コニカミノルタジャパン、印刷ビジネスDXで経営課題を解決
「共創」でDX化を支援〜最適パートナーとして共に成長を
2023年8月28日スペシャリスト
-
アナログ的な営業活動をDX化
「印刷会社の販促手法を変化させるDX活用とは」では、営業活動の効率化・新規開拓などの売上・収益性向上に貢献する印刷通販作成ツール「in2Site」の活用法を紹介。この「in2Site」について内田氏は、「印刷会社では、生産現場における各種作業工程の効率化に対する意識は高く取り組みも進みつつあるが、営業活動に関しては、あまり効率化の対象とされていないケースが多く見受けられる。in2Siteは、見積および見積書発行の工程をオンラインで簡単にできるので、これまでのアナログ的な営業活動のDXを実現できる」と、とくに対面営業ができなかったコロナ禍において、最も効果を発揮したツールとしてユーザーから高い評価を得たことを明らかにした。
このほかDXソリューションの展示コーナーでは、2023年5月に新発売されたばかりのクラウド型バリアブルソリューション「Variable Studio」も紹介した。「Variable Studio」は、宛名、DM、名刺、POPなど様々なバリアブルデータが簡単に作成でき、チケットやクーポンなどの数字が記載されたナンバリング印刷物は、AccurioPressと品質最適化ユニット「IQ-501」のVDPナンバリング検査機能(オプション)を活用することで印刷終了後の目視による検品作業を大幅に軽減する。さらにトリマーユニット「TU-510」を活用することでこれまで専用の断裁設備・人員によるマニュアル作業であったものをインライン自動で対応することが可能となる。「攻めのDX」と「守りのDX」
印刷業界にのみならず、すべての産業界において求められているDX。同社では、実際にどのような取り組みや施策を通じて印刷会社のDXを支援しているのか。多くの印刷会社を訪問し、DX推進の課題解決のために活動している小林氏は、「多くの印刷会社では、業務プロセスの効率化など社内で完結する『守りのDX』は得意としているが、社外への影響を与える活動、つまり『攻めのDX』については、まだ着手している印刷会社は少ない」と説明する。
「守りのDX」とは、データの見える化や業務プロセスの効率化、コスト削減などを目指すもので、生産の自動化などが挙げられる。一方、「攻めのDX」とは、顧客への提供価値の向上や顧客との接点のデジタル化、そしてマーケティングやデータ分析によるビジネスモデルの創出などがある。では、なぜ印刷業界において「攻めのDX」が進まなかったのか。小林氏は、その理由として3つを挙げている。まず、1つは発注者と印刷会社のマーケティング力の格差だ。IT化・デジタル化が普及する前のプリントメディアは、マーケティング戦略の伝達手法として重要な役割を担っていた。その際に印刷会社はプリントメディアの製作に必要な特殊な知識や、効果的な事例、豊富な経験など、印刷会社が有していた専門知識は多くの企業から高い評価を受け、頻繁に相談を受ける存在となっていた。しかし、プリントメディアは多様な用途と需給を持つため、印刷会社自身はマーケティング戦略に真剣に取り組む必要性を感じる企業が少なかった。この過去の市場環境が印刷会社のマーケティング力の成長に大きな影響を及ぼしたと小林氏は説明する。
「デジタル化の進展により、消費者の行動が急速に変化し、この変化した消費者ニーズに対応していくために発注者は、マーケティングの重要性を再認識するようになった。結果、この20年で発注者側のマーケティングスキルは上がったが、モノづくりだけに特化してきた印刷会社のスキルや考え方は上がることもなく、その差は大きく開いていった」(小林氏)
2つ目は、急激な印刷需要の減少により、多くの印刷会社は自社存続のため「守りのDX」への注力を優先しなければいけなかった。そして3つめは、人材不足。DXを推進するにあたり、やはり専門スキルをもった人材は必要不可欠となるが、現在もこれらの人材の育成や確保が非常に困難とされている。
新着トピックス
奥村印刷、新たな価値を紙に付加〜「折り紙食器 beak」でIPA2024に入賞
2024年11月20日企業・経営
奥村印刷(株)(本社/東京都北区、奥村文泰社長)は、2024年度の「Innovation Print Awards(以下、IPA)」において、「サステナビリティ部門」第1位を獲得した...全文を読む
富士フイルム、TOKYO PACKでブランドオーナーにデジタル印刷活用促す
2024年11月15日マーケティング
「もっと自由にパッケージ・オンデマンド」─富士フイルムグループは、10月23日から開催された「TOKYO PACK 2024(東京国際包装展)」において、富士フイルムが独自開発した幅...全文を読む
最新ニュース
日本HP、KADOKAWA「出版製造流通DXプロジェクト」を支援
2025年1月21日
(株)日本HP(本社/東京都港区、岡戸伸樹社長)は1月16日、(株)KADOKAWA(本社/東京都千代田区、夏野剛社長・CEO)の運営する埼玉県所沢市の大型文化複合施設「ところざわサ...全文を読む
2025年1月20日
ローランド ディー.ジー.(株)は、大判インクジェットプリンターTrueVISシリーズ「LG-640/540/300」と、DGXPRESSシリーズの「UG-642」で使用できる拡張テ...全文を読む
swissQprint、第5世代フラットベッド新モデル-生産性23%向上
2025年1月14日
swissQprintは、プラットフォームを全面的に刷新し、生産性、精度、アプリケーションの多用途性を新たなレベルへと引き上げたフラットベッド新世代モデルを発表した。新モデルは従来機...全文を読む
コニカミノルタジャパン、印刷ビジネスDXで経営課題を解決
「共創」でDX化を支援〜最適パートナーとして共に成長を
2023年8月28日スペシャリスト
アナログ的な営業活動をDX化
「印刷会社の販促手法を変化させるDX活用とは」では、営業活動の効率化・新規開拓などの売上・収益性向上に貢献する印刷通販作成ツール「in2Site」の活用法を紹介。この「in2Site」について内田氏は、「印刷会社では、生産現場における各種作業工程の効率化に対する意識は高く取り組みも進みつつあるが、営業活動に関しては、あまり効率化の対象とされていないケースが多く見受けられる。in2Siteは、見積および見積書発行の工程をオンラインで簡単にできるので、これまでのアナログ的な営業活動のDXを実現できる」と、とくに対面営業ができなかったコロナ禍において、最も効果を発揮したツールとしてユーザーから高い評価を得たことを明らかにした。
このほかDXソリューションの展示コーナーでは、2023年5月に新発売されたばかりのクラウド型バリアブルソリューション「Variable Studio」も紹介した。「Variable Studio」は、宛名、DM、名刺、POPなど様々なバリアブルデータが簡単に作成でき、チケットやクーポンなどの数字が記載されたナンバリング印刷物は、AccurioPressと品質最適化ユニット「IQ-501」のVDPナンバリング検査機能(オプション)を活用することで印刷終了後の目視による検品作業を大幅に軽減する。さらにトリマーユニット「TU-510」を活用することでこれまで専用の断裁設備・人員によるマニュアル作業であったものをインライン自動で対応することが可能となる。
「攻めのDX」と「守りのDX」
印刷業界にのみならず、すべての産業界において求められているDX。同社では、実際にどのような取り組みや施策を通じて印刷会社のDXを支援しているのか。多くの印刷会社を訪問し、DX推進の課題解決のために活動している小林氏は、「多くの印刷会社では、業務プロセスの効率化など社内で完結する『守りのDX』は得意としているが、社外への影響を与える活動、つまり『攻めのDX』については、まだ着手している印刷会社は少ない」と説明する。
「守りのDX」とは、データの見える化や業務プロセスの効率化、コスト削減などを目指すもので、生産の自動化などが挙げられる。一方、「攻めのDX」とは、顧客への提供価値の向上や顧客との接点のデジタル化、そしてマーケティングやデータ分析によるビジネスモデルの創出などがある。では、なぜ印刷業界において「攻めのDX」が進まなかったのか。小林氏は、その理由として3つを挙げている。まず、1つは発注者と印刷会社のマーケティング力の格差だ。
IT化・デジタル化が普及する前のプリントメディアは、マーケティング戦略の伝達手法として重要な役割を担っていた。その際に印刷会社はプリントメディアの製作に必要な特殊な知識や、効果的な事例、豊富な経験など、印刷会社が有していた専門知識は多くの企業から高い評価を受け、頻繁に相談を受ける存在となっていた。しかし、プリントメディアは多様な用途と需給を持つため、印刷会社自身はマーケティング戦略に真剣に取り組む必要性を感じる企業が少なかった。この過去の市場環境が印刷会社のマーケティング力の成長に大きな影響を及ぼしたと小林氏は説明する。
「デジタル化の進展により、消費者の行動が急速に変化し、この変化した消費者ニーズに対応していくために発注者は、マーケティングの重要性を再認識するようになった。結果、この20年で発注者側のマーケティングスキルは上がったが、モノづくりだけに特化してきた印刷会社のスキルや考え方は上がることもなく、その差は大きく開いていった」(小林氏)
2つ目は、急激な印刷需要の減少により、多くの印刷会社は自社存続のため「守りのDX」への注力を優先しなければいけなかった。そして3つめは、人材不足。DXを推進するにあたり、やはり専門スキルをもった人材は必要不可欠となるが、現在もこれらの人材の育成や確保が非常に困難とされている。
新着トピックス
-
FFGS、潜在ニーズ発見と技術検証の場として機能[Solution Design Lab.]
2024年12月23日 企業・経営
-
竹田印刷、多様な個性をかたちに〜アール・ブリュット作品を世界に発信
2024年12月6日 企業・経営
-
奥村印刷、新たな価値を紙に付加〜「折り紙食器 beak」でIPA2024に入賞
2024年11月20日 企業・経営
-
富士フイルム、TOKYO PACKでブランドオーナーにデジタル印刷活用促す
2024年11月15日 マーケティング
-
価値協創で新たな潮流|エイエイピー、Jet Press 750Sが新たなステージへ
2024年11月13日 企業・経営
新着ニュース
SNSランキング
- 41sharesローランドDG、UVプリンターが紙器パッケージ製作に対応
- 39sharesSCREEN、Hunkeler Innovationdaysでインクジェットと後加工機の連携披露
- 39sharesミマキ、印刷脱色技術実用化でタペストリーのアップサイクル実現
- 38sharesKOMORI、241名が来場した新春特別内覧会のデモ動画(Impremia IS29s」公開
- 36sharesエプソン、使いやすさと安定稼働を両立したエプソン初のDTF専用プリンター発売
- 33sharesFFGS、潜在ニーズ発見と技術検証の場として機能[Solution Design Lab.]
- 29sharesKOMORI、インクジェット印刷機とデジタル加飾機の連携披露
- 25shares富士フイルムBI、デジタル印刷作品のコンテスト「IPA」の作品募集開始
- 25sharesSCREEN GA、高速連帳IJの次世代モデル「Truepress JET 520NX AD」発売
- 25shares富士フイルムBI、1パス5色印刷を可能にしたミドルレンジモデルを発売