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「色」の課題解決から維持管理まで〜総合CMS「FFGS QC Navi」

定期診断で長期サポート〜最適生産ソリューションの構成要素に

2024年8月2日スペシャリスト

 さまざまなジョブを常に最適なコスト・時間で生産するには、工程全体の品質の統一と安定化が必要になり、それは「オフセット印刷・デジタル印刷の色品質が統一され、安定した状態」である。この理想的な生産環境の実現に向けて富士フイルムは、長年にわたる印刷診断活動で得たデータや独自の知見・ノウハウを活かし、顧客の生産設備に合わせた課題解決から、色品質の維持管理までをワンストップでサポートする総合カラーマネージメントソリューション「FFGS QC Navi」の提供を開始した。

松川部長(右)と古和田課長


認識に乏しかったオフセットとPOD間のカラーマッチング

 「これまでの印刷市場では、PODとオフセット印刷の各デバイスにおけるカラーマッチングは『個別』のものと考えられ、意外とこれらをトータルでカラーマッチングできるという認識は乏しかった」と指摘するのは、富士フイルムグラフィックソリューションズ(株)(山田周一郎社長、以下「FFGS」)サービス統括部・カスタマーサポート部の松川茂部長。実際、POD機にはJapan Color標準のプロファイルが搭載されていることもあり、ほとんどの印刷会社で、その運用に留まっていたという。

 「印刷現場では、熟練のオペレータによる属人的な色合わせや、色管理作業を行っている場合が多く、常に安定した色の提供が難しいといった課題を抱えている。さらに、昨今ではジョブの小ロット多品種化や、人手不足といった背景から、オフセットとPOD間のカラーマッチングに対する関心が高まっていると感じる。ここには、PODの性能(安定性)向上も起因しているだろう」(松川部長)



 FFGSでは、以前から印刷品質管理ソリューション「GA Smile Navi」など、いくつかの品質マネージメントソリューションを展開してきたが、これらは縦軸のサービス構成に留まっていた。しかし、FFGSが展開する印刷経営の新たなメソッド「最適生産ソリューション」の概念である「オフセットとデジタルの共存」の実現には、やはり統合的な品質マネージメントソリューションが要となることから、従来のオフセット印刷向け、POD向け、プルーフ向けといった事業別で縦軸に分かれていたソリューションを統合し、新たに「FFGS QC Navi」としてリリース。「最適生産ソリューション」の構成要素に加えた。

土台となるのは「オフセット印刷の品質基準」

 「FFGS QC Navi」で最も重要となる基礎部分は「オフセット印刷の品質基準」である。オフセットの印刷品質にバラツキがあると、当然のことながらカラーマッチングの精度は低下し、経時変化に対応できない。そこで「FFGS QC Navi」は、オフセット品質を整えた上で、そこから各デバイスに数値で展開するというコンセプトのもとに成り立っている。ここでFFGSが長年にわたる印刷診断活動で得たデータや独自の知見・ノウハウが活かされており、松川部長は「オフセット印刷の知識や経験をもつ我々に、FBJからも大きな期待を寄せられている」と語る。

 さらに同ソリューション最大のポイントは、「定期診断による品質維持」という考え方を持ち込み、経時変化を定期的に是正することで長期的な視点による一貫サポートを提供することにある。

 「色を合わせるという技術にはどのメーカーも大差はない。印刷に関わる材料と機器、そのサービスを網羅するFFGSだからできることは、客観的な現状の診断結果から印刷基準を策定し、ターゲットとなる印刷物が正しく再現されているかという判断や分析ができる点にある」(松川部長)

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 さまざまなジョブを常に最適なコスト・時間で生産するには、工程全体の品質の統一と安定化が必要になり、それは「オフセット印刷・デジタル印刷の色品質が統一され、安定した状態」である。この理想的な生産環境の実現に向けて富士フイルムは、長年にわたる印刷診断活動で得たデータや独自の知見・ノウハウを活かし、顧客の生産設備に合わせた課題解決から、色品質の維持管理までをワンストップでサポートする総合カラーマネージメントソリューション「FFGS QC Navi」の提供を開始した。

松川部長(右)と古和田課長


認識に乏しかったオフセットとPOD間のカラーマッチング

 「これまでの印刷市場では、PODとオフセット印刷の各デバイスにおけるカラーマッチングは『個別』のものと考えられ、意外とこれらをトータルでカラーマッチングできるという認識は乏しかった」と指摘するのは、富士フイルムグラフィックソリューションズ(株)(山田周一郎社長、以下「FFGS」)サービス統括部・カスタマーサポート部の松川茂部長。実際、POD機にはJapan Color標準のプロファイルが搭載されていることもあり、ほとんどの印刷会社で、その運用に留まっていたという。

 「印刷現場では、熟練のオペレータによる属人的な色合わせや、色管理作業を行っている場合が多く、常に安定した色の提供が難しいといった課題を抱えている。さらに、昨今ではジョブの小ロット多品種化や、人手不足といった背景から、オフセットとPOD間のカラーマッチングに対する関心が高まっていると感じる。ここには、PODの性能(安定性)向上も起因しているだろう」(松川部長)



 FFGSでは、以前から印刷品質管理ソリューション「GA Smile Navi」など、いくつかの品質マネージメントソリューションを展開してきたが、これらは縦軸のサービス構成に留まっていた。しかし、FFGSが展開する印刷経営の新たなメソッド「最適生産ソリューション」の概念である「オフセットとデジタルの共存」の実現には、やはり統合的な品質マネージメントソリューションが要となることから、従来のオフセット印刷向け、POD向け、プルーフ向けといった事業別で縦軸に分かれていたソリューションを統合し、新たに「FFGS QC Navi」としてリリース。「最適生産ソリューション」の構成要素に加えた。

土台となるのは「オフセット印刷の品質基準」

 「FFGS QC Navi」で最も重要となる基礎部分は「オフセット印刷の品質基準」である。オフセットの印刷品質にバラツキがあると、当然のことながらカラーマッチングの精度は低下し、経時変化に対応できない。そこで「FFGS QC Navi」は、オフセット品質を整えた上で、そこから各デバイスに数値で展開するというコンセプトのもとに成り立っている。ここでFFGSが長年にわたる印刷診断活動で得たデータや独自の知見・ノウハウが活かされており、松川部長は「オフセット印刷の知識や経験をもつ我々に、FBJからも大きな期待を寄せられている」と語る。

 さらに同ソリューション最大のポイントは、「定期診断による品質維持」という考え方を持ち込み、経時変化を定期的に是正することで長期的な視点による一貫サポートを提供することにある。

 「色を合わせるという技術にはどのメーカーも大差はない。印刷に関わる材料と機器、そのサービスを網羅するFFGSだからできることは、客観的な現状の診断結果から印刷基準を策定し、ターゲットとなる印刷物が正しく再現されているかという判断や分析ができる点にある」(松川部長)

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