あくまでPC1120レベルの画質・性能を追求
ここからRevoria Press EC2100の機能や技術ポイントについて紹介する。
同機はCMYKの4色トナーに加え特殊トナーを搭載し、1パスで5色印刷が可能なプロダクションプリンター。毎分100ページの印刷速度を実現し、新開発の縦型現像技術により、コンパクトな筐体でありながら高画質な印刷を可能にする技術を採用し、印刷速度を落とすことなく、52g/平米の薄紙から400g/平米の厚紙までの用紙への印刷が可能。加えて、用紙サイズ90×146ミリから最大330×1,300ミリまでの長尺用紙にも印刷できる。
技術二部の大橋彰担当課長は「開発のポイントは、ミッドレンジモデルの性能を目標とせず、あくまでPC1120レベルの画質や性能を追求した点にある。旧Versantに匹敵する小さな筐体でそれを実現するため、随所に新たな技術が盛り込まれている」とした上で、「開発当初、安定性などを懸念していたが、販売に先駆けて当社技術部で検証した結果、非常に性能は高く、電子写真方式の根本的課題である色ムラなども低減させている」と説明する。

また、EC2100の開発においても見当精度にこだわったという。多くのPOD機はセンターで搬送するため見当精度が出せないという構造的課題がある。一方、PC1120の場合、サイドガイドに突き当てて反転させているので、原理的にサイドの表裏見当ズレは起きにくいという特徴がある。ただ、この構造をコンパクトな筐体で実現するには難しい。そこで、EC2100ではセンター搬送に対して、新しい検査装置によるリアルタイム補正で見当精度を高めている。これは表裏の見当と、紙のエッジからの距離をセンサーによってリアルタイムで監視し、自動補正するというものだ。オフセットジョブの代替において見当精度に対する市場関心は高い」(大橋課長)
また、感圧紙や封筒など様々なメディアに対応する印刷適性も向上しており、大橋課長も「素の状態では、定着性はPC1120よりも優れている」と話す。例えばレザックのような凹凸のある紙に対しては、トナーを紙の隙間に押し込むことを補助する機能性トナーを使用する。EC2100の場合、「どの技術が効いているかという判断は難しいが、転写機構のブラッシュアップ、および電子制御の最適化などが複合的に作用することで、転写性に優れたマシンに仕上がっている」(大橋課長)と説明する。
SDLは「課題解決の検証の場」
FFGSでは昨年6月、西麻布にあるショールームをデジタル印刷に特化した「課題解決の検証の場」としてフルリニューアルし、新名称「Solution Design Lab.(略称SDL)」(東京都港区西麻布2-26-30 富士フイルム西麻布ビル)として運用を開始している。現在、PC1120、EC2100の両モデルの実機検証が可能となっている。
「ショールームで技術検証を行うお客様との商談が、1枚の出力品質を見て検証を行うものから、『オフセット印刷の中綴じ30頁1,500部の仕事をPODに置き換えられるか』という、いわゆる具体的なオフセットトランスファーをイメージした見当精度や色の安定性などを評価するものに変化してきている。これらを、後加工機を含めた検証で、より導入後のイメージが掴みやすいような環境、提案を努めている」(大橋課長)
また、今年2月には「VRショールーム」も開設。同社のWebメディア「FG Platz」からアクセスでき、バーチャル環境でSDLを体感することができる。

「今後は最適生産ソリューションを通して、紙メディア以外への印刷の可能性や他のプリント分野での活用といった潜在ニーズの開拓も進め、そのニーズを開発側にも循環させていきたい」(鈴木部長)
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同機はCMYKの4色トナーに加え特殊トナーを搭載し、1パスで5色印刷が可能なプロダクションプリンター。毎分100ページの印刷速度を実現し、新開発の縦型現像技術により、コンパクトな筐体でありながら高画質な印刷を可能にする技術を採用し、印刷速度を落とすことなく、52g/平米の薄紙から400g/平米の厚紙までの用紙への印刷が可能。加えて、用紙サイズ90×146ミリから最大330×1,300ミリまでの長尺用紙にも印刷できる。
技術二部の大橋彰担当課長は「開発のポイントは、ミッドレンジモデルの性能を目標とせず、あくまでPC1120レベルの画質や性能を追求した点にある。旧Versantに匹敵する小さな筐体でそれを実現するため、随所に新たな技術が盛り込まれている」とした上で、「開発当初、安定性などを懸念していたが、販売に先駆けて当社技術部で検証した結果、非常に性能は高く、電子写真方式の根本的課題である色ムラなども低減させている」と説明する。

また、EC2100の開発においても見当精度にこだわったという。多くのPOD機はセンターで搬送するため見当精度が出せないという構造的課題がある。一方、PC1120の場合、サイドガイドに突き当てて反転させているので、原理的にサイドの表裏見当ズレは起きにくいという特徴がある。ただ、この構造をコンパクトな筐体で実現するには難しい。そこで、EC2100ではセンター搬送に対して、新しい検査装置によるリアルタイム補正で見当精度を高めている。これは表裏の見当と、紙のエッジからの距離をセンサーによってリアルタイムで監視し、自動補正するというものだ。オフセットジョブの代替において見当精度に対する市場関心は高い」(大橋課長)
また、感圧紙や封筒など様々なメディアに対応する印刷適性も向上しており、大橋課長も「素の状態では、定着性はPC1120よりも優れている」と話す。例えばレザックのような凹凸のある紙に対しては、トナーを紙の隙間に押し込むことを補助する機能性トナーを使用する。EC2100の場合、「どの技術が効いているかという判断は難しいが、転写機構のブラッシュアップ、および電子制御の最適化などが複合的に作用することで、転写性に優れたマシンに仕上がっている」(大橋課長)と説明する。
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「ショールームで技術検証を行うお客様との商談が、1枚の出力品質を見て検証を行うものから、『オフセット印刷の中綴じ30頁1,500部の仕事をPODに置き換えられるか』という、いわゆる具体的なオフセットトランスファーをイメージした見当精度や色の安定性などを評価するものに変化してきている。これらを、後加工機を含めた検証で、より導入後のイメージが掴みやすいような環境、提案を努めている」(大橋課長)
また、今年2月には「VRショールーム」も開設。同社のWebメディア「FG Platz」からアクセスでき、バーチャル環境でSDLを体感することができる。

「今後は最適生産ソリューションを通して、紙メディア以外への印刷の可能性や他のプリント分野での活用といった潜在ニーズの開拓も進め、そのニーズを開発側にも循環させていきたい」(鈴木部長)
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