インクジェット印刷の高い再現性と安定性を実現する上でとくに重要となるのは、「プリントヘッド」「インク」「画像処理」の3要素と、それらを双方向に連携させた技術と技術、製品と製品とのインテグレーション。富士フイルムは、これら3つのコア技術における独自の強みとそのインテグレーションを「FUJIFILM Inkjet Technology」と定義し、幅広い分野でそれに基づく製品を投入している。今回、同ソリューションを象徴するデジタルプレスの新製品2モデルとインク技術について、富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ(株)デジタルプレス事業部の宮城安利部長、富士フイルムデジタルプレス(株)営業部の石田恵博部長、烏田眞一郎部長の3氏に話をうかがった。
Jet Press高速モデル
2011年に市場投入された商業印刷分野向けインクジェットデジタルプレス「Jet Press」の販売が、ここにきて好調だ。現在、日本・欧米を中心に、世界で約150台以上が稼働している「Jet Press」だが、その商談においても「潮目が変わった」と宮城部長は表現する。
「『時期尚早』という理由で商談をストップしていたお客様が再度検討に入り、契約に結びつくケースが増えている。デジタル印刷機が、まさに『生産機』として認知されつつあり、とくにJet Pressはアルバム業界や校正用途での活用で実績を上げてきたことから、お客様も『品質は申し分ない』という認識を持っている。そのため契約までの商談期間も短くなっている」(宮城部長)
2014年発売の「Jet Press 720S」は、菊半サイズ(最大用紙サイズ750×532ミリ)用紙にシングルパス方式での高速印刷で、毎時2,700枚(A4換算で毎分180枚)という高い生産性を誇る。プリントヘッドには高精度で安定した吐出を実現する「SAMBA」ヘッド、インクは広色域の水性顔料インク「VIVIDIA」を使用し、用紙上での打滴のにじみを抑える「Rapic(ラピック)技術」により、さまざまな印刷用紙にシャープで階調豊かな画像を描出する。
そして、その上位機種としてIGAS2018で発表されたのが、「Jet Press 750S(仮称)」だ。
同モデルは、次世代の「SAMBA」ヘッドを搭載することで打滴速度を高速化・高精度化し、毎時3600枚という高速出力を実現。加えて、この高速化にともない乾燥能力を高める必要があることから、同モデルでは、加熱されたベルトコンベアに直接紙を吸着させる新たな乾燥機構を採用。吸着された状態で熱を与えるため、紙の変形抑制にも貢献する機構だ。
また、最大用紙サイズを750×585ミリに拡大。B5サイズやレターサイズの6面付けが可能になったことで、通し枚数の削減、面付け工数の削減などにより、生産効率を大きく向上させている。
さらに、もうひとつのポイントが検査システムだ。今回、画像部全面スキャンによる自動スジ検知を実現した専用の内臓検査システムを開発。オプションとして提供予定だ。AIによってチューニングされた独自アルゴリズムで、従来不可能とされていた吐出曲がりなどによる「白スジ」現象も検出可能になっている。
「これまでも不良検出用のパターンデータを印字して、全ノズルの不良をチェックしていた。ほとんどの不良がここでチェック可能で、きわめて有効な方法だが、逆に印刷データと無関係なノズルを検出してしまうという課題もあった。また、インク吐出方向の一瞬の曲がりが、品質に影響を与えてしまうという、シングルパス方式インクジェットの原理的な課題も解決したいとの市場要望に対して、さらなる『安心』を提供するために、1,200dpiの細いスジを読み取るカメラの開発と、OK/不良の判断をAIに学習させる先進技術を採用した」(宮城部長)
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2011年に市場投入された商業印刷分野向けインクジェットデジタルプレス「Jet Press」の販売が、ここにきて好調だ。現在、日本・欧米を中心に、世界で約150台以上が稼働している「Jet Press」だが、その商談においても「潮目が変わった」と宮城部長は表現する。
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