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印刷の近未来を体感|THINK SMART FACTORY レポート

スマートファクトリーへの道を提示〜3,034名が来場、うち海外から479名

2019年11月18日製品・テクノロジー

 労働人口の減少にともなう人手不足が深刻化する中、今年4月から「働き方改革関連法」が順次施行され、法的な対応も必要になるなど、製造業はこれら社会情勢に対し、労働生産性の向上が急務になっている。

 総出荷額・従業員数ともに減少傾向にある印刷業界も同様だ。プリプレス工程のファクトリーオートメーション化を推し進めるニシカワグループの西川誠一社長は、「属人的要素の強い現在の印刷業界にあって、熟練労働者の高齢化、技能の継承問題、外国人実習生雇用の限界など、中長期的な経営課題である『人手不足』の解決が急務である」と警鐘を鳴らしている。

 一方、顧客ニーズが多様化する中、印刷物の多品種・小ロット化の流れは止まらない。印刷会社は、その小ロットジョブを「如何に効率良く処理し、コスト競争力を維持しながらニーズに応えていくか」という課題への対応も迫られている。

 これら現状の打開策として提唱されている考え方が「印刷業界のデジタルトランスフォーメーション」である。これを踏まえ、メーカー・ベンダー各社からも「IoTやAIの技術で機器や工程間をつなぎ、印刷工程全体の自動化、省力化を高度なレベルで実現する」、いわゆる印刷工場の「スマートファクトリー化」という将来像が提唱され、その足掛かりとなるソリューションも具体化されつつある。

 そんな中、スマートファクトリーを体感できる業界イベント「THINK SMART FACTORY 2019 IN KYOTO」が11⽉11⽇から13日の3日間、京都の「みやこめっせ(京都市勧業館)」で開催され、3,034名が来場。うち海外から479名を数え、国際展としての様相を呈した。

開催初日から多くの来場者で賑わう会場

 同イベントを主催するTSF2019実行委員会は、ホリゾン・インターナショナル、キヤノンマーケティングジャパン、ダックエンジニアリング、富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ、グーフ、日本HP、Hunkeler AG、J SPIRITS、コニカミノルタジャパン、レゾロジック、リコージャパン、リョービMHIグラフィックテクノロジー、SCREENグラフィックソリューションズ、TECNAUで構成。昨年のIGAS2018で試みた「スマートファクトリーゾーン」を拡張する形で企画されたものだ。

 今回も設置された「スマートファクトリーゾーン」では、印刷業界で成功をおさめる国内外の事例紹介や、マーケットリーダーによる近未来像の紹介など、スマートファクトリーの実現に向けた全16セッションが用意された。

メインステージでは、見どころを紹介する9種類のプレゼンテーションを実施

 また、展示では「Connected」をキーワードに、会場内全体をJDFやMISを介したワークフローで繋ぎ、自動搬送車やロボット等も物理的な省人化として取り入れながら、その実稼働を通して「スマートファクトリー」を体感できる環境を提示した。

 最新器機が一堂に会する展示会場には、「インクジェット連帳中綴じ製本ライン」「自動中綴じ折り製本ライン」「枚葉デジタル無線綴じ製本ライン」「インクジェット連帳高速無線綴じ製本ライン」「インクジェット連帳インライン無線綴じ製本ライン」「枚葉中綴じ製本ライン」「ロボットシステム連動枚葉デジタル無線綴じ製本ライン」「インクジェット連帳折り加工ライン」などが設置され、会期中は各出力機と後加工機が連動した数々のデモンストレーションを随所で展開。印刷産業の近未来を示唆する「スマートファクトリー」への道が提示された。

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2019年11月18日製品・テクノロジー

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 労働人口の減少にともなう人手不足が深刻化する中、今年4月から「働き方改革関連法」が順次施行され、法的な対応も必要になるなど、製造業はこれら社会情勢に対し、労働生産性の向上が急務になっている。

 総出荷額・従業員数ともに減少傾向にある印刷業界も同様だ。プリプレス工程のファクトリーオートメーション化を推し進めるニシカワグループの西川誠一社長は、「属人的要素の強い現在の印刷業界にあって、熟練労働者の高齢化、技能の継承問題、外国人実習生雇用の限界など、中長期的な経営課題である『人手不足』の解決が急務である」と警鐘を鳴らしている。

 一方、顧客ニーズが多様化する中、印刷物の多品種・小ロット化の流れは止まらない。印刷会社は、その小ロットジョブを「如何に効率良く処理し、コスト競争力を維持しながらニーズに応えていくか」という課題への対応も迫られている。

 これら現状の打開策として提唱されている考え方が「印刷業界のデジタルトランスフォーメーション」である。これを踏まえ、メーカー・ベンダー各社からも「IoTやAIの技術で機器や工程間をつなぎ、印刷工程全体の自動化、省力化を高度なレベルで実現する」、いわゆる印刷工場の「スマートファクトリー化」という将来像が提唱され、その足掛かりとなるソリューションも具体化されつつある。

 そんな中、スマートファクトリーを体感できる業界イベント「THINK SMART FACTORY 2019 IN KYOTO」が11⽉11⽇から13日の3日間、京都の「みやこめっせ(京都市勧業館)」で開催され、3,034名が来場。うち海外から479名を数え、国際展としての様相を呈した。

開催初日から多くの来場者で賑わう会場

 同イベントを主催するTSF2019実行委員会は、ホリゾン・インターナショナル、キヤノンマーケティングジャパン、ダックエンジニアリング、富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ、グーフ、日本HP、Hunkeler AG、J SPIRITS、コニカミノルタジャパン、レゾロジック、リコージャパン、リョービMHIグラフィックテクノロジー、SCREENグラフィックソリューションズ、TECNAUで構成。昨年のIGAS2018で試みた「スマートファクトリーゾーン」を拡張する形で企画されたものだ。

 今回も設置された「スマートファクトリーゾーン」では、印刷業界で成功をおさめる国内外の事例紹介や、マーケットリーダーによる近未来像の紹介など、スマートファクトリーの実現に向けた全16セッションが用意された。

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 また、展示では「Connected」をキーワードに、会場内全体をJDFやMISを介したワークフローで繋ぎ、自動搬送車やロボット等も物理的な省人化として取り入れながら、その実稼働を通して「スマートファクトリー」を体感できる環境を提示した。

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