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対談|多角化でコロナに負けない経営:「差別化」と「地域雇用の維持」

佐川印刷・佐川正純社長 × アグフア・岡本勝弘社長
UVインクジェット技術で立体表現 - 「えひめが誇るスゴ技189選」に選定

2020年10月1日マーケティング

事務用印刷の吉田工場を「デジタル印刷専用工場」に

岡本 このカレンダーは本当に素晴らしい出来で、アグフアグループのベルギー本社はもちろん、アグフア アメリカやJETI MIRAの製造工場があるカナダ・トロント工場からも「サンプルが欲しい」と多くの問い合わせがありました。担当者は魚をリアルに表現できていることに驚きを隠せなかったようです。

 佐川印刷様の素晴らしいところは、えひめの魚のカレンダーのようなチャンピオン印刷サンプルを作るだけでなく、ビジネスとしてしっかりと立ち上げ、売り上げと会社の利益につなげているところです。佐川社長がオフセット印刷ビジネス以外に着目し、またインクジェットビジネスへの投資をはじめた背景などについて教えてください。

佐川 当社は今年で創業73年になる印刷会社です。創業当時から印刷ビジネスを主とし、紙の印刷ビジネスで地元のお客様と関係を築いてきました。オフセット印刷におけるプロセスの徹底的な効率化を目的にMISの導入による独自の効率化フローを確立、また印刷現場においては2010年に速乾印刷を実現するアグフアのケミカルレスプレート「アズーラ」を導入し、水を極限まで絞った印刷に取り組んでいます。今では高いレベルでの速乾印刷を維持することで事故やトラブルなども減り、工場経営で課題であった「働き方改革」にも貢献しています。速乾印刷の実現で生産工程のネックであった突発的な問題も解消され、理想的な生産管理が実現できています。このようにオフセット印刷においては効率化を追求することで、資材・作業のムダを徹底的に排除してきました。しかし、昨今の印刷業界ではデジタル化の波もあり、コスト競争が激化する中で、今までのようにオフセット印刷ビジネスだけを継続するだけで生き残っていけるのだろうかという疑問は常に持っていました。

 今後さらに激化するコスト競争の中で、いかに勝ち残っていくか。いかに他社と差別化し、お客様に選ばれる企業であり続けるかを考えた結果、そのひとつの答えが「ビジネスの多角化」でした。

岡本 佐川印刷様では、今回の「さかなのカレンダー」以外でも、さまざまなものをJETI MIRAで制作し、ビジネスとして成功しています。そういう意味では紙の印刷を中心としたビジネスから、紙以外への印刷と多角化に成功していると思います。生産工場のショールームへ伺うと、小ロットの大判ポスターはもちろん、厚みのあるスチレンボードへUVインクジェットで直接印刷したパネル、または厚みのある紙素材のボードに印刷し、加工を加えた什器など実例が多く展示されており、オフセット印刷事業以外の第2の柱が立ち上がっているのがよくわかります。

パネルや什器も

佐川 2016年に紙以外の分野の印刷ビジネスに本格的に着手しました。その理由は、「他社との差別化」と「地域雇用の維持」です。コスト競争が激化し、非常に厳しい印刷業界ですが、今までの印刷ビジネスを続けているだけでは生き残れないという思いがありました。また、当時事務用印刷物の製造を中心としていた吉田工場では、働き方改革を実現できるような余地もなく、工場自体も老朽化していたため、閉鎖も視野に入れていました。しかし、吉田工場に勤務する社員はほぼ地元で地域貢献の職にも就いています。地域雇用という面でも吉田工場で他社との差別化を図り、付加価値のある仕事に特化した専用工場にしようという考えに行き着き、自社の画像編集技術を活用した新しいアウトプットの形を模索した結果、吉田工場を「デジタル印刷専用工場」にすることを決めました。

 デジタル印刷工場化を進めるにあたり、国内はもちろん海外の展示会にも足を運び、サインやスクリーン業界の技術やトレンドなどを色々と勉強しました。岡本社長との出会いは2015年のドイツ・ケルンの世界最大スクリーン印刷展示会「FESPA2015」会場でしたね。

岡本 佐川社長とケルンでお会いしたとき、私はインクジェット営業の責任者であり、日本人来場者担当としてブースで接客していました。私も佐川社長との出会いを良く覚えています。両手に多くの資料やサンプルを抱えて大汗で会場を単独で見学されていました。非常に勉強熱心な方だと思ったのが第一印象です。その際に当社ブースで製品を案内させていただきましたが、製品のデモの後の佐川社長の言葉を今でも覚えています。「こんな大きな機械を買えるようにビジネスを大きくしたいな」と。その後、佐川社長は色々な取り組みで設備投資もされ、当社のJETI MIRAを導入いただいたのがその2年後の2017年でした。短期間でビジネスを立ち上げ、当社の大型インクジェットまで投資されるくらいの規模に成長されましたね。新しい分野へ挑戦されるための投資だったと思いますが、不安などはありませんでしたか。

佐川 もともとオフセット印刷でお世話になっていたので、アグフアの製品やサポートに不安はありませんでした。「何を買うか」も大事ですが、「誰から買うか」も大事だと思います。その点においてはJETI MIRAのインク厚盛り機能やニスインクによる加飾技術、また高い生産性はもちろんでしたが、信頼のおけるパートナーとしてアグフアのインクジェット製品を安心して選択することができました。実際に導入後もサポートを含めて満足しています。

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事務用印刷の吉田工場を「デジタル印刷専用工場」に

岡本 このカレンダーは本当に素晴らしい出来で、アグフアグループのベルギー本社はもちろん、アグフア アメリカやJETI MIRAの製造工場があるカナダ・トロント工場からも「サンプルが欲しい」と多くの問い合わせがありました。担当者は魚をリアルに表現できていることに驚きを隠せなかったようです。

 佐川印刷様の素晴らしいところは、えひめの魚のカレンダーのようなチャンピオン印刷サンプルを作るだけでなく、ビジネスとしてしっかりと立ち上げ、売り上げと会社の利益につなげているところです。佐川社長がオフセット印刷ビジネス以外に着目し、またインクジェットビジネスへの投資をはじめた背景などについて教えてください。

佐川 当社は今年で創業73年になる印刷会社です。創業当時から印刷ビジネスを主とし、紙の印刷ビジネスで地元のお客様と関係を築いてきました。オフセット印刷におけるプロセスの徹底的な効率化を目的にMISの導入による独自の効率化フローを確立、また印刷現場においては2010年に速乾印刷を実現するアグフアのケミカルレスプレート「アズーラ」を導入し、水を極限まで絞った印刷に取り組んでいます。今では高いレベルでの速乾印刷を維持することで事故やトラブルなども減り、工場経営で課題であった「働き方改革」にも貢献しています。速乾印刷の実現で生産工程のネックであった突発的な問題も解消され、理想的な生産管理が実現できています。このようにオフセット印刷においては効率化を追求することで、資材・作業のムダを徹底的に排除してきました。しかし、昨今の印刷業界ではデジタル化の波もあり、コスト競争が激化する中で、今までのようにオフセット印刷ビジネスだけを継続するだけで生き残っていけるのだろうかという疑問は常に持っていました。

 今後さらに激化するコスト競争の中で、いかに勝ち残っていくか。いかに他社と差別化し、お客様に選ばれる企業であり続けるかを考えた結果、そのひとつの答えが「ビジネスの多角化」でした。

岡本 佐川印刷様では、今回の「さかなのカレンダー」以外でも、さまざまなものをJETI MIRAで制作し、ビジネスとして成功しています。そういう意味では紙の印刷を中心としたビジネスから、紙以外への印刷と多角化に成功していると思います。生産工場のショールームへ伺うと、小ロットの大判ポスターはもちろん、厚みのあるスチレンボードへUVインクジェットで直接印刷したパネル、または厚みのある紙素材のボードに印刷し、加工を加えた什器など実例が多く展示されており、オフセット印刷事業以外の第2の柱が立ち上がっているのがよくわかります。

パネルや什器も

佐川 2016年に紙以外の分野の印刷ビジネスに本格的に着手しました。その理由は、「他社との差別化」と「地域雇用の維持」です。コスト競争が激化し、非常に厳しい印刷業界ですが、今までの印刷ビジネスを続けているだけでは生き残れないという思いがありました。また、当時事務用印刷物の製造を中心としていた吉田工場では、働き方改革を実現できるような余地もなく、工場自体も老朽化していたため、閉鎖も視野に入れていました。しかし、吉田工場に勤務する社員はほぼ地元で地域貢献の職にも就いています。地域雇用という面でも吉田工場で他社との差別化を図り、付加価値のある仕事に特化した専用工場にしようという考えに行き着き、自社の画像編集技術を活用した新しいアウトプットの形を模索した結果、吉田工場を「デジタル印刷専用工場」にすることを決めました。

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佐川 もともとオフセット印刷でお世話になっていたので、アグフアの製品やサポートに不安はありませんでした。「何を買うか」も大事ですが、「誰から買うか」も大事だと思います。その点においてはJETI MIRAのインク厚盛り機能やニスインクによる加飾技術、また高い生産性はもちろんでしたが、信頼のおけるパートナーとしてアグフアのインクジェット製品を安心して選択することができました。実際に導入後もサポートを含めて満足しています。

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