キーワードで検索

太陽堂成晃社、新たな市場創出に挑戦 〜 デジタル加飾を核とした事業開始

クルツ製・デジタル箔システム「DM-LINER」導入

2017年6月15日ケーススタディ

オンデマンド箔印刷システムを構築

 コールドフォイル印刷の校正用途だけでなく、新ビジネスの生産機としての活用も導入目的の1つだと宮本社長は説明する。

 「多品種小ロット対応へのニーズは、年々高まっていく。そのニーズに応えるためには、DM-LINERをはじめとするデジタル印刷システムが必要である」

 同工場には、「DM-LINER」や「HPインディゴ7800」のほか、インクの密着性が悪い印刷原紙に対してコーティング剤(アンカーコート)を塗布でき、さらにUVコーティングもできる特殊設備「ExcelCoat」も導入しており、これら最新器機を活用して「オンデマンド箔印刷システム」として稼働を開始している。

 現在では、名刺やダイレクトメール、同人誌の表紙、変わったところでは缶バッジなど、多種多様なアイテムを生産している。これらは同社営業マンが印刷データを持ち込み、すぐに印刷・箔処理をして顧客に納品することもあるという。まさにデジタルならではのビジネスモデルといえる。
新たな商品開発にも着手
 同社の主要取引先は、主に出版社である。当然、提供するアイテム数には限りがある。そこで宮本社長は、「オンデマンド箔印刷システム」の販路拡大を目的に、デジタル加飾を駆使した、あるアイテムの開発に着手している。それは美術館などで販売される卓上カレンダーだ。

 「美術館では、有名な絵画などを展示する期間限定の企画展を開催している。そこでは、展示されている絵画をモチーフに卓上カレンダーやポストカードなどが販売されているが、これらアイテムにDM-LINERによる箔処理を施せば、これまでとは違う商品価値を生み出すことができると思う。また、大量部数を必要としないので、小ロット生産できるデジタルの特性も発揮できるはず」(宮本社長)

微細な網点にも箔転写できる品質を高く評価

 多品種小ロット対応による柔軟な生産体制の構築は、デジタル印刷機器の最大の特性といえる。しかし、そこに「品質」がともなわなければ、真の「オンデマンド箔印刷システム」は構築できない。

 その点について、「DM-LINER」を担当する同社・印刷事業部の對島部長は「非常に細かな網点に対しても正確に箔転写している。用紙適正も幅広く、あらゆるアイテムに使用することができる。また、ファンシー系用紙のヴァンヌーボに対しても問題なく箔転写できたことには、正直驚いた」と、「DM-LINER」の品質と機能について評価するとともに、今後も新たな製品開発にチャレンジしていくと語っている。

 「クライアントが求める製品を提供することが、当社のミッション」と語る宮本社長は、「これから企業として成長していくためには、常に新しいことにチャレンジしていくことが重要だと考えている。その1つがDM-LINEを活用した『デジタル加飾』への取り組みである」と、今後の展開について明らかにした。

新着トピックス

kodak_ij24_tn.jpg

コダック、「ゲームチェンジャー」へ〜4つのコア技術を自社完結

2024年9月20日製品・テクノロジースペシャリスト

 コダックは「drupa2024」において、ULTRASTREAMコンティニュアスインクジェットテクノロジーを搭載した「PROSPER ULTRA 520プレス」と、PROSPERイン...全文を読む

喜多氏と「AccurioJet KM-1e」

大阪印刷、同人誌印刷ビジネスで「圧倒的な画質」提供[AccurioJet KM-1e導入事例]

2024年9月20日ケーススタディ

 同人誌印刷ビジネスで急成長を遂げる大阪印刷(株)(大阪市西淀川区御幣島5-5-23、根田貴裕社長)は今年4月、コニカミノルタの29インチ枚葉UVインクジェット印刷機「AccurioJ...全文を読む

最新ニュース

ミマキ、「アルティスタ」ブランドに粘着層付き壁紙シート追加

2024年10月9日

 (株)ミマキエンジニアリング(本社/長野県東御市、池田和明社長)は、同社が展開するインテリア・グラフィックブランド「アルティスタ」の第2弾として、屋内装飾用の粘着層付きプリント壁紙シ...全文を読む

規格袋にPOD機で直接印刷

富士フイルム、TOKYO PACK 出展でパッケージの付加価値提案

2024年10月9日

 富士フイルムグループは、「TOKYO PACK 2024(東京国際包装展)」に出展し、インクジェット方式やトナー方式など、富士フイルムが独自開発した幅広いラインアップのデジタルプリン...全文を読む

dp_iic_j560hdx_tn.jpg

SCREEN GA、京都・久御山事業所に「インクジェットイノベーションセンター京都」開設

2024年10月7日

 (株)SCREENグラフィックソリューションズ(京都府京都市、田中志佳社長、以下、SCREEN GA)は、2024年10月に印刷関連機器の開発・製造を担う京都・久御山事業所に「インク...全文を読む

太陽堂成晃社、新たな市場創出に挑戦 〜 デジタル加飾を核とした事業開始

クルツ製・デジタル箔システム「DM-LINER」導入

2017年6月15日ケーススタディ

  • twitter
  • facebook
  • line

オンデマンド箔印刷システムを構築

 コールドフォイル印刷の校正用途だけでなく、新ビジネスの生産機としての活用も導入目的の1つだと宮本社長は説明する。

 「多品種小ロット対応へのニーズは、年々高まっていく。そのニーズに応えるためには、DM-LINERをはじめとするデジタル印刷システムが必要である」

 同工場には、「DM-LINER」や「HPインディゴ7800」のほか、インクの密着性が悪い印刷原紙に対してコーティング剤(アンカーコート)を塗布でき、さらにUVコーティングもできる特殊設備「ExcelCoat」も導入しており、これら最新器機を活用して「オンデマンド箔印刷システム」として稼働を開始している。

 現在では、名刺やダイレクトメール、同人誌の表紙、変わったところでは缶バッジなど、多種多様なアイテムを生産している。これらは同社営業マンが印刷データを持ち込み、すぐに印刷・箔処理をして顧客に納品することもあるという。まさにデジタルならではのビジネスモデルといえる。
新たな商品開発にも着手
 同社の主要取引先は、主に出版社である。当然、提供するアイテム数には限りがある。そこで宮本社長は、「オンデマンド箔印刷システム」の販路拡大を目的に、デジタル加飾を駆使した、あるアイテムの開発に着手している。それは美術館などで販売される卓上カレンダーだ。

 「美術館では、有名な絵画などを展示する期間限定の企画展を開催している。そこでは、展示されている絵画をモチーフに卓上カレンダーやポストカードなどが販売されているが、これらアイテムにDM-LINERによる箔処理を施せば、これまでとは違う商品価値を生み出すことができると思う。また、大量部数を必要としないので、小ロット生産できるデジタルの特性も発揮できるはず」(宮本社長)

微細な網点にも箔転写できる品質を高く評価

 多品種小ロット対応による柔軟な生産体制の構築は、デジタル印刷機器の最大の特性といえる。しかし、そこに「品質」がともなわなければ、真の「オンデマンド箔印刷システム」は構築できない。

 その点について、「DM-LINER」を担当する同社・印刷事業部の對島部長は「非常に細かな網点に対しても正確に箔転写している。用紙適正も幅広く、あらゆるアイテムに使用することができる。また、ファンシー系用紙のヴァンヌーボに対しても問題なく箔転写できたことには、正直驚いた」と、「DM-LINER」の品質と機能について評価するとともに、今後も新たな製品開発にチャレンジしていくと語っている。

 「クライアントが求める製品を提供することが、当社のミッション」と語る宮本社長は、「これから企業として成長していくためには、常に新しいことにチャレンジしていくことが重要だと考えている。その1つがDM-LINEを活用した『デジタル加飾』への取り組みである」と、今後の展開について明らかにした。

新着トピックス

新着ニュース

PAGE TOP