刷会社には、事業課題、経営課題、生産課題といった様々な課題がある。我々がジョブ分析の先に見ているオフセットとデジタルの最適生産が、「何か御社の課題解決の一助になりますか」というスタンスである。あくまで印刷会社の経営課題の解決に資するものである。
「DX」は、外部との連携を含めた大きな領域になる。その手前の土台となる「デジタライゼーション」の環境を整えるのが「最適生産ソリューション」であることを重ねて強調しておきたい。
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