さまざまなジョブを常に最適なコスト・時間で生産するには、工程全体の品質の統一と安定化が必要になり、それは「オフセット印刷・デジタル印刷の色品質が統一され、安定した状態」である。この理想的な生産環境の実現に向けて富士フイルムは、長年にわたる印刷診断活動で得たデータや独自の知見・ノウハウを活かし、顧客の生産設備に合わせた課題解決から、色品質の維持管理までをワンストップでサポートする総合カラーマネージメントソリューション「FFGS QC Navi」の提供を開始した。
認識に乏しかったオフセットとPOD間のカラーマッチング
「これまでの印刷市場では、PODとオフセット印刷の各デバイスにおけるカラーマッチングは『個別』のものと考えられ、意外とこれらをトータルでカラーマッチングできるという認識は乏しかった」と指摘するのは、富士フイルムグラフィックソリューションズ(株)(山田周一郎社長、以下「FFGS」)サービス統括部・カスタマーサポート部の松川茂部長。実際、POD機にはJapan Color標準のプロファイルが搭載されていることもあり、ほとんどの印刷会社で、その運用に留まっていたという。
「印刷現場では、熟練のオペレータによる属人的な色合わせや、色管理作業を行っている場合が多く、常に安定した色の提供が難しいといった課題を抱えている。さらに、昨今ではジョブの小ロット多品種化や、人手不足といった背景から、オフセットとPOD間のカラーマッチングに対する関心が高まっていると感じる。ここには、PODの性能(安定性)向上も起因しているだろう」(松川部長)
FFGSでは、以前から印刷品質管理ソリューション「GA Smile Navi」など、いくつかの品質マネージメントソリューションを展開してきたが、これらは縦軸のサービス構成に留まっていた。しかし、FFGSが展開する印刷経営の新たなメソッド「最適生産ソリューション」の概念である「オフセットとデジタルの共存」の実現には、やはり統合的な品質マネージメントソリューションが要となることから、従来のオフセット印刷向け、POD向け、プルーフ向けといった事業別で縦軸に分かれていたソリューションを統合し、新たに「FFGS QC Navi」としてリリース。「最適生産ソリューション」の構成要素に加えた。
土台となるのは「オフセット印刷の品質基準」
「FFGS QC Navi」で最も重要となる基礎部分は「オフセット印刷の品質基準」である。オフセットの印刷品質にバラツキがあると、当然のことながらカラーマッチングの精度は低下し、経時変化に対応できない。そこで「FFGS QC Navi」は、オフセット品質を整えた上で、そこから各デバイスに数値で展開するというコンセプトのもとに成り立っている。ここでFFGSが長年にわたる印刷診断活動で得たデータや独自の知見・ノウハウが活かされており、松川部長は「オフセット印刷の知識や経験をもつ我々に、FBJからも大きな期待を寄せられている」と語る。
さらに同ソリューション最大のポイントは、「定期診断による品質維持」という考え方を持ち込み、経時変化を定期的に是正することで長期的な視点による一貫サポートを提供することにある。
「色を合わせるという技術にはどのメーカーも大差はない。印刷に関わる材料と機器、そのサービスを網羅するFFGSだからできることは、客観的な現状の診断結果から印刷基準を策定し、ターゲットとなる印刷物が正しく再現されているかという判断や分析ができる点にある」(松川部長)
新着トピックス
ディーエムソリューションズ、最高毎時4万5,000通を達成[KODAK PROSPER S5導入事例]
2025年3月25日ケーススタディ
ディーエムソリューションズ(株)(本社/東京都武蔵野市御殿山1-1-3 クリスタルパークビル2F、花矢卓司社長)は、KODAK PROSPER S5インプリンティングシステムを導入後...全文を読む
FFGS、新Revoria Press登場で、柔軟な「最適生産」可能に
2025年3月25日スペシャリスト
外部支払い原価の増加が印刷会社の経営を圧迫する中で、富士フイルムグラフィックソリューションズ(株)(山田周一郎社長、以下「FFGS」)が展開する「最適生産ソリューション」への注目と期...全文を読む
最新ニュース
パラシュート、次世代型MIS「PNS」にメーカーワークフローソフトウェア連携機能を追加
2025年6月11日
パラシュート(株)(東京都世田谷区、兵藤伊織社長)は6月9日から、印刷業務の基幹システム「Print Navigator System」(プリントナビゲーターシステム、以下PNS)に...全文を読む
富士フイルムBI、「EDP Awards 2025」の3部門で最高評価を受賞
2025年6月9日
富士フイルムビジネスイノベーション(株)(本社/東京都港区、浜直樹社長・CEO)は、欧州の印刷専門誌で構成される団体European Digital Press(EDP)Associ...全文を読む
KOMORI、次世代デジタル印刷機「J-throne 29」を米国・1Vision社に北米初納入
2025年6月9日
(株)小森コーポレーション(東京都墨田区、持田訓社長)は、次世代デジタル印刷機「J-throne 29」を、米国の印刷会社1Vision社(テキサス州・ヒューストン)に北米で初めて納...全文を読む
「色」の課題解決から維持管理まで〜総合CMS「FFGS QC Navi」
定期診断で長期サポート〜最適生産ソリューションの構成要素に
2024年8月2日スペシャリスト
さまざまなジョブを常に最適なコスト・時間で生産するには、工程全体の品質の統一と安定化が必要になり、それは「オフセット印刷・デジタル印刷の色品質が統一され、安定した状態」である。この理想的な生産環境の実現に向けて富士フイルムは、長年にわたる印刷診断活動で得たデータや独自の知見・ノウハウを活かし、顧客の生産設備に合わせた課題解決から、色品質の維持管理までをワンストップでサポートする総合カラーマネージメントソリューション「FFGS QC Navi」の提供を開始した。
認識に乏しかったオフセットとPOD間のカラーマッチング
「これまでの印刷市場では、PODとオフセット印刷の各デバイスにおけるカラーマッチングは『個別』のものと考えられ、意外とこれらをトータルでカラーマッチングできるという認識は乏しかった」と指摘するのは、富士フイルムグラフィックソリューションズ(株)(山田周一郎社長、以下「FFGS」)サービス統括部・カスタマーサポート部の松川茂部長。実際、POD機にはJapan Color標準のプロファイルが搭載されていることもあり、ほとんどの印刷会社で、その運用に留まっていたという。
「印刷現場では、熟練のオペレータによる属人的な色合わせや、色管理作業を行っている場合が多く、常に安定した色の提供が難しいといった課題を抱えている。さらに、昨今ではジョブの小ロット多品種化や、人手不足といった背景から、オフセットとPOD間のカラーマッチングに対する関心が高まっていると感じる。ここには、PODの性能(安定性)向上も起因しているだろう」(松川部長)
FFGSでは、以前から印刷品質管理ソリューション「GA Smile Navi」など、いくつかの品質マネージメントソリューションを展開してきたが、これらは縦軸のサービス構成に留まっていた。しかし、FFGSが展開する印刷経営の新たなメソッド「最適生産ソリューション」の概念である「オフセットとデジタルの共存」の実現には、やはり統合的な品質マネージメントソリューションが要となることから、従来のオフセット印刷向け、POD向け、プルーフ向けといった事業別で縦軸に分かれていたソリューションを統合し、新たに「FFGS QC Navi」としてリリース。「最適生産ソリューション」の構成要素に加えた。
土台となるのは「オフセット印刷の品質基準」
「FFGS QC Navi」で最も重要となる基礎部分は「オフセット印刷の品質基準」である。オフセットの印刷品質にバラツキがあると、当然のことながらカラーマッチングの精度は低下し、経時変化に対応できない。そこで「FFGS QC Navi」は、オフセット品質を整えた上で、そこから各デバイスに数値で展開するというコンセプトのもとに成り立っている。ここでFFGSが長年にわたる印刷診断活動で得たデータや独自の知見・ノウハウが活かされており、松川部長は「オフセット印刷の知識や経験をもつ我々に、FBJからも大きな期待を寄せられている」と語る。
さらに同ソリューション最大のポイントは、「定期診断による品質維持」という考え方を持ち込み、経時変化を定期的に是正することで長期的な視点による一貫サポートを提供することにある。
「色を合わせるという技術にはどのメーカーも大差はない。印刷に関わる材料と機器、そのサービスを網羅するFFGSだからできることは、客観的な現状の診断結果から印刷基準を策定し、ターゲットとなる印刷物が正しく再現されているかという判断や分析ができる点にある」(松川部長)
新着トピックス
-
コニカミノルタジャパン、AccurioDays2025で新たなフラッグシップモデルを公開
2025年6月4日 製品・テクノロジー
-
大村印刷、特殊トナーと用紙対応力で小ロット・高付加価値ニーズに対応
2025年5月8日 ケーススタディ
-
ディーエムソリューションズ、最高毎時4万5,000通を達成[KODAK PROSPER S5導入事例]
2025年3月25日 ケーススタディ
-
FFGS、新Revoria Press登場で、柔軟な「最適生産」可能に
2025年3月25日 スペシャリスト
-
ウケゼキ、小ロット厚紙・パッケージ印刷を強化[Revoria PressEC1100導入事例]
2025年3月24日 ケーススタディ
新着ニュース
SNSランキング
- 63sharesミマキ、330シリーズとエコ溶剤インクが3M MCS保証認定
- 41sharesローランドDG、UVプリンターが紙器パッケージ製作に対応
- 39sharesSCREEN、Hunkeler Innovationdaysでインクジェットと後加工機の連携披露
- 38sharesKOMORI、241名が来場した新春特別内覧会のデモ動画(Impremia IS29s」公開
- 36sharesエプソン、使いやすさと安定稼働を両立したエプソン初のDTF専用プリンター発売
- 29sharesKOMORI、インクジェット印刷機とデジタル加飾機の連携披露
- 27shares日印機工とプリデジ協、IGAS2027の日程決定-2027年8月に東京ビッグサイトで開催
- 27sharesリコー、企業内・商用印刷の幅広いニーズに対応するカラー機の新機種発売
- 26sharesミヤコシ、軟包装向け水性インクジェット「MJP ADVANCED 45X for FILM」発表
- 25shares富士フイルムBI、デジタル印刷作品のコンテスト「IPA」の作品募集開始