キーワードで検索

富士フイルム、進化を遂げる「FUJIFILM Inkjet Technology」

「力強い品質」に評価 〜 SAMBAヘッドとインク技術

2018年11月21日製品・テクノロジー

 インクジェット印刷の高い再現性と安定性を実現する上でとくに重要となるのは、「プリントヘッド」「インク」「画像処理」の3要素と、それらを双方向に連携させた技術と技術、製品と製品とのインテグレーション。富士フイルムは、これら3つのコア技術における独自の強みとそのインテグレーションを「FUJIFILM Inkjet Technology」と定義し、幅広い分野でそれに基づく製品を投入している。今回、同ソリューションを象徴するデジタルプレスの新製品2モデルとインク技術について、富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ(株)デジタルプレス事業部の宮城安利部長、富士フイルムデジタルプレス(株)営業部の石田恵博部長、烏田眞一郎部長の3氏に話をうかがった。

左から、FFGS・宮城安利部長、FFDP・石田恵博部長、同・烏田眞一郎部長

Jet Press高速モデル

 2011年に市場投入された商業印刷分野向けインクジェットデジタルプレス「Jet Press」の販売が、ここにきて好調だ。現在、日本・欧米を中心に、世界で約150台以上が稼働している「Jet Press」だが、その商談においても「潮目が変わった」と宮城部長は表現する。

 「『時期尚早』という理由で商談をストップしていたお客様が再度検討に入り、契約に結びつくケースが増えている。デジタル印刷機が、まさに『生産機』として認知されつつあり、とくにJet Pressはアルバム業界や校正用途での活用で実績を上げてきたことから、お客様も『品質は申し分ない』という認識を持っている。そのため契約までの商談期間も短くなっている」(宮城部長)

 2014年発売の「Jet Press 720S」は、菊半サイズ(最大用紙サイズ750×532ミリ)用紙にシングルパス方式での高速印刷で、毎時2,700枚(A4換算で毎分180枚)という高い生産性を誇る。プリントヘッドには高精度で安定した吐出を実現する「SAMBA」ヘッド、インクは広色域の水性顔料インク「VIVIDIA」を使用し、用紙上での打滴のにじみを抑える「Rapic(ラピック)技術」により、さまざまな印刷用紙にシャープで階調豊かな画像を描出する。
印刷本紙への高品質な出力を実現する「Rapic技術」

 そして、その上位機種としてIGAS2018で発表されたのが、「Jet Press 750S(仮称)」だ。

 同モデルは、次世代の「SAMBA」ヘッドを搭載することで打滴速度を高速化・高精度化し、毎時3600枚という高速出力を実現。加えて、この高速化にともない乾燥能力を高める必要があることから、同モデルでは、加熱されたベルトコンベアに直接紙を吸着させる新たな乾燥機構を採用。吸着された状態で熱を与えるため、紙の変形抑制にも貢献する機構だ。
Jet Press 750S
 また、最大用紙サイズを750×585ミリに拡大。B5サイズやレターサイズの6面付けが可能になったことで、通し枚数の削減、面付け工数の削減などにより、生産効率を大きく向上させている。

 さらに、もうひとつのポイントが検査システムだ。今回、画像部全面スキャンによる自動スジ検知を実現した専用の内臓検査システムを開発。オプションとして提供予定だ。AIによってチューニングされた独自アルゴリズムで、従来不可能とされていた吐出曲がりなどによる「白スジ」現象も検出可能になっている。

 「これまでも不良検出用のパターンデータを印字して、全ノズルの不良をチェックしていた。ほとんどの不良がここでチェック可能で、きわめて有効な方法だが、逆に印刷データと無関係なノズルを検出してしまうという課題もあった。また、インク吐出方向の一瞬の曲がりが、品質に影響を与えてしまうという、シングルパス方式インクジェットの原理的な課題も解決したいとの市場要望に対して、さらなる『安心』を提供するために、1,200dpiの細いスジを読み取るカメラの開発と、OK/不良の判断をAIに学習させる先進技術を採用した」(宮城部長)

AI技術を応用したスジ検知

関連記事

新着トピックス

dp_tsf_2019_koyama_tn.jpg

コニカミノルタジャパン、TSF2019で後加工を活かすデジタル印刷を提案

2019年11月7日製品・テクノロジー

 コニカミノルタジャパン(株)(本社/東京都港区、原口淳社長)は、「THINK SMART FACTORY 2019(TSF2019)」において、最新鋭のデジタル印刷機と受注業務からプ...全文を読む

u-post_truepressjet520hd+_dp_tn.jpg

ユニバーサルポスト、SCREEN製連帳高速インクジェットで「統合メディア業」加速

2019年10月10日企業・経営

 (株)ユニバーサルポスト(本社/広島市西区商工センター、喜瀬清社長)はこのほど、SCREEN製フルカラーバリアブルプリンティングシステム「Truepress Jet520HD+」を導...全文を読む

最新ニュース

dp_arkay_106_tn.jpg

ハイデルベルグ社、アーケイパッケージング社(米国)がプライムファイア106導入へ

2019年12月4日

 ハイデルベルグ社(ドイツ)は、このほど米国のアーケイパッケージング社が、インダストリアルデジタルシステム「プライムファイア106」の導入を決断したことを発表した。これによりハイデルベ...全文を読む

toppan_kimera_19_dp_tn.jpg

凸版印刷とキメラ、デジタルメディアのマネジメントを支援

2019年11月28日

 凸版印刷(株)(麿秀晴社長)と、出版社・新聞社・テレビ局などのパブリッシャー向けにビジネスグロース支援・プロダクト提供を行う(株)キメラ(東京都渋谷区)は、11月に資本業務提携を締結...全文を読む

jeti-tauro-h3300_led_shadow_dp_tn.jpg

大判高速UVインクジェットプリンタ「JETI TAURO H3300 LED」国内販売開始

2019年11月14日

 日本アグフア・ゲバルト(株)(岡本勝弘社長)は、ロール・ボード双方に対応するハイエンド・ハイブリッドUVインクジェットプリンタ「JETI TAURO H3300 LED」の国内販売を...全文を読む

富士フイルム、進化を遂げる「FUJIFILM Inkjet Technology」

「力強い品質」に評価 〜 SAMBAヘッドとインク技術

2018年11月21日製品・テクノロジー

  • twitter
  • facebook
  • line
  • pocket

 インクジェット印刷の高い再現性と安定性を実現する上でとくに重要となるのは、「プリントヘッド」「インク」「画像処理」の3要素と、それらを双方向に連携させた技術と技術、製品と製品とのインテグレーション。富士フイルムは、これら3つのコア技術における独自の強みとそのインテグレーションを「FUJIFILM Inkjet Technology」と定義し、幅広い分野でそれに基づく製品を投入している。今回、同ソリューションを象徴するデジタルプレスの新製品2モデルとインク技術について、富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ(株)デジタルプレス事業部の宮城安利部長、富士フイルムデジタルプレス(株)営業部の石田恵博部長、烏田眞一郎部長の3氏に話をうかがった。

左から、FFGS・宮城安利部長、FFDP・石田恵博部長、同・烏田眞一郎部長

Jet Press高速モデル

 2011年に市場投入された商業印刷分野向けインクジェットデジタルプレス「Jet Press」の販売が、ここにきて好調だ。現在、日本・欧米を中心に、世界で約150台以上が稼働している「Jet Press」だが、その商談においても「潮目が変わった」と宮城部長は表現する。

 「『時期尚早』という理由で商談をストップしていたお客様が再度検討に入り、契約に結びつくケースが増えている。デジタル印刷機が、まさに『生産機』として認知されつつあり、とくにJet Pressはアルバム業界や校正用途での活用で実績を上げてきたことから、お客様も『品質は申し分ない』という認識を持っている。そのため契約までの商談期間も短くなっている」(宮城部長)

 2014年発売の「Jet Press 720S」は、菊半サイズ(最大用紙サイズ750×532ミリ)用紙にシングルパス方式での高速印刷で、毎時2,700枚(A4換算で毎分180枚)という高い生産性を誇る。プリントヘッドには高精度で安定した吐出を実現する「SAMBA」ヘッド、インクは広色域の水性顔料インク「VIVIDIA」を使用し、用紙上での打滴のにじみを抑える「Rapic(ラピック)技術」により、さまざまな印刷用紙にシャープで階調豊かな画像を描出する。
印刷本紙への高品質な出力を実現する「Rapic技術」

 そして、その上位機種としてIGAS2018で発表されたのが、「Jet Press 750S(仮称)」だ。

 同モデルは、次世代の「SAMBA」ヘッドを搭載することで打滴速度を高速化・高精度化し、毎時3600枚という高速出力を実現。加えて、この高速化にともない乾燥能力を高める必要があることから、同モデルでは、加熱されたベルトコンベアに直接紙を吸着させる新たな乾燥機構を採用。吸着された状態で熱を与えるため、紙の変形抑制にも貢献する機構だ。
Jet Press 750S
 また、最大用紙サイズを750×585ミリに拡大。B5サイズやレターサイズの6面付けが可能になったことで、通し枚数の削減、面付け工数の削減などにより、生産効率を大きく向上させている。

 さらに、もうひとつのポイントが検査システムだ。今回、画像部全面スキャンによる自動スジ検知を実現した専用の内臓検査システムを開発。オプションとして提供予定だ。AIによってチューニングされた独自アルゴリズムで、従来不可能とされていた吐出曲がりなどによる「白スジ」現象も検出可能になっている。

 「これまでも不良検出用のパターンデータを印字して、全ノズルの不良をチェックしていた。ほとんどの不良がここでチェック可能で、きわめて有効な方法だが、逆に印刷データと無関係なノズルを検出してしまうという課題もあった。また、インク吐出方向の一瞬の曲がりが、品質に影響を与えてしまうという、シングルパス方式インクジェットの原理的な課題も解決したいとの市場要望に対して、さらなる『安心』を提供するために、1,200dpiの細いスジを読み取るカメラの開発と、OK/不良の判断をAIに学習させる先進技術を採用した」(宮城部長)

AI技術を応用したスジ検知

関連記事

新着トピックス

新着ニュース

PAGE TOP